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[良い点]
冒険者ギルド創設秘史を創作するという、目のつけどころが素晴らしいですね!
[気になる点]
下肢、となっていますが、下賜ですね?
冒険者ギルド創設秘史を創作するという、目のつけどころが素晴らしいですね!
[気になる点]
下肢、となっていますが、下賜ですね?
いつも有難うございます。
巧遅よりも拙速を重んじる性格のせいか、どうしても誤字が出てしまいます。
ラザロさんのように指摘して頂けると大変助かります。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
巧遅よりも拙速を重んじる性格のせいか、どうしても誤字が出てしまいます。
ラザロさんのように指摘して頂けると大変助かります。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月17日 00時00分
[一言]
掲示板から参りました後藤と申します。
私は普段、冒険者やらギルドに関するファンタジー小説を読むこともなければ書くこともないため、少々的外れな感想になってしまうかもしれませんが、はじめさせていただきます。
まず、小説を読み慣れておられるようで、この作品には世界観に深みを与えてくれるような表現が散りばめられていることがとても印象的です。私はお酒には詳しくありませんが、端々にどんな種類のお酒が飲まれているを表現するなどされていて、実際に存在する世界であるかのように表現されようとしている点が面白いように思われます。
また、登場人物を動かし方も手慣れた様子を感じます。主人公と近い存在はともかく、まだ顔を合わせていないアナトール氏のような人物も過不足なく動いているように思えます。このサイトでは主人公ばかりを中心として、物語が複数の場所で同時進行しているような表現をされる方が決して多くはないため、その点も印象的に思えます。
同時に主人公の目標が明確である点も評価できます。これからどのようにことを進めていくのか、そう期待できるからです。
ただ、誉めてばかりで終わってしまっては私の感想らしくありません。誉め言葉は他の人にかけていただくとして、少々意地悪な見方で後半を続けさせていただきます。
まず、表現は多すぎず少なすぎず、少ない文字で場面を想像しやすい反面、必ずしも情景を詳細に再現できているとは言い難い印象も受けました。というのも、世界観や街の様子などが他のファンタジー作品――私の場合、ソード・ワールドや魔法戦士リウイなど――で補完できてしまうと考えるからです。他のファンタジー作品に表現された世界観を当てはめるとうまく情景が想像できますが、それは反対に言えば世界観を他のファンタジー作品に頼っているとも見えるということです。世界観においては、私は必ずしも目新しいものは感じませんでした。
また、表現が少ないと思えるもう一つの理由として、表現を独白に頼りすぎているように思えるところがあるからです。それを特に感じたのは確か青のバルタザル氏との戦いの場面です。緊迫した場面だとはわかるのですが、それが表現としてではなく独白として示されています。防戦一方だが五撃に一撃は反撃できる。そう、直接書かれています。剣をどのように受け、弾き、どこに反撃の糸口を見いだしたのかを書かず、ただこうだと読者の方々の想像力に頼って事実だけを語ってしまっているように思えます。これだと、先述の通り、読者の方々の想像力にお任せできる範囲、読者の方々がすぐにわかる程度の表現しか描写できません。決して描写が悪いというわけではないのですが、戦闘のような激しい動きが想定されるような場所でも日常でも表現方法が同じで、動作の少ない日常ではあまり問題ないようでも、戦闘となるともう少し細かい表現が欲しい気がします。このままだと戦闘が漠然としすぎていて、流れはわかるのですが、言ってしまうなら流れしかわからない。主人公はスカウトですので、戦闘を主体の作品とはしないためかもしれませんが、描写に関しては読者への依存が大きい面がありました。
続いて、冒険者を英雄箪としてではなく、街の浮浪者という観点から眺めることは発想として面白いのですが、少々ネタバレ申し訳ありませんが、主人公が実は英雄の一人であると明かすのが早すぎる気がします。明かしてしまった時点で、主人公はすでに浮浪者とは別世界の住民であるということになってしまい、この作品の性質の一つである、冒険者を冒険者としては描かないという設定が薄くなってしまったようにも思われるからです。リンゴのたとえ話をしましょう。いつもリンゴを正面から眺めている人に、リンゴを下から見せたとしたならかえって新鮮な印象を受けるかもしれません。でも、リンゴを見慣れていない人にとってはでも、結局リンゴだろ、となります。
この作品は、一風変わったファンタジーを目指されているように書かれていましたが、同時に変わっていようとファンタジーでしかない、普段同じジャンルのファンタジーを読んでいる人にだけ新鮮に映るという危険性を抱えているようにも思われます。
若者ではなく老人が主人公。それでも結局サクセス・ストーリーでは印象としてあまり変わらず、それどころか主人公が英雄という点は、主人公が天才的な冒険者というこのサイトでは多いような気がする設定と重なります。
それが悪いこととは思えませんが、見る角度を変えてもリンゴはリンゴであって、場合によっては他のファンタジー小説に埋没してしまう恐れもはらんでいるような、そんな感想を抱きました。表現のところで読者のイメージに頼っていると妙なところを指摘したのもそんな理由があります。ファンタジー作品を読み慣れた人には読みやすい反面、結局読者層を限定してしまい、数多いファンタジー作品の中のちょっと変わった作品に留まってしまうようなことを不遜にも危惧しています。
また、とても期待できる作品である反面、不安も多くあります。
またネタバレになりますが、冒険者のギルドを作るという目的は、楽しみな反面、この作品では進んでハードルを上げられているようにも思えるのです。度重なる妨害に裏切り、これまでに9度も失敗しておきながらこれが最後。そうなると、正直な話、ギルドができるにしてもとんとんびょうしに話が進んでもらっても納得できません。これまでの9回では不可能であったことが何故10回目なら成功できたのか、それを強烈に示していただけるようなエピソードが欲しいと考えます。今回たまたま運がよかった、ではなくて、これまでの9回は何故失敗したのか、そして今回は何故成功できたのか、これまでの9回と同じくらいの苦難にあって、かつそれを乗り切れる理由をエピソードとして示していただかないと9回の失敗という設定が軽いものになってしまう恐れがあります。こんなことは指摘するまでもなく様々な苦悩を表現されているようですが、そう、進んでハードルを上げられている点に、次の心配が感じられました。
世界観が今のままでは怖いことになりそうだと考えるからです。作中でも表現されていましたが冒険者は、結局仕事がなく、典型的な浮浪者ということになっています。このまま徒党を組んだとしても犯罪組織以上のものはできあらがらず、ヤクザかマフィアのようなものしかできないのではないでしょうか。経済状況は何ら解決せず、その上政治的発言力まで有するようにあると考えられるからです。そうなると、商人が冒険者を軽く見るように、今度は冒険者がそうではない人を軽んずるようになるだけ。結局繰り返しで、冒険者だけはよかったね、で終わってしまうなら、それなら別に冒険者に視点を当てる必要はないようにも思われます。別に商人がギルドを作るまでの過程を描いてもよかったでしょうし、繰り返しの中でわざわざ冒険者ギルドだけを切り取る必要があるようには思えないからです。少なくとも、問題は何も解決してませんが、主人公が納得しましたので終わります、なんて作品を私は認められません。特に、奴隷とは違うのでしょうが、冒険者の中で人を金銭で売買している場面は、結局冒険者が力を得ても世の中、別の被差別民が現れるだけで何も変わらない、冒険者がギルドを得たとしてもそれが何の意味があるのだろう、冒険者がより幅を利かせるだけではないかと思わせるほどでした。しかし反対にいきなり魔物の数が増えたり、深い迷宮が現れて冒険者が必要になったりだとかすると、ただのよくあるファンタジーになってしまいます。言葉を並べた割にわかりにくいと思うのですが、冒険者だけは救われました、めでたしめでたしでは、では何故冒険者を主人公に選んだのかがわからず、納得はできないだろうと考えています。冒険者ギルドを作ることで単に冒険者の地位が向上するだけでは私としては納得できないのです。商人がそうであったように、また別のギルドを持たない民を虐げるだけでそんな世界ならもうすでに表現されているからです。横暴な商人に振り回される冒険者という形で。冒険者ギルドの誕生で世界がどう変わるのか、そこまで描写していただきたいと考えています。
ただ、ここで問題であるのは、多くの冒険者をならず者として表現されている点です。9回も失敗した以上、邪魔屋だけが問題とは思えません。これが冒険者ギルドが犯罪組織にしかなり得ないのではないかと危惧している点でもあるのですが、これが後々尾を引くようにも感じています。一つは、当然、ギルドの構成員としての質的向上の問題。ギルドができたところで、冒険者が勝手きままに行動されては意味がありません。そのため、冒険者にはギルドの構成員としてのモラルが求められます。そのモラルが私の危惧する二つ目の問題と重なります。騒動を起こすということです。私は、日本のドラマはまず見ません。以前は見ていたこともあったのですが、質があまりに悪く見なくなってしまいました。この人、何でこんな小さいことまで問題にしてこんなに騒ぎ立てるんだろう。あ、もう最終回か。でも、絶対まとまれないな、と思いきや、ま、別にいいんじゃない、なんて妙な理解を示して突然のように話がまとまって終わる。いつも騒動起こしてるあなた、そんなに理解ある人じゃなかったでしょ。物語を進めるために無理矢理騒動を起こしておいて、最終回になったと思いきや一転して理解を示す。話の連続性がなく、最終回という都合だけで話をむりやりまとめてしあうような点があまりに浅はかだと考えて見なくなってしまいました。この作品んでも、冒険者たちが「あんたには負けたよ。俺たちは悪党だが、それでも誇り高い冒険者なんだよな」なんて言い出して大円団になったとしても、恐らくよほどしっかりとしたエピソードなしには納得できません。しかしそうしなければ、冒険者ギルドは単なるごろつきの集まりになってしまいます。同時に、大した騒動なしにできてしまうと、以前お話した通り9回の失敗と苦労は何だったんだと、やはり納得できません。この作品は、焼けた石を氷のように冷たくするような作品です。冒険者は騒動を起こす、しかし、まとまらなければならないという2つの矛盾する課題を抱えているように思えるからです。騒動は大きくなければなりませんが、そんな大きな騒動の後にもまとまらなければなりません。簡単な手では、魔王あたりがでてきて街を襲撃、誇りを取り戻した冒険者たちが錆びた剣まで持ち出して必死に戦い抜いたことで結束を取り戻し、国からも認められたなんて手段もありますが、これをこの作品がしてしまうと他のファンタジーの仲間入りを果たしてしまい、作品の持ち味がなくなってしまう危険性があります。作品の雰囲気を壊さず、かつ説得力のあるエピソードをどこまでそろえられるのだろうか。その点が期待と不安がない交ぜになる理由です。
この作品は、積み上げられた薪のような作品です。これだけあればどれほど大きな火が起こせるのだろうかと期待できる反面、作者さんが、まあ、今回はこれくらいでいいかとその半分も使わない火で満足もできてしまう。
この作品、日雇い労働者という点において、現代日本が抱えるパート、アルバイト、期間従業員の問題とも重なります。経済の調整弁として利用しておきながら十分な保障も権利も与えられない存在であるということで共通し、現在の日本では労働組合も満足に機能していない現状があるからです。これを何らかの手段で解決しようとするなら、それこそ社会構造の変革にまで手を出さなければなりません。同時に、別にそんなこと考えず、ただ冒険者ギルドが何となくできました、でも物語を終えることもできてしまいそうだとも考えています。
国を巻き込むほどの大きな騒動が起きなければ9回の失敗が生きてはきませんし、起きたら起きたで今度はそんな騒動を納得できるような形でまとめきれるのかが不安になります。そして、本当に書ききろうとすれば、社会学や経済学の観点を持つ人物の登場が必要になります。主人公はともかく、言葉は悪いのですがお山の大将やお利口な少女では荷が重い。ファンタジーの枠をはみ出すかどうかぎりぎりの作品を作れそうだと期待できる反面、さすがにそこまでは書けないのではないだろうか、あまり社会的な考察なしにとりあえずギルドが出来ました、冒険者たちは喜びましたで終わってしまうのではないかとの不安も大いにあります。
全体として、薪の量はすごいものであるように思えます。その反面、これを全部燃やしきれる人が果たしてこの「なろう」中を探して一人でもいるのだろうかと考えるほどです。
この感想は、十中八九穿ちすぎです。本当に私の感想の決まり文句ですが、あくまでも私個人の意見です。あまり変に世界観を考察し、書き込みすぎない方がこのサイトでは読まれやすい小説にはなりますので、本当に一つの考え方として深く囚われすぎないよう注意をお願いします。杞憂とは思いますが、明らかに他の感想とは違う、感性がずれていますので。
余談ですが、リドルはとても楽しめました。私も私なりに答えを出してみましたが、不正解でした。
私の答えは忘却です。
緑林の下りは意図を読み切れませんでした。ただ、忘却は人がいるところんらどこにでもあります。誰だって忘れてしまったことがあるでしょう。また、どこにもありません。忘れてしまったものはどんなに探しても見つけることはできません。そして、その存在は儚く、ちょっとしたきっかけでふと思い出すこともあれば、忘れていることを忘れていると言ってしまえば忘却はすでに忘却ではなく、脆くも崩れてしまうもの。
忘却が答えじゃないだろうかと考えて、この老人はもしかしたらどこかに大切な忘れ物をしていて、そのことも暗示した謎かけなのではないかなんて勝手に想像していました。
盗賊の下りにしても、政治家と同じです。記憶にございません、わかりませんは常套句でしょうから。
ただ、ここでおかしな表現がありました。嘆きのイシドール氏が、乗るべきか、反るべきかと言っておられましたが、正確には伸るか反るか、成功するか失敗するかわからないという意味です。この場合、賭けに乗るかどうか悩んでいる段階ですので、乗るべきか、乗らないべきか、あるいは、賭けを受けると決めてから伸るか反るかと表現しないと意味が通らないように感じられます。
確認をお願いします。
では、長くなってしまいましたが、これで感想を終えます。失礼します。
掲示板から参りました後藤と申します。
私は普段、冒険者やらギルドに関するファンタジー小説を読むこともなければ書くこともないため、少々的外れな感想になってしまうかもしれませんが、はじめさせていただきます。
まず、小説を読み慣れておられるようで、この作品には世界観に深みを与えてくれるような表現が散りばめられていることがとても印象的です。私はお酒には詳しくありませんが、端々にどんな種類のお酒が飲まれているを表現するなどされていて、実際に存在する世界であるかのように表現されようとしている点が面白いように思われます。
また、登場人物を動かし方も手慣れた様子を感じます。主人公と近い存在はともかく、まだ顔を合わせていないアナトール氏のような人物も過不足なく動いているように思えます。このサイトでは主人公ばかりを中心として、物語が複数の場所で同時進行しているような表現をされる方が決して多くはないため、その点も印象的に思えます。
同時に主人公の目標が明確である点も評価できます。これからどのようにことを進めていくのか、そう期待できるからです。
ただ、誉めてばかりで終わってしまっては私の感想らしくありません。誉め言葉は他の人にかけていただくとして、少々意地悪な見方で後半を続けさせていただきます。
まず、表現は多すぎず少なすぎず、少ない文字で場面を想像しやすい反面、必ずしも情景を詳細に再現できているとは言い難い印象も受けました。というのも、世界観や街の様子などが他のファンタジー作品――私の場合、ソード・ワールドや魔法戦士リウイなど――で補完できてしまうと考えるからです。他のファンタジー作品に表現された世界観を当てはめるとうまく情景が想像できますが、それは反対に言えば世界観を他のファンタジー作品に頼っているとも見えるということです。世界観においては、私は必ずしも目新しいものは感じませんでした。
また、表現が少ないと思えるもう一つの理由として、表現を独白に頼りすぎているように思えるところがあるからです。それを特に感じたのは確か青のバルタザル氏との戦いの場面です。緊迫した場面だとはわかるのですが、それが表現としてではなく独白として示されています。防戦一方だが五撃に一撃は反撃できる。そう、直接書かれています。剣をどのように受け、弾き、どこに反撃の糸口を見いだしたのかを書かず、ただこうだと読者の方々の想像力に頼って事実だけを語ってしまっているように思えます。これだと、先述の通り、読者の方々の想像力にお任せできる範囲、読者の方々がすぐにわかる程度の表現しか描写できません。決して描写が悪いというわけではないのですが、戦闘のような激しい動きが想定されるような場所でも日常でも表現方法が同じで、動作の少ない日常ではあまり問題ないようでも、戦闘となるともう少し細かい表現が欲しい気がします。このままだと戦闘が漠然としすぎていて、流れはわかるのですが、言ってしまうなら流れしかわからない。主人公はスカウトですので、戦闘を主体の作品とはしないためかもしれませんが、描写に関しては読者への依存が大きい面がありました。
続いて、冒険者を英雄箪としてではなく、街の浮浪者という観点から眺めることは発想として面白いのですが、少々ネタバレ申し訳ありませんが、主人公が実は英雄の一人であると明かすのが早すぎる気がします。明かしてしまった時点で、主人公はすでに浮浪者とは別世界の住民であるということになってしまい、この作品の性質の一つである、冒険者を冒険者としては描かないという設定が薄くなってしまったようにも思われるからです。リンゴのたとえ話をしましょう。いつもリンゴを正面から眺めている人に、リンゴを下から見せたとしたならかえって新鮮な印象を受けるかもしれません。でも、リンゴを見慣れていない人にとってはでも、結局リンゴだろ、となります。
この作品は、一風変わったファンタジーを目指されているように書かれていましたが、同時に変わっていようとファンタジーでしかない、普段同じジャンルのファンタジーを読んでいる人にだけ新鮮に映るという危険性を抱えているようにも思われます。
若者ではなく老人が主人公。それでも結局サクセス・ストーリーでは印象としてあまり変わらず、それどころか主人公が英雄という点は、主人公が天才的な冒険者というこのサイトでは多いような気がする設定と重なります。
それが悪いこととは思えませんが、見る角度を変えてもリンゴはリンゴであって、場合によっては他のファンタジー小説に埋没してしまう恐れもはらんでいるような、そんな感想を抱きました。表現のところで読者のイメージに頼っていると妙なところを指摘したのもそんな理由があります。ファンタジー作品を読み慣れた人には読みやすい反面、結局読者層を限定してしまい、数多いファンタジー作品の中のちょっと変わった作品に留まってしまうようなことを不遜にも危惧しています。
また、とても期待できる作品である反面、不安も多くあります。
またネタバレになりますが、冒険者のギルドを作るという目的は、楽しみな反面、この作品では進んでハードルを上げられているようにも思えるのです。度重なる妨害に裏切り、これまでに9度も失敗しておきながらこれが最後。そうなると、正直な話、ギルドができるにしてもとんとんびょうしに話が進んでもらっても納得できません。これまでの9回では不可能であったことが何故10回目なら成功できたのか、それを強烈に示していただけるようなエピソードが欲しいと考えます。今回たまたま運がよかった、ではなくて、これまでの9回は何故失敗したのか、そして今回は何故成功できたのか、これまでの9回と同じくらいの苦難にあって、かつそれを乗り切れる理由をエピソードとして示していただかないと9回の失敗という設定が軽いものになってしまう恐れがあります。こんなことは指摘するまでもなく様々な苦悩を表現されているようですが、そう、進んでハードルを上げられている点に、次の心配が感じられました。
世界観が今のままでは怖いことになりそうだと考えるからです。作中でも表現されていましたが冒険者は、結局仕事がなく、典型的な浮浪者ということになっています。このまま徒党を組んだとしても犯罪組織以上のものはできあらがらず、ヤクザかマフィアのようなものしかできないのではないでしょうか。経済状況は何ら解決せず、その上政治的発言力まで有するようにあると考えられるからです。そうなると、商人が冒険者を軽く見るように、今度は冒険者がそうではない人を軽んずるようになるだけ。結局繰り返しで、冒険者だけはよかったね、で終わってしまうなら、それなら別に冒険者に視点を当てる必要はないようにも思われます。別に商人がギルドを作るまでの過程を描いてもよかったでしょうし、繰り返しの中でわざわざ冒険者ギルドだけを切り取る必要があるようには思えないからです。少なくとも、問題は何も解決してませんが、主人公が納得しましたので終わります、なんて作品を私は認められません。特に、奴隷とは違うのでしょうが、冒険者の中で人を金銭で売買している場面は、結局冒険者が力を得ても世の中、別の被差別民が現れるだけで何も変わらない、冒険者がギルドを得たとしてもそれが何の意味があるのだろう、冒険者がより幅を利かせるだけではないかと思わせるほどでした。しかし反対にいきなり魔物の数が増えたり、深い迷宮が現れて冒険者が必要になったりだとかすると、ただのよくあるファンタジーになってしまいます。言葉を並べた割にわかりにくいと思うのですが、冒険者だけは救われました、めでたしめでたしでは、では何故冒険者を主人公に選んだのかがわからず、納得はできないだろうと考えています。冒険者ギルドを作ることで単に冒険者の地位が向上するだけでは私としては納得できないのです。商人がそうであったように、また別のギルドを持たない民を虐げるだけでそんな世界ならもうすでに表現されているからです。横暴な商人に振り回される冒険者という形で。冒険者ギルドの誕生で世界がどう変わるのか、そこまで描写していただきたいと考えています。
ただ、ここで問題であるのは、多くの冒険者をならず者として表現されている点です。9回も失敗した以上、邪魔屋だけが問題とは思えません。これが冒険者ギルドが犯罪組織にしかなり得ないのではないかと危惧している点でもあるのですが、これが後々尾を引くようにも感じています。一つは、当然、ギルドの構成員としての質的向上の問題。ギルドができたところで、冒険者が勝手きままに行動されては意味がありません。そのため、冒険者にはギルドの構成員としてのモラルが求められます。そのモラルが私の危惧する二つ目の問題と重なります。騒動を起こすということです。私は、日本のドラマはまず見ません。以前は見ていたこともあったのですが、質があまりに悪く見なくなってしまいました。この人、何でこんな小さいことまで問題にしてこんなに騒ぎ立てるんだろう。あ、もう最終回か。でも、絶対まとまれないな、と思いきや、ま、別にいいんじゃない、なんて妙な理解を示して突然のように話がまとまって終わる。いつも騒動起こしてるあなた、そんなに理解ある人じゃなかったでしょ。物語を進めるために無理矢理騒動を起こしておいて、最終回になったと思いきや一転して理解を示す。話の連続性がなく、最終回という都合だけで話をむりやりまとめてしあうような点があまりに浅はかだと考えて見なくなってしまいました。この作品んでも、冒険者たちが「あんたには負けたよ。俺たちは悪党だが、それでも誇り高い冒険者なんだよな」なんて言い出して大円団になったとしても、恐らくよほどしっかりとしたエピソードなしには納得できません。しかしそうしなければ、冒険者ギルドは単なるごろつきの集まりになってしまいます。同時に、大した騒動なしにできてしまうと、以前お話した通り9回の失敗と苦労は何だったんだと、やはり納得できません。この作品は、焼けた石を氷のように冷たくするような作品です。冒険者は騒動を起こす、しかし、まとまらなければならないという2つの矛盾する課題を抱えているように思えるからです。騒動は大きくなければなりませんが、そんな大きな騒動の後にもまとまらなければなりません。簡単な手では、魔王あたりがでてきて街を襲撃、誇りを取り戻した冒険者たちが錆びた剣まで持ち出して必死に戦い抜いたことで結束を取り戻し、国からも認められたなんて手段もありますが、これをこの作品がしてしまうと他のファンタジーの仲間入りを果たしてしまい、作品の持ち味がなくなってしまう危険性があります。作品の雰囲気を壊さず、かつ説得力のあるエピソードをどこまでそろえられるのだろうか。その点が期待と不安がない交ぜになる理由です。
この作品は、積み上げられた薪のような作品です。これだけあればどれほど大きな火が起こせるのだろうかと期待できる反面、作者さんが、まあ、今回はこれくらいでいいかとその半分も使わない火で満足もできてしまう。
この作品、日雇い労働者という点において、現代日本が抱えるパート、アルバイト、期間従業員の問題とも重なります。経済の調整弁として利用しておきながら十分な保障も権利も与えられない存在であるということで共通し、現在の日本では労働組合も満足に機能していない現状があるからです。これを何らかの手段で解決しようとするなら、それこそ社会構造の変革にまで手を出さなければなりません。同時に、別にそんなこと考えず、ただ冒険者ギルドが何となくできました、でも物語を終えることもできてしまいそうだとも考えています。
国を巻き込むほどの大きな騒動が起きなければ9回の失敗が生きてはきませんし、起きたら起きたで今度はそんな騒動を納得できるような形でまとめきれるのかが不安になります。そして、本当に書ききろうとすれば、社会学や経済学の観点を持つ人物の登場が必要になります。主人公はともかく、言葉は悪いのですがお山の大将やお利口な少女では荷が重い。ファンタジーの枠をはみ出すかどうかぎりぎりの作品を作れそうだと期待できる反面、さすがにそこまでは書けないのではないだろうか、あまり社会的な考察なしにとりあえずギルドが出来ました、冒険者たちは喜びましたで終わってしまうのではないかとの不安も大いにあります。
全体として、薪の量はすごいものであるように思えます。その反面、これを全部燃やしきれる人が果たしてこの「なろう」中を探して一人でもいるのだろうかと考えるほどです。
この感想は、十中八九穿ちすぎです。本当に私の感想の決まり文句ですが、あくまでも私個人の意見です。あまり変に世界観を考察し、書き込みすぎない方がこのサイトでは読まれやすい小説にはなりますので、本当に一つの考え方として深く囚われすぎないよう注意をお願いします。杞憂とは思いますが、明らかに他の感想とは違う、感性がずれていますので。
余談ですが、リドルはとても楽しめました。私も私なりに答えを出してみましたが、不正解でした。
私の答えは忘却です。
緑林の下りは意図を読み切れませんでした。ただ、忘却は人がいるところんらどこにでもあります。誰だって忘れてしまったことがあるでしょう。また、どこにもありません。忘れてしまったものはどんなに探しても見つけることはできません。そして、その存在は儚く、ちょっとしたきっかけでふと思い出すこともあれば、忘れていることを忘れていると言ってしまえば忘却はすでに忘却ではなく、脆くも崩れてしまうもの。
忘却が答えじゃないだろうかと考えて、この老人はもしかしたらどこかに大切な忘れ物をしていて、そのことも暗示した謎かけなのではないかなんて勝手に想像していました。
盗賊の下りにしても、政治家と同じです。記憶にございません、わかりませんは常套句でしょうから。
ただ、ここでおかしな表現がありました。嘆きのイシドール氏が、乗るべきか、反るべきかと言っておられましたが、正確には伸るか反るか、成功するか失敗するかわからないという意味です。この場合、賭けに乗るかどうか悩んでいる段階ですので、乗るべきか、乗らないべきか、あるいは、賭けを受けると決めてから伸るか反るかと表現しないと意味が通らないように感じられます。
確認をお願いします。
では、長くなってしまいましたが、これで感想を終えます。失礼します。
- 投稿者: 退会済み
- 2011年 10月13日 22時35分
管理
拙作を読んで頂き有難うございます。
後漢の人物批評家、許劭の如く様々な作品に的確な感想を付けておられる後藤さんに批評して頂き、感謝に堪えません。
ご指摘の通り、世界に深みを与えようという試みや人物の動かし方には細心の注意を払っております。自分が読みたい作品を作る上で、これだけは外せない要素だと考えたからです。
作品の中心人物として動いているヨーゼフ以外にも様々な登場人物を動かしていく群像形式にする以上、舞台は整えてやらねばならないと思い、下手なりに頑張っています。
また、一風変わった物語である以上、登場人物に感情移入して貰う工夫が必要と考え、目的を明確にするという手法を採りました。
文章表現の不足については、全く仰るとおりです。
明らかに読者の持つファンタジーのイメージに依拠した表現になっています。
この手法を採らざるを得なかったのは、細部に凝り過ぎる性格から、矛盾が生じることを恐れた為です。欧州の中世風な世界を舞台とした作品ですが、厳密にいえば各時代、各地域の良いとこ取りな世界です。ここに心血を注ぐより、ストーリーに注力したいと考えてこのような手法になりました。
但し、当初予想したよりも地の分の比率が下がっているので、今後の課題にしようと思っております。
独白に頼った表現については、反省しています。
これは狙ってやった為ではなく、自身の技量不足による“逃げ”です。この点についてはいずれ精進を積み、何とかしようと思います。
ヨーゼフの正体を早々に明すことについては、プロットの段階でかなり悩みました。
冒険者の冒険者による冒険者の為のギルド、という理想を掲げる主人公というヨーゼフ像はとても魅力的で、一時はもっともっと後半で明らかにするつもりでした。
ただそうした場合に、他の登場人物が“脇役”に堕してしまう恐れがあったのです。ヨーゼフが正しければ正しいほど、他の人間の輝きは薄れます。
だからこそ、ヨーゼフは違う階層から冒険者ギルドを目指すという立ち位置の不鮮明なキャラにしようとこの構成になっております。
様々な点についてご指摘を頂いておりますが、これらの一部についてはプロットの段階で対策を講じたものでした。が、一部については全く予想外の知見からのご指摘でした。
これだけでも今回後藤様に感想をお願いした甲斐があったと思います。
全てについて十全な答えを与えることは、素人物書きの自分には不可能かと思います。
しかし、これだけの長文感想を頂いたからには、精一杯の力で完結に向けて頑張ろうと思います。
今回は本当にありがとうございました。
あと、リドルも愉しんで頂けたようで良かったです。
忘却、というのも答えとして素晴らしいですね。
これも目から鱗でした。
重ね重ね、有難うございます。
後漢の人物批評家、許劭の如く様々な作品に的確な感想を付けておられる後藤さんに批評して頂き、感謝に堪えません。
ご指摘の通り、世界に深みを与えようという試みや人物の動かし方には細心の注意を払っております。自分が読みたい作品を作る上で、これだけは外せない要素だと考えたからです。
作品の中心人物として動いているヨーゼフ以外にも様々な登場人物を動かしていく群像形式にする以上、舞台は整えてやらねばならないと思い、下手なりに頑張っています。
また、一風変わった物語である以上、登場人物に感情移入して貰う工夫が必要と考え、目的を明確にするという手法を採りました。
文章表現の不足については、全く仰るとおりです。
明らかに読者の持つファンタジーのイメージに依拠した表現になっています。
この手法を採らざるを得なかったのは、細部に凝り過ぎる性格から、矛盾が生じることを恐れた為です。欧州の中世風な世界を舞台とした作品ですが、厳密にいえば各時代、各地域の良いとこ取りな世界です。ここに心血を注ぐより、ストーリーに注力したいと考えてこのような手法になりました。
但し、当初予想したよりも地の分の比率が下がっているので、今後の課題にしようと思っております。
独白に頼った表現については、反省しています。
これは狙ってやった為ではなく、自身の技量不足による“逃げ”です。この点についてはいずれ精進を積み、何とかしようと思います。
ヨーゼフの正体を早々に明すことについては、プロットの段階でかなり悩みました。
冒険者の冒険者による冒険者の為のギルド、という理想を掲げる主人公というヨーゼフ像はとても魅力的で、一時はもっともっと後半で明らかにするつもりでした。
ただそうした場合に、他の登場人物が“脇役”に堕してしまう恐れがあったのです。ヨーゼフが正しければ正しいほど、他の人間の輝きは薄れます。
だからこそ、ヨーゼフは違う階層から冒険者ギルドを目指すという立ち位置の不鮮明なキャラにしようとこの構成になっております。
様々な点についてご指摘を頂いておりますが、これらの一部についてはプロットの段階で対策を講じたものでした。が、一部については全く予想外の知見からのご指摘でした。
これだけでも今回後藤様に感想をお願いした甲斐があったと思います。
全てについて十全な答えを与えることは、素人物書きの自分には不可能かと思います。
しかし、これだけの長文感想を頂いたからには、精一杯の力で完結に向けて頑張ろうと思います。
今回は本当にありがとうございました。
あと、リドルも愉しんで頂けたようで良かったです。
忘却、というのも答えとして素晴らしいですね。
これも目から鱗でした。
重ね重ね、有難うございます。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月14日 00時52分
[良い点]
ファンタジーなのにリアルさを感じる世界観とキャラクターの魅力
特に主人公の爺さんが素敵ですw
[一言]
思わず一気に読んでしまいました
大抵の物語はパターンで先が読めてしまうものですが、これは全然先が読めません
読んでいて凄く面白かったです
あと個人的にはロザリーとヨーゼフの掛け合いが好きですw
感想の語彙が少なくてすいません
今後の展開を楽しみにしています
ファンタジーなのにリアルさを感じる世界観とキャラクターの魅力
特に主人公の爺さんが素敵ですw
[一言]
思わず一気に読んでしまいました
大抵の物語はパターンで先が読めてしまうものですが、これは全然先が読めません
読んでいて凄く面白かったです
あと個人的にはロザリーとヨーゼフの掛け合いが好きですw
感想の語彙が少なくてすいません
今後の展開を楽しみにしています
- 投稿者: 退会済み
- 2011年 10月10日 12時51分
管理
拙作を読んで頂き有難うございます。
リアル風味のファンタジーの描出は自分の目標の一つですので、リアルさを感じると仰って頂けるととてもうれしいです。
キャラクターは、ちょっと変わった灰汁の強いのが多いので、気に入って頂ければ幸いです。
先の読めない展開って、考えるのが難しいですね。
物語の骨子は出来ているので、如何にして読者の方に出す情報量を調節するかが鍵になってきそうです。
ロザリーとヨーゼフは自分でも気に入っているキャラですので、掛け合いも書いていて楽しいです。
感想、ありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します。
リアル風味のファンタジーの描出は自分の目標の一つですので、リアルさを感じると仰って頂けるととてもうれしいです。
キャラクターは、ちょっと変わった灰汁の強いのが多いので、気に入って頂ければ幸いです。
先の読めない展開って、考えるのが難しいですね。
物語の骨子は出来ているので、如何にして読者の方に出す情報量を調節するかが鍵になってきそうです。
ロザリーとヨーゼフは自分でも気に入っているキャラですので、掛け合いも書いていて楽しいです。
感想、ありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月10日 13時26分
[良い点]
約束を守るとは、そういうことだ。
人の親として、息子にも、このことを教えてやりたいと思います。
堅信礼にまつわる僧侶とのやり取りが、この世界において、魔法が人々の文化や生活に根を下ろしていることを感じさせてくれました。
[気になる点]
悪い点ではないのですが。
ヨーゼフは何故、バルタザルの存在と、その位置を察知できたのでしょうか。
職業上、彼我の位置関係や隠蔽者の存在には気をつけているのですが、非才の身ゆえ、なかなか気づけません。
目視できる範囲なら、直接視認できずとも、音や草の動き、虫や鳥等の振る舞いから推測できるかとは思うのですが。
[一言]
今日は死ぬには良い日だ。
そう思って生きている人が、どれだけいるでしょうか。こう思えるなら、毎日を心穏やかに充実して過ごせるでしょうに。
凡人なので、いつか死ぬのは仕方ないと諦めて生きるしかありません。
約束を守るとは、そういうことだ。
人の親として、息子にも、このことを教えてやりたいと思います。
堅信礼にまつわる僧侶とのやり取りが、この世界において、魔法が人々の文化や生活に根を下ろしていることを感じさせてくれました。
[気になる点]
悪い点ではないのですが。
ヨーゼフは何故、バルタザルの存在と、その位置を察知できたのでしょうか。
職業上、彼我の位置関係や隠蔽者の存在には気をつけているのですが、非才の身ゆえ、なかなか気づけません。
目視できる範囲なら、直接視認できずとも、音や草の動き、虫や鳥等の振る舞いから推測できるかとは思うのですが。
[一言]
今日は死ぬには良い日だ。
そう思って生きている人が、どれだけいるでしょうか。こう思えるなら、毎日を心穏やかに充実して過ごせるでしょうに。
凡人なので、いつか死ぬのは仕方ないと諦めて生きるしかありません。
いつも感想ありがとうございます。励みにしております。
ヨーゼフのような冒険者は、いつ死ぬか分からないからこそ約束を大切にするのだと思います。
昨日いた人間が、今日いない。そんな環境だからこそ、約束を重んじることは美徳となるのではないでしょうか。
現実世界のキリスト教が魔術を排斥したのと反して、大陸東岸においては宗教は緩やかに魔術を取りこんでいます。神秘的な出来事も、現実として起こっている以上は神の御業と捉えているのでしょう。
そういう意図で描写したシーンですので、根付いていると感じて頂けて嬉しいです。
ヨーゼフの気配察知については、彼が腐っても英雄並の斥候だからでしょう。
現実には建物を隔てた相手を気配だけで察知することは不可能ですが、英雄というのはどこか人間の規格外の存在だということで、ご理解頂ければありがたいです。
もちろん、ヨーゼフの察知の技が優れているというだけでなく、相手のバルタザル自体が並外れた力量を持っているからこそ起こりえた事態ではあります。
死を受け入れる、というのは人の到るべき到達点の一つなのでしょう。
ヨーゼフ翁はいささか生き急いでいるきらいがありますが、これからどうなっていくのか。
これからも、よろしくお願いいたします。
ヨーゼフのような冒険者は、いつ死ぬか分からないからこそ約束を大切にするのだと思います。
昨日いた人間が、今日いない。そんな環境だからこそ、約束を重んじることは美徳となるのではないでしょうか。
現実世界のキリスト教が魔術を排斥したのと反して、大陸東岸においては宗教は緩やかに魔術を取りこんでいます。神秘的な出来事も、現実として起こっている以上は神の御業と捉えているのでしょう。
そういう意図で描写したシーンですので、根付いていると感じて頂けて嬉しいです。
ヨーゼフの気配察知については、彼が腐っても英雄並の斥候だからでしょう。
現実には建物を隔てた相手を気配だけで察知することは不可能ですが、英雄というのはどこか人間の規格外の存在だということで、ご理解頂ければありがたいです。
もちろん、ヨーゼフの察知の技が優れているというだけでなく、相手のバルタザル自体が並外れた力量を持っているからこそ起こりえた事態ではあります。
死を受け入れる、というのは人の到るべき到達点の一つなのでしょう。
ヨーゼフ翁はいささか生き急いでいるきらいがありますが、これからどうなっていくのか。
これからも、よろしくお願いいたします。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月09日 10時27分
[良い点]
「朝起きる時、その日死ぬ覚悟を決める」現代の諸作品にもままあるシチュエーションなのに、最初に思い浮かんだのが葉隠れだった…w
逢坂十七年蝉さんの文には、そういう古典を想起させる味がありますね
「朝起きる時、その日死ぬ覚悟を決める」現代の諸作品にもままあるシチュエーションなのに、最初に思い浮かんだのが葉隠れだった…w
逢坂十七年蝉さんの文には、そういう古典を想起させる味がありますね
いつも有難うございます。
葉隠れのストイックさには、いつも痺れます。真似は出来ませんが。
単に古臭いだけかもしれませんが、古典を想起させると言われると面映ゆいです。
これからもよろしくお願いします。
葉隠れのストイックさには、いつも痺れます。真似は出来ませんが。
単に古臭いだけかもしれませんが、古典を想起させると言われると面映ゆいです。
これからもよろしくお願いします。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月04日 01時27分
[気になる点]
遅い来るナイフ⇒襲い来るナイフですよね?
遅い来るナイフ⇒襲い来るナイフですよね?
誤字の指摘有難うございます。
早速修正しました。
今後ともよろしくお願いします。
早速修正しました。
今後ともよろしくお願いします。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月04日 01時14分
[一言]
相変わらず土の匂いのする、臨場感ある背景描写が素晴らしいですね。うらやましい!
色々因縁が絡みそうなキャラクターが出揃ってきました。
今後が楽しみです。
あとどうみても正ヒロインはダヴィドだと思います。
相変わらず土の匂いのする、臨場感ある背景描写が素晴らしいですね。うらやましい!
色々因縁が絡みそうなキャラクターが出揃ってきました。
今後が楽しみです。
あとどうみても正ヒロインはダヴィドだと思います。
- 投稿者: 上屋/パイルバンカー串山
- 23歳~29歳 男性
- 2011年 10月04日 00時04分
いつも有難うございます。
泥臭い方、泥臭い方に物語を誘導している気がして、つくづく自分はマイナー気質だなと思います。
徐々にキャラクターも増えてきたので、そろそろ登場人物一覧でも作らねばなりますまいか。
作者が思ってるほどキャラクターって覚えやすいものではないですもんね。
特に、横文字名前……
今後ともよろしくお願いします。
ロザリー、可愛いと思うんですけどね、ロザリー。
泥臭い方、泥臭い方に物語を誘導している気がして、つくづく自分はマイナー気質だなと思います。
徐々にキャラクターも増えてきたので、そろそろ登場人物一覧でも作らねばなりますまいか。
作者が思ってるほどキャラクターって覚えやすいものではないですもんね。
特に、横文字名前……
今後ともよろしくお願いします。
ロザリー、可愛いと思うんですけどね、ロザリー。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月04日 00時07分
[一言]
登場人物も、ますます増え、どんどん話が大きな流れを作っていきますね。
今後の展開が楽しみです。
登場人物も、ますます増え、どんどん話が大きな流れを作っていきますね。
今後の展開が楽しみです。
いつも有難うございます。
徐々にキャラクターも増え、役者が出揃ってきました。
今後ともよろしくお願いします。
徐々にキャラクターも増え、役者が出揃ってきました。
今後ともよろしくお願いします。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月03日 23時44分
[良い点]
相変わらず、快適ならぬ寒さや匂いが臨場感を与えてくれます。
ままならぬ世の仕組みに抗う冒険者達の姿に、視線を吸い寄せられます。
[一言]
人生を費やした試行錯誤。その報われぬ経験情報が、せめて後継者に伝えられることを願わずにいられません。
相変わらず、快適ならぬ寒さや匂いが臨場感を与えてくれます。
ままならぬ世の仕組みに抗う冒険者達の姿に、視線を吸い寄せられます。
[一言]
人生を費やした試行錯誤。その報われぬ経験情報が、せめて後継者に伝えられることを願わずにいられません。
いつも有難うございます。
中世の都市はもっとひどい有様だったようです。
ただ、読者の方が「辛い環境だな」と思って頂ければそれで十分ですので、汚水の話などについてはあまり書かないようにしようと思っております。
臨場感と不必要な生々しさは違うと思っておりますので。
世の中はいつの時代も本当にままならないものだと思います。
ありとあらゆる処に他者との葛藤が潜んでいます。
冒険者はそこに無頼として頼るものなく臨まねばなりません。
ヨーゼフの経験は、果たしてどこまで活かすことが出来るのでしょうか。
後継者は出来るのでしょうか。出来るとすれば、誰なのでしょうか。
これからもよろしくお願いします。
中世の都市はもっとひどい有様だったようです。
ただ、読者の方が「辛い環境だな」と思って頂ければそれで十分ですので、汚水の話などについてはあまり書かないようにしようと思っております。
臨場感と不必要な生々しさは違うと思っておりますので。
世の中はいつの時代も本当にままならないものだと思います。
ありとあらゆる処に他者との葛藤が潜んでいます。
冒険者はそこに無頼として頼るものなく臨まねばなりません。
ヨーゼフの経験は、果たしてどこまで活かすことが出来るのでしょうか。
後継者は出来るのでしょうか。出来るとすれば、誰なのでしょうか。
これからもよろしくお願いします。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月01日 10時12分
[良い点]
はじめまして、いつも楽しく拝読させて貰ってます
「なろう」では珍しい骨太な物語が良いですね、実際に冒険者という職種があったならこんな扱いだろうなと思わせられる確かさが文章から伝わってきます
住所不定な上に武装していて収入も不安定な人間なんかチンピラどころかもっと不味い存在ですし、支配階級のお歴々が治安維持のために排除しようとするのも納得です
そんな世界がどんな風に変わるのか、それとも変化する事無く流れていくのか、先を楽しみにしてます
[一言]
通読して感じた事ですが武侠小説の匂いがしますね
あのジャンルも江湖という裏社会が中心で、登場人物もならず者めいた奴らが多いですし
日本じゃあまり浸透していないジャンルですから、その匂いがする作品を「なろう」で読めるなんて嬉しいです
武侠小説では江湖の人間は運送業を営んでる事が多いですが、さてヨーゼフのギルドは如何なる物になるのか、期待しています
はじめまして、いつも楽しく拝読させて貰ってます
「なろう」では珍しい骨太な物語が良いですね、実際に冒険者という職種があったならこんな扱いだろうなと思わせられる確かさが文章から伝わってきます
住所不定な上に武装していて収入も不安定な人間なんかチンピラどころかもっと不味い存在ですし、支配階級のお歴々が治安維持のために排除しようとするのも納得です
そんな世界がどんな風に変わるのか、それとも変化する事無く流れていくのか、先を楽しみにしてます
[一言]
通読して感じた事ですが武侠小説の匂いがしますね
あのジャンルも江湖という裏社会が中心で、登場人物もならず者めいた奴らが多いですし
日本じゃあまり浸透していないジャンルですから、その匂いがする作品を「なろう」で読めるなんて嬉しいです
武侠小説では江湖の人間は運送業を営んでる事が多いですが、さてヨーゼフのギルドは如何なる物になるのか、期待しています
拙作を読んで頂き有難うございます。
趣味で書いているファンタジー小説ですが、どうせなら「ありそうな嘘」にしようと頑張っています。
実際に冒険者がいたらこんな風だろうと思って頂ければ、これに勝る喜びはありません。
住所不定で武装していて収入が不安定な人間が徒党を組んだら、それはもう治安の敵でしかありません。
絶対王政の確立していない国に、これを受け入れる懐の深さはないでしょう。
さて、これからどのように事態は推移して行きますやら。
武侠小説については、この『日雇いクエスト』の執筆を始めてから初めて読みました。
金庸先生の、『侠客行』という作品です。
但し、それまでに武侠小説の影響を多分に受けているであろう作品には親しんできました。
特に、伊藤岳彦先生の『星方武侠アウトロースター』などは、心に残っています。
恐らく、その辺りに通底する匂いを広吉さんが感じ取って頂けたのではないでしょうか。
ヨーゼフ爺は、どのようなギルドを目指しているのか。
そして、事態はどのように転がって行くのか。
これからも、よろしくお願いします。
趣味で書いているファンタジー小説ですが、どうせなら「ありそうな嘘」にしようと頑張っています。
実際に冒険者がいたらこんな風だろうと思って頂ければ、これに勝る喜びはありません。
住所不定で武装していて収入が不安定な人間が徒党を組んだら、それはもう治安の敵でしかありません。
絶対王政の確立していない国に、これを受け入れる懐の深さはないでしょう。
さて、これからどのように事態は推移して行きますやら。
武侠小説については、この『日雇いクエスト』の執筆を始めてから初めて読みました。
金庸先生の、『侠客行』という作品です。
但し、それまでに武侠小説の影響を多分に受けているであろう作品には親しんできました。
特に、伊藤岳彦先生の『星方武侠アウトロースター』などは、心に残っています。
恐らく、その辺りに通底する匂いを広吉さんが感じ取って頂けたのではないでしょうか。
ヨーゼフ爺は、どのようなギルドを目指しているのか。
そして、事態はどのように転がって行くのか。
これからも、よろしくお願いします。
- 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉
- 2011年 10月01日 01時02分
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