感想一覧
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[一言]
兵器の性能より、運用の仕方や戦う相手の戦力等の条件によって活躍出来るかどうか決まるという良い例ですね。
性能だけなら、日本海軍の流星などはアメリカ軍の攻撃機を凌駕するハイスペックの機体であったと思いますが、生産数が少ない、制空権が無い、載せる空母も無い、護衛する戦闘機も無い(涙)、そもそも温存してあまり出撃させない(苦笑)等のないないづくしで結局活躍は出来ませんでした。
兵器の性能より、運用の仕方や戦う相手の戦力等の条件によって活躍出来るかどうか決まるという良い例ですね。
性能だけなら、日本海軍の流星などはアメリカ軍の攻撃機を凌駕するハイスペックの機体であったと思いますが、生産数が少ない、制空権が無い、載せる空母も無い、護衛する戦闘機も無い(涙)、そもそも温存してあまり出撃させない(苦笑)等のないないづくしで結局活躍は出来ませんでした。
晴信様
再びのご感想に厚くお礼申し上げます。
「流星」のスペックを見ながら、メールを打っております。確かに、ご指摘のように「流星」は日本海軍の誇る傑作万能機だったと思います。
加えて、製造先の「愛知航空機」が、「東南海地震」等の影響を受けた関係で、僅かに110数機しか生産できなかった残念な傑作機でもあります。
また、「彗星」艦爆にしても、もう少し良いエンジンに恵まれればと、思った次第です。
ご感想のメールに感謝申し上げます。
河井正博
再びのご感想に厚くお礼申し上げます。
「流星」のスペックを見ながら、メールを打っております。確かに、ご指摘のように「流星」は日本海軍の誇る傑作万能機だったと思います。
加えて、製造先の「愛知航空機」が、「東南海地震」等の影響を受けた関係で、僅かに110数機しか生産できなかった残念な傑作機でもあります。
また、「彗星」艦爆にしても、もう少し良いエンジンに恵まれればと、思った次第です。
ご感想のメールに感謝申し上げます。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2017年 12月13日 17時05分
[良い点]
これはまた、素敵な艦上攻撃機を取り上げましたね。 戦争は相手があるものですから、敵に対して十分ならば、それ以上にする必要は無い。 そういう思い切りが見える選択な気がします。
[気になる点]
相手が空母と近代的な艦上戦闘機を持っていれば、カモだったと思います。 結局、ドイツもイタリアも空母を持ちません、沿岸からでは神出鬼没な空母からの攻撃機を迎え撃てないことが活躍の背景ですよね。 日本は、過剰品質が好きですから、こういう思い切りが出来ないと思います。
[一言]
後任の魚シリーズ: フェアリー・バラクーダ
強力なマリーンエンジンに単葉金属機は、ダメダメで、1942年から配備したが45年には退役。
良いことの後にはダメが来る。
言い換えれば、後任がダメでも、使い続けられるくらい敵の機動部隊が弱かったのが、幸せですね。
これはまた、素敵な艦上攻撃機を取り上げましたね。 戦争は相手があるものですから、敵に対して十分ならば、それ以上にする必要は無い。 そういう思い切りが見える選択な気がします。
[気になる点]
相手が空母と近代的な艦上戦闘機を持っていれば、カモだったと思います。 結局、ドイツもイタリアも空母を持ちません、沿岸からでは神出鬼没な空母からの攻撃機を迎え撃てないことが活躍の背景ですよね。 日本は、過剰品質が好きですから、こういう思い切りが出来ないと思います。
[一言]
後任の魚シリーズ: フェアリー・バラクーダ
強力なマリーンエンジンに単葉金属機は、ダメダメで、1942年から配備したが45年には退役。
良いことの後にはダメが来る。
言い換えれば、後任がダメでも、使い続けられるくらい敵の機動部隊が弱かったのが、幸せですね。
五反田猫様
いつも、いつも的確なご指摘に対しまして、感謝以外ありません!
おっしゃるように英国海軍と日本海軍は、良く似た発達過程を歩んで来たと思います。しかし、結果として大きな違いが出たのが、戦う相手の違いでした。
空母、艦載機を持た無いドイツ、イタリアと戦った英海軍、工業生産力も含めて、GNP18倍の国力を持ったアメリカを相手にした日本、その差は、余りにも大きかったと痛感しています。
ご指摘のバラクーダもそうでしたが、それ以上の失敗作が、アルバコア雷爆撃機でした。(笑い)
現在、成瀬氏の著作と最後の格闘をしている最中です。完成度はどうやら低いままで終りそうですが、年内にお目に掛けられそうです。
御礼まで。
河井正博
いつも、いつも的確なご指摘に対しまして、感謝以外ありません!
おっしゃるように英国海軍と日本海軍は、良く似た発達過程を歩んで来たと思います。しかし、結果として大きな違いが出たのが、戦う相手の違いでした。
空母、艦載機を持た無いドイツ、イタリアと戦った英海軍、工業生産力も含めて、GNP18倍の国力を持ったアメリカを相手にした日本、その差は、余りにも大きかったと痛感しています。
ご指摘のバラクーダもそうでしたが、それ以上の失敗作が、アルバコア雷爆撃機でした。(笑い)
現在、成瀬氏の著作と最後の格闘をしている最中です。完成度はどうやら低いままで終りそうですが、年内にお目に掛けられそうです。
御礼まで。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2017年 12月13日 16時48分
[一言]
偉そうな長文を書き込んでしまったのに、丁寧な返信を頂きありがとうございます。
亀甲船についてですが、韓国で何度も行われている復元プロジェクトでは形状がまちまちの上に横転転覆したり、空けた穴から浸水して沈没しそうになった例もあるそうで、復元では無くて架空の兵器を造っているようです(苦笑)。
秀吉の朝鮮出兵時には他にも架空兵器として飛車とかいう空を飛ぶ兵器(?)が出てきますが、亀甲船の事といい、韓国の歴史研究は真実の探求より朝鮮礼賛が重要な目的になっているようでちょっと呆れてしまいます。
李舜臣にしても、ゲリラ戦術で戦果をあげた良将だとは思いますが、実際には朝鮮出兵時の制海権は常に秀吉軍側が握っており、李舜臣の活躍はあくまでも局地戦の限定的なものでした。
特に朝鮮出兵前期において秀吉軍が補給に苦しんだ理由としては。
侵攻が順調過ぎて前線部隊が突出して補給が追い付かなかった。
朝鮮は土地が貧しくて物資の現地調達が難しかった。
そもそも当時の軍事技術や兵站システムで海を渡って大軍を遠征させる事自体に無理が有った。等が主な理由として挙げられているようです。
韓国国内で朝鮮凄いホルホルをやるのは勝手ですが、問題はそれを事実として他国にも宣伝して、日本人ですらそれを本当の事なんだと信じてしまっている人が多い。
そういう意味でもこの作品のように冷静で客観的な良書をなるべく多くの方に読んで欲しいと思っています。
偉そうな長文を書き込んでしまったのに、丁寧な返信を頂きありがとうございます。
亀甲船についてですが、韓国で何度も行われている復元プロジェクトでは形状がまちまちの上に横転転覆したり、空けた穴から浸水して沈没しそうになった例もあるそうで、復元では無くて架空の兵器を造っているようです(苦笑)。
秀吉の朝鮮出兵時には他にも架空兵器として飛車とかいう空を飛ぶ兵器(?)が出てきますが、亀甲船の事といい、韓国の歴史研究は真実の探求より朝鮮礼賛が重要な目的になっているようでちょっと呆れてしまいます。
李舜臣にしても、ゲリラ戦術で戦果をあげた良将だとは思いますが、実際には朝鮮出兵時の制海権は常に秀吉軍側が握っており、李舜臣の活躍はあくまでも局地戦の限定的なものでした。
特に朝鮮出兵前期において秀吉軍が補給に苦しんだ理由としては。
侵攻が順調過ぎて前線部隊が突出して補給が追い付かなかった。
朝鮮は土地が貧しくて物資の現地調達が難しかった。
そもそも当時の軍事技術や兵站システムで海を渡って大軍を遠征させる事自体に無理が有った。等が主な理由として挙げられているようです。
韓国国内で朝鮮凄いホルホルをやるのは勝手ですが、問題はそれを事実として他国にも宣伝して、日本人ですらそれを本当の事なんだと信じてしまっている人が多い。
そういう意味でもこの作品のように冷静で客観的な良書をなるべく多くの方に読んで欲しいと思っています。
晴信様
「亀甲船」関連でご指摘の諸点、小生も全く同感です。
古い話で恐縮ですが、日本の古代より若干古い朝鮮半島の歴史を書いた「三国史記」が書かれたのは高麗仁宗の時代で、我国の平安時代末期です。どうも、朝鮮では、同時代の正確な記録が少なく、数百年立ってから、ああだ、こうだ、になる傾向があるようです。
「亀甲船」の図にしても、「辰の倭乱」が終って、約200年後の絵図しかの残っておりませんので、信憑性は、さて、如何なものでしょうか?
朝鮮軍が誇る「神機箭」にしても、韓国では「応永の外寇」時に日本軍対し甚大な被害を与えたと言われていますが、両軍の被害状況を見た中国人の証言として、日本人の被害数十人も下の方に対し、朝鮮軍180人の死者となっていて、神機箭の実害は少なかったようです。
どうも、歴代の李氏朝鮮では、王の前の報告さえ、無事に済めば全てが正しい史実となる傾向があり、その結果、ご指摘のように、朝鮮側の記録を素直に信じる日本人も多い現状です。
日本軍の陸上補給を含めての頓挫に関しては、晴信さんのお話の通りだと痛感しています。
朝鮮半島や中国の歴史的記録や伝承に関しては、「亀甲船」、「神機箭」を始めとして、慎重に判断する必要を常に感じております。
これからも、小生の間違いに関しては、ご指摘を頂ければ幸いです。
御礼まで。
河井正博
「亀甲船」関連でご指摘の諸点、小生も全く同感です。
古い話で恐縮ですが、日本の古代より若干古い朝鮮半島の歴史を書いた「三国史記」が書かれたのは高麗仁宗の時代で、我国の平安時代末期です。どうも、朝鮮では、同時代の正確な記録が少なく、数百年立ってから、ああだ、こうだ、になる傾向があるようです。
「亀甲船」の図にしても、「辰の倭乱」が終って、約200年後の絵図しかの残っておりませんので、信憑性は、さて、如何なものでしょうか?
朝鮮軍が誇る「神機箭」にしても、韓国では「応永の外寇」時に日本軍対し甚大な被害を与えたと言われていますが、両軍の被害状況を見た中国人の証言として、日本人の被害数十人も下の方に対し、朝鮮軍180人の死者となっていて、神機箭の実害は少なかったようです。
どうも、歴代の李氏朝鮮では、王の前の報告さえ、無事に済めば全てが正しい史実となる傾向があり、その結果、ご指摘のように、朝鮮側の記録を素直に信じる日本人も多い現状です。
日本軍の陸上補給を含めての頓挫に関しては、晴信さんのお話の通りだと痛感しています。
朝鮮半島や中国の歴史的記録や伝承に関しては、「亀甲船」、「神機箭」を始めとして、慎重に判断する必要を常に感じております。
これからも、小生の間違いに関しては、ご指摘を頂ければ幸いです。
御礼まで。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2017年 10月30日 17時57分
[一言]
ソ連戦車Tー34は確かに生産性に優れていてカタログスペックも優秀な良い戦車でしたが、無線機が付いてない(まさかの手旗信号!)、初期型は戦車長が砲手を兼任していて指揮に専念出来ない、ペリスコープは気泡だらけで見にくい、車内が狭くて手近の砲弾を打ち尽くすと残りを取り出すのが大変……。
といった具合に数字上に現れない部分で多くの問題を抱えていました。
実際、生産された57000両のTー34の内45000両は枢軸軍に撃破されており、Tー34の大軍がドイツ軍を圧倒したというのは少々実情と異なるようです。
戦場でドイツ軍が負けるよくあるパターンとしては。
攻勢時においては、パンターやティーガーが敵戦線を突破、しかし、突破した戦線を確保する歩兵部隊が足りずに、突出して孤立した前衛部隊は撤退して作戦失敗。
防衛時には、ドイツ戦車部隊がソ連戦車部隊の大軍を何とか撃退、しかし、脇を固めるドイツ歩兵部隊や枢軸軍部隊がソ連軍に突破される、孤立したドイツ機甲部隊もやむ無く結局撤退。
結局の所、勝敗の決め手になったのは両軍の歩兵の数の違いで、こればかりはドイツ軍機甲部隊がいくら奮戦してもどうにもならなかったようです。
ソ連戦車Tー34は確かに生産性に優れていてカタログスペックも優秀な良い戦車でしたが、無線機が付いてない(まさかの手旗信号!)、初期型は戦車長が砲手を兼任していて指揮に専念出来ない、ペリスコープは気泡だらけで見にくい、車内が狭くて手近の砲弾を打ち尽くすと残りを取り出すのが大変……。
といった具合に数字上に現れない部分で多くの問題を抱えていました。
実際、生産された57000両のTー34の内45000両は枢軸軍に撃破されており、Tー34の大軍がドイツ軍を圧倒したというのは少々実情と異なるようです。
戦場でドイツ軍が負けるよくあるパターンとしては。
攻勢時においては、パンターやティーガーが敵戦線を突破、しかし、突破した戦線を確保する歩兵部隊が足りずに、突出して孤立した前衛部隊は撤退して作戦失敗。
防衛時には、ドイツ戦車部隊がソ連戦車部隊の大軍を何とか撃退、しかし、脇を固めるドイツ歩兵部隊や枢軸軍部隊がソ連軍に突破される、孤立したドイツ機甲部隊もやむ無く結局撤退。
結局の所、勝敗の決め手になったのは両軍の歩兵の数の違いで、こればかりはドイツ軍機甲部隊がいくら奮戦してもどうにもならなかったようです。
晴信様
貴重な情報、誠に有り難うございます。
小生が未知の諸点を色々とご教示頂ける事は、有り難い限りです。おっしゃるように、個々の戦車の加工精度や運用時の問題点は、ご指摘の通りだと思います。
T-34戦車の鋳造砲塔の仕上げレベルは極めて低く、気を付けないと搭乗員が怪我をするレベルだったとも言われていますし、無線をトコトン活用したM4に比較すると通常、無線を搭載していなかったT-34に付いてのご指摘も、おっしゃる通りだと思います。
M4にしても、正面対決では、パンターやティーガーには1対1では敵わなかったとも聞いております。
但し、ドイツ軍の問題点は、東西両戦線で戦わなければなかった点にあるとも思っております。
総生産数500台に満たないティーガーとパンター約6千両弱のドイツ軍戦車に対し、連合軍は少なくとも、57,000両のT-34に加えて、M4の5万両弱が加わった訳ですので、晴信様の今回のご意見を参考にさせて頂きながら、再度、勉強させて頂きたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。
また、両軍の歩兵の数の違いに関しましては、不勉強なので、再度、調べ直してみたいと思っております。
ご教示の御礼まで。
河井正博
貴重な情報、誠に有り難うございます。
小生が未知の諸点を色々とご教示頂ける事は、有り難い限りです。おっしゃるように、個々の戦車の加工精度や運用時の問題点は、ご指摘の通りだと思います。
T-34戦車の鋳造砲塔の仕上げレベルは極めて低く、気を付けないと搭乗員が怪我をするレベルだったとも言われていますし、無線をトコトン活用したM4に比較すると通常、無線を搭載していなかったT-34に付いてのご指摘も、おっしゃる通りだと思います。
M4にしても、正面対決では、パンターやティーガーには1対1では敵わなかったとも聞いております。
但し、ドイツ軍の問題点は、東西両戦線で戦わなければなかった点にあるとも思っております。
総生産数500台に満たないティーガーとパンター約6千両弱のドイツ軍戦車に対し、連合軍は少なくとも、57,000両のT-34に加えて、M4の5万両弱が加わった訳ですので、晴信様の今回のご意見を参考にさせて頂きながら、再度、勉強させて頂きたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。
また、両軍の歩兵の数の違いに関しましては、不勉強なので、再度、調べ直してみたいと思っております。
ご教示の御礼まで。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2017年 10月30日 10時28分
[一言]
こういう話は大好きなので大変興味深く拝見させていただいてます。
1つ気になったのは大和型戦艦が低速の為に機動部隊に随伴出来ず役に立たないという点。
大和型の最高速は27〜28ノットだったとされていますが、正規空母加賀は28ノット強で殆んど速度差はありません。飛鷹型は25〜26ノットしか速度は出ません。
また、最高速は30ノット以上でも、戦闘中に最高速で航行し続ける訳ではありません。
実際、マリアナ海戦で大和型は機動部隊に随伴出来ています。
そもそも、日本海軍には空母を戦艦で護るという発想自体がなかったようで、戦艦はあくまでも敵艦隊への攻撃役。寧ろ艦隊決戦になった時に空母が傍にいては邪魔になると考えていたようです。
それはアメリカ軍も同じようで、別に戦艦が護衛しなくても駆逐艦で十分だと考えていたのか、空母の護衛は主に駆逐艦で、戦艦部隊は別にまとめて運用が基本だったかと思います。
こういう話は大好きなので大変興味深く拝見させていただいてます。
1つ気になったのは大和型戦艦が低速の為に機動部隊に随伴出来ず役に立たないという点。
大和型の最高速は27〜28ノットだったとされていますが、正規空母加賀は28ノット強で殆んど速度差はありません。飛鷹型は25〜26ノットしか速度は出ません。
また、最高速は30ノット以上でも、戦闘中に最高速で航行し続ける訳ではありません。
実際、マリアナ海戦で大和型は機動部隊に随伴出来ています。
そもそも、日本海軍には空母を戦艦で護るという発想自体がなかったようで、戦艦はあくまでも敵艦隊への攻撃役。寧ろ艦隊決戦になった時に空母が傍にいては邪魔になると考えていたようです。
それはアメリカ軍も同じようで、別に戦艦が護衛しなくても駆逐艦で十分だと考えていたのか、空母の護衛は主に駆逐艦で、戦艦部隊は別にまとめて運用が基本だったかと思います。
晴信様
どうやら、日本海軍の諸艦艇に関しては、晴信様の方が詳しいようで、ご指摘に関しては、何の反論もありません。
おっしゃる通りだと思います。
問題は、日本海軍の作戦運用に関する旧態依然たる艦艇運用にあると思っております。ミッドウェー海戦の時もそうですが、アメリカ海軍が、「空母部隊」による艦隊決戦と捉えていたのに対し、帝国海軍の「主隊」は、空母機動部隊では無く、空母後方の「第一戦隊」でした。
第一戦隊の構成は、戦艦3隻で、大和、長門、陸奥でしたので、戦隊の第一戦速は、長門級の25ノットが最大戦速とならざるを得なかった事情があります。
太平洋前半まで、帝国海軍は、大和、武蔵、長門、陸奥の戦艦群を一括運用する方針でした。
後半になって、低速の長門や伊勢級、山城級を別途運用に切り替え、大和級を機動部隊に同行させる方向で作戦を立案する方向に切り替えたようです。
その場合でも、翔鶴や瑞鶴等の正規空母の33ノット以上の戦速には27ノットの大和級では随伴に苦労したようです。
その様な事情もあって、相手のアメリカ海軍の新就役戦艦アイオワ級の速力は、33ノットの設定されたようです。
「そもそも」以下の貴職のご意見には、全面的に賛同致します。どうも、日本海軍は空母に大型の大砲を搭載させたりする戦略思想の統一が未熟なところが多々あるように感じております。
ご叱正とご教示に対する御礼まで。
河井正博
どうやら、日本海軍の諸艦艇に関しては、晴信様の方が詳しいようで、ご指摘に関しては、何の反論もありません。
おっしゃる通りだと思います。
問題は、日本海軍の作戦運用に関する旧態依然たる艦艇運用にあると思っております。ミッドウェー海戦の時もそうですが、アメリカ海軍が、「空母部隊」による艦隊決戦と捉えていたのに対し、帝国海軍の「主隊」は、空母機動部隊では無く、空母後方の「第一戦隊」でした。
第一戦隊の構成は、戦艦3隻で、大和、長門、陸奥でしたので、戦隊の第一戦速は、長門級の25ノットが最大戦速とならざるを得なかった事情があります。
太平洋前半まで、帝国海軍は、大和、武蔵、長門、陸奥の戦艦群を一括運用する方針でした。
後半になって、低速の長門や伊勢級、山城級を別途運用に切り替え、大和級を機動部隊に同行させる方向で作戦を立案する方向に切り替えたようです。
その場合でも、翔鶴や瑞鶴等の正規空母の33ノット以上の戦速には27ノットの大和級では随伴に苦労したようです。
その様な事情もあって、相手のアメリカ海軍の新就役戦艦アイオワ級の速力は、33ノットの設定されたようです。
「そもそも」以下の貴職のご意見には、全面的に賛同致します。どうも、日本海軍は空母に大型の大砲を搭載させたりする戦略思想の統一が未熟なところが多々あるように感じております。
ご叱正とご教示に対する御礼まで。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2017年 10月30日 10時50分
[良い点]
視野視点とも時には広く時には深くと、変幻自在な内容がとても面白く作品執筆中に資料を探しながらこちらに行き着いた私としてはとても興味深く読まさせて頂いたと同時に色々と参考になるところも多く助かりました。
[一言]
作品も面白いですが、作品に対する読者の皆さんの感想や意見と作者さんの答えも興味深くこちらも楽しく読ませて頂いています。
そこで私も一言書かせていただきます。
5.脆弱だった戦艦大和の対空火器
に関してですがこの内容に異論は有りません、私もまったく同じ結論を持っていますから。
しかし、そこへもう一つ追い打ちを掛けるとすれば。
高射砲と機銃の指揮制御装置の能力不足と言うところでしょう。
工業力に劣る日本は性能的に劣る指揮装置でも数を揃えれなかった、この辺の差はもしかすると砲や機銃の性能以上の大きかったのかもしれません。
そう考えると負けて当たり前と言うよりも、これだけ劣る要素がありながら大国相手にあそこまでよく戦えたとも考えられます。
視野視点とも時には広く時には深くと、変幻自在な内容がとても面白く作品執筆中に資料を探しながらこちらに行き着いた私としてはとても興味深く読まさせて頂いたと同時に色々と参考になるところも多く助かりました。
[一言]
作品も面白いですが、作品に対する読者の皆さんの感想や意見と作者さんの答えも興味深くこちらも楽しく読ませて頂いています。
そこで私も一言書かせていただきます。
5.脆弱だった戦艦大和の対空火器
に関してですがこの内容に異論は有りません、私もまったく同じ結論を持っていますから。
しかし、そこへもう一つ追い打ちを掛けるとすれば。
高射砲と機銃の指揮制御装置の能力不足と言うところでしょう。
工業力に劣る日本は性能的に劣る指揮装置でも数を揃えれなかった、この辺の差はもしかすると砲や機銃の性能以上の大きかったのかもしれません。
そう考えると負けて当たり前と言うよりも、これだけ劣る要素がありながら大国相手にあそこまでよく戦えたとも考えられます。
雅夢様
ご感想とご指摘の内容、有り難く拝見しました。確かに、
『高射砲と機銃の指揮制御装置の能力不足と言うところでしょう。
工業力に劣る日本は性能的に劣る指揮装置でも数を揃えれなかった、この辺の差はもしかすると砲や機銃の性能以上の大きかったのかもしれません』
の点に関しては、おっしゃる通りだと思います。
これは、陸軍の場合ですが、アメリカ軍もドイツ軍も小隊規模の戦闘火器を拳銃、短機関銃、小銃、軽機関銃の4種類で構成して対応しているのに対し、日本陸軍は、終戦まで、軍刀、拳銃、小銃、軽機関銃で構成された実戦と関連教育を続けている点からも理解できると思います。
日米の差は大きかったと感じています。
レーダーの基本性能も違いすぎましたが、米海軍の場合、5インチ両用砲、40mmボフォース連装対空砲、そして、20mm機関砲以下の小口径砲の三段構えの指揮系統に分かれていたようですが、我が海軍の場合、対空指揮官の下の分担と機能が良く解っておりません。
特に、5インチ砲と25mm機関砲の間の隙間が大きすぎた気がしますし、赤城、加賀の対空砲の制圧範囲の図を見ても、総合的な対空戦闘の十分な検討を行なっていた印象は私にはありません。
是非、これからも小生の問題点と不足部分のご指摘を期待しておりますので、よろしくお願いします。
河井正博
ご感想とご指摘の内容、有り難く拝見しました。確かに、
『高射砲と機銃の指揮制御装置の能力不足と言うところでしょう。
工業力に劣る日本は性能的に劣る指揮装置でも数を揃えれなかった、この辺の差はもしかすると砲や機銃の性能以上の大きかったのかもしれません』
の点に関しては、おっしゃる通りだと思います。
これは、陸軍の場合ですが、アメリカ軍もドイツ軍も小隊規模の戦闘火器を拳銃、短機関銃、小銃、軽機関銃の4種類で構成して対応しているのに対し、日本陸軍は、終戦まで、軍刀、拳銃、小銃、軽機関銃で構成された実戦と関連教育を続けている点からも理解できると思います。
日米の差は大きかったと感じています。
レーダーの基本性能も違いすぎましたが、米海軍の場合、5インチ両用砲、40mmボフォース連装対空砲、そして、20mm機関砲以下の小口径砲の三段構えの指揮系統に分かれていたようですが、我が海軍の場合、対空指揮官の下の分担と機能が良く解っておりません。
特に、5インチ砲と25mm機関砲の間の隙間が大きすぎた気がしますし、赤城、加賀の対空砲の制圧範囲の図を見ても、総合的な対空戦闘の十分な検討を行なっていた印象は私にはありません。
是非、これからも小生の問題点と不足部分のご指摘を期待しておりますので、よろしくお願いします。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2017年 06月22日 17時29分
[良い点]
いつも、広い視点からの、さまざまなお話しを有り難うございます。 ヨーロッパの兵器大転換の背景には、モンゴルの侵略があったのは、なるほどと思いました。
また、フランス陸軍の栄光は、起源が古く、大砲を有効利用したのは、ナポレオンからでも無いのですね。
[気になる点]
珍しく誤字が:ローマ教会は何度もクロスボー使用の卑怯さを避難→非難
[一言]
陸軍国フランスの躍進を考えると、海洋王国 ベニスや、ナポリの没落や、統一国家ができなかったイタリアの弱点も見えてくる気がします。 結局、個性が強い都市は、さまざままな特徴をもちますが、結局はまとまれず、 統一国家には勝てないのだと良くわかりました。
いつも、広い視点からの、さまざまなお話しを有り難うございます。 ヨーロッパの兵器大転換の背景には、モンゴルの侵略があったのは、なるほどと思いました。
また、フランス陸軍の栄光は、起源が古く、大砲を有効利用したのは、ナポレオンからでも無いのですね。
[気になる点]
珍しく誤字が:ローマ教会は何度もクロスボー使用の卑怯さを避難→非難
[一言]
陸軍国フランスの躍進を考えると、海洋王国 ベニスや、ナポリの没落や、統一国家ができなかったイタリアの弱点も見えてくる気がします。 結局、個性が強い都市は、さまざままな特徴をもちますが、結局はまとまれず、 統一国家には勝てないのだと良くわかりました。
五反田猫様
毎回のご批評、感謝に堪えません。誤字のご指摘、汗顔の至りです。
年始めのイタリア旅行のまとめで書いたつもりでしたが、基礎知識の不足で不十分な内容に終ってしまいまして反省しております。
もう少し、フランスの野砲開発やグスタフ・アドルフの野砲運用の方法など知りたいと思っておりますが、日本文(笑い)の資料に乏しく苦労しております。
それから何時も博物館その他に行くと感じる点なのですが、軍事関連の展示品の場合、大量に不要になった品物の展示が多く、長期間有効に用いられた武器は、戦場での消耗が多いためか、展字数が極めて少ないようです。
日本の戦国期の槍にしても、明らかに織田家とか北条家と解る槍の展示を見たことがありません。
また、火縄銃にしても同様で、これは、戦国期の火縄銃だと明確に理解できる銃の実物を手で触ったことが一度も無い現状です。
これからも、反省と勉強を繰り返しながら進めていきたいと考えておりませので、ご教示のほど宜しくお願いします。
河井正博
毎回のご批評、感謝に堪えません。誤字のご指摘、汗顔の至りです。
年始めのイタリア旅行のまとめで書いたつもりでしたが、基礎知識の不足で不十分な内容に終ってしまいまして反省しております。
もう少し、フランスの野砲開発やグスタフ・アドルフの野砲運用の方法など知りたいと思っておりますが、日本文(笑い)の資料に乏しく苦労しております。
それから何時も博物館その他に行くと感じる点なのですが、軍事関連の展示品の場合、大量に不要になった品物の展示が多く、長期間有効に用いられた武器は、戦場での消耗が多いためか、展字数が極めて少ないようです。
日本の戦国期の槍にしても、明らかに織田家とか北条家と解る槍の展示を見たことがありません。
また、火縄銃にしても同様で、これは、戦国期の火縄銃だと明確に理解できる銃の実物を手で触ったことが一度も無い現状です。
これからも、反省と勉強を繰り返しながら進めていきたいと考えておりませので、ご教示のほど宜しくお願いします。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2017年 06月16日 14時25分
[一言]
「大砲の成長期:明治時代」
読ませて頂きました。
勉強になります。
ありがとうございます。
拙作で、イギリス帆船搭載のカノン砲(口径は不明)を船から降ろし、敵歩兵に向けてぶっ放してますが、反動の事はすっかり頭から抜け落ちてしまってました。
ですので、今回のお話は冷や汗モノです(笑)。
日本が幸運であったのか、危機に真摯に対処し、チャンスをしっかりと掴み取れた実力あればこそ、なのか。
同じ様に鎖国状態の朝鮮と、列強の直接の脅威に晒され、洋務運動までありながらも近代化できなかった中国の事を考えると、ご先祖様の苦労を偲ぶばかりです。
トランプ次期大統領の就任によって、東アジア情勢は変わろうとしています。
現代でも、現実にしっかりと対処すべき事に変わりはありませんね。
「大砲の成長期:明治時代」
読ませて頂きました。
勉強になります。
ありがとうございます。
拙作で、イギリス帆船搭載のカノン砲(口径は不明)を船から降ろし、敵歩兵に向けてぶっ放してますが、反動の事はすっかり頭から抜け落ちてしまってました。
ですので、今回のお話は冷や汗モノです(笑)。
日本が幸運であったのか、危機に真摯に対処し、チャンスをしっかりと掴み取れた実力あればこそ、なのか。
同じ様に鎖国状態の朝鮮と、列強の直接の脅威に晒され、洋務運動までありながらも近代化できなかった中国の事を考えると、ご先祖様の苦労を偲ぶばかりです。
トランプ次期大統領の就任によって、東アジア情勢は変わろうとしています。
現代でも、現実にしっかりと対処すべき事に変わりはありませんね。
ロロサエさん
毎回、的確なご批評を頂き、お世話になっております。
おっしゃるように、トランプ次期大統領の就任によって、東アジア情勢が大きく動こうとしています。
国家的な危機が訪れた時に、自由主義の欧米は一つにまとまるのが早く強固だと思いますし、反対に、中国、朝鮮は近代化の際も遅れてしまいました。
その点、現在でもこの2つのグループの中間で、やや欧米よりなのが日本のような気がします。
ご指摘のように、これからも日本は、「危機に真摯に対処」することが重要だと思います。
英国の帆船時代、搭載砲を陸揚げして攻撃する際は、良く、9ポンド艦首追撃砲や上甲板の12ポンド砲が使用されたようです。
しかし、小生も砲の台車に関しては、余り多く見ておりません。現状、可動可能な状態で見ているのは、24ポンド砲と32ポンド・カロネード砲位でしょうか。
6ポンド~12ポンド砲の砲車に関してはもう少し正月の間で勉強してみたいと思いますので、よろしくお願いします。
河井正博
毎回、的確なご批評を頂き、お世話になっております。
おっしゃるように、トランプ次期大統領の就任によって、東アジア情勢が大きく動こうとしています。
国家的な危機が訪れた時に、自由主義の欧米は一つにまとまるのが早く強固だと思いますし、反対に、中国、朝鮮は近代化の際も遅れてしまいました。
その点、現在でもこの2つのグループの中間で、やや欧米よりなのが日本のような気がします。
ご指摘のように、これからも日本は、「危機に真摯に対処」することが重要だと思います。
英国の帆船時代、搭載砲を陸揚げして攻撃する際は、良く、9ポンド艦首追撃砲や上甲板の12ポンド砲が使用されたようです。
しかし、小生も砲の台車に関しては、余り多く見ておりません。現状、可動可能な状態で見ているのは、24ポンド砲と32ポンド・カロネード砲位でしょうか。
6ポンド~12ポンド砲の砲車に関してはもう少し正月の間で勉強してみたいと思いますので、よろしくお願いします。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2016年 12月21日 04時13分
[一言]
幕末維新の大砲、読ませて頂きました。
とても参考になります、ありがとうございます。
異世界ファンタジーでよくある現代知識SUGEEEですが、現実を見てみるとその難しさが浮き彫りになりますね。
基礎工業力のあったはずの幕末の日本で、現物という見本を前にし、当時最高レベルであろう技術者達がその持てる英知を結集しても、全てを己の物にするには相当な時間がかかっていますから。
それを考えると、当の技術者ですらない場合の多い主人公達に、果たして現代知識SUGEEEがどこまで可能か、ですね。
一つの技術にしても、それに至るまでには膨大な試行錯誤が為されているはずです。
そういう自分が、拙作で主人公に西洋の大砲を作らせる予定ですが、それがどれだけ難しい事なのか。
今は逆に、知らなければ良かった、と若干後悔もしております。
知らぬ者の強みとして、荒唐無稽であれ、悩む事なく書けますから。
お恨み申し上げまするぅぅと、筋違いの苦情を述べさせて頂きます(笑)
幕末維新の大砲、読ませて頂きました。
とても参考になります、ありがとうございます。
異世界ファンタジーでよくある現代知識SUGEEEですが、現実を見てみるとその難しさが浮き彫りになりますね。
基礎工業力のあったはずの幕末の日本で、現物という見本を前にし、当時最高レベルであろう技術者達がその持てる英知を結集しても、全てを己の物にするには相当な時間がかかっていますから。
それを考えると、当の技術者ですらない場合の多い主人公達に、果たして現代知識SUGEEEがどこまで可能か、ですね。
一つの技術にしても、それに至るまでには膨大な試行錯誤が為されているはずです。
そういう自分が、拙作で主人公に西洋の大砲を作らせる予定ですが、それがどれだけ難しい事なのか。
今は逆に、知らなければ良かった、と若干後悔もしております。
知らぬ者の強みとして、荒唐無稽であれ、悩む事なく書けますから。
お恨み申し上げまするぅぅと、筋違いの苦情を述べさせて頂きます(笑)
ロロサエさん
何時もご批評有り難うございます。
ロロサエさんの「幕末香霊伝」や「捻くれて候」を拝見すると幕末の知識の幅さと書かれるスピード共に小生より格段に上の感じが致します。
近作で主人公に西洋の大砲を造らせる予定との事、楽しみにさせて頂きます。
小生の方は、時の流れに漂っている感じで、次のテーマさえ、何時も定まって居ない実情で、若しかしたら、次回は西洋の番外編になってしまうかも知れませんが、早くテーマを見つけたいと焦っているこの頃です。
真実と創作の中間で、楽しく悩まれているご様子に対して、大いなる同感とご苦衷をお察し申し上げます。
御礼まで。
河井正博
何時もご批評有り難うございます。
ロロサエさんの「幕末香霊伝」や「捻くれて候」を拝見すると幕末の知識の幅さと書かれるスピード共に小生より格段に上の感じが致します。
近作で主人公に西洋の大砲を造らせる予定との事、楽しみにさせて頂きます。
小生の方は、時の流れに漂っている感じで、次のテーマさえ、何時も定まって居ない実情で、若しかしたら、次回は西洋の番外編になってしまうかも知れませんが、早くテーマを見つけたいと焦っているこの頃です。
真実と創作の中間で、楽しく悩まれているご様子に対して、大いなる同感とご苦衷をお察し申し上げます。
御礼まで。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2016年 12月04日 11時54分
[良い点]
河井正博さん
いつも興味深い、調査と分析をありがとうございます。
仰るとおりでアームストロング砲は、大砲の歴史の大きな変革点ですね。 帝国陸軍で砲兵として従軍した人に伺うと、大砲は発射すると、弾についた銅製ガスケットの跡は、べっとりと砲身内について、これを酸性液で清掃するのが面倒だったそうです。 アームストロング砲でも同じ基本構造で、それが鉛だったというのは始めて知りました。 いつもご教示頂き有難うございます。
[一言]
佐賀藩による国産化は、私も疑問をもっています。
内腔部にライフルを切る設備は巨大、これにコイルを巻いて強化する設備も必要、外腔部にも高度の製鉄炉による炭素鋼が必要だったはずで、内外を嵌め合わせるにも専用の設備が必要です。 もちろん、職人による個別調整も出来るし、似たようなものは作れますが、少なくとも数十発撃てる耐久度があったのか、高い発射圧に耐えられたのかという点では疑問で、そのようなものはレプリカであって国産化とは言えません。 フランスの「四斤山砲」(86mm口径)が明治初期に弥助砲として国産化出来た事を考えれば、いくら先進の佐賀藩といえど、この程度の砲がせいぜいでしょうね。
アームストロング砲には、6ポンド(64mm口径)があったらしいので、これですと可能性はあるかもしれません。
それにしても、ご指摘の通り、尾栓の閉鎖構造の精度の実現、内外腔の嵌め合わせ構造など、難しい面が残っています。
河井正博さん
いつも興味深い、調査と分析をありがとうございます。
仰るとおりでアームストロング砲は、大砲の歴史の大きな変革点ですね。 帝国陸軍で砲兵として従軍した人に伺うと、大砲は発射すると、弾についた銅製ガスケットの跡は、べっとりと砲身内について、これを酸性液で清掃するのが面倒だったそうです。 アームストロング砲でも同じ基本構造で、それが鉛だったというのは始めて知りました。 いつもご教示頂き有難うございます。
[一言]
佐賀藩による国産化は、私も疑問をもっています。
内腔部にライフルを切る設備は巨大、これにコイルを巻いて強化する設備も必要、外腔部にも高度の製鉄炉による炭素鋼が必要だったはずで、内外を嵌め合わせるにも専用の設備が必要です。 もちろん、職人による個別調整も出来るし、似たようなものは作れますが、少なくとも数十発撃てる耐久度があったのか、高い発射圧に耐えられたのかという点では疑問で、そのようなものはレプリカであって国産化とは言えません。 フランスの「四斤山砲」(86mm口径)が明治初期に弥助砲として国産化出来た事を考えれば、いくら先進の佐賀藩といえど、この程度の砲がせいぜいでしょうね。
アームストロング砲には、6ポンド(64mm口径)があったらしいので、これですと可能性はあるかもしれません。
それにしても、ご指摘の通り、尾栓の閉鎖構造の精度の実現、内外腔の嵌め合わせ構造など、難しい面が残っています。
五反田猫様
何時も的確なご批評をお聞かせ下さり、感謝に堪えません。
輸入品と国産の四斤山砲は、明治6年の時点で、42門存在したようですので、国産化したといっても、そう多い数ではなかったようです。
また、幕府の関口大砲製作所の加工精度が一番高かったようで、肥前藩がそれに次ぎ、薩摩藩の大砲の精度、特にライフルリングの加工精度は低かったように感じます。
「アームストロング砲」に関する国産化の議論は、これからも色々と出ると思いますが、新しい話題が増えて、この分野の探訪の世界が、もっと広がることを期待したいと想っております。
「アームストロング砲」初期のネジ式尾栓閉鎖機構に関しては、掲載窓口の関係で、図や写真を提示できないため、五反田猫さんや皆さんにご不便をお掛けしてしまいました。
この件に関しては、アームストロング砲改良型閉鎖機構と新しいクルップ砲の製鋼技術と閉鎖機構の比較で考えるのが最も相応しいと前から考えておりますが、果たして何時になることやら、不精者の小生としては不安です。
御礼まで。
河井正博
何時も的確なご批評をお聞かせ下さり、感謝に堪えません。
輸入品と国産の四斤山砲は、明治6年の時点で、42門存在したようですので、国産化したといっても、そう多い数ではなかったようです。
また、幕府の関口大砲製作所の加工精度が一番高かったようで、肥前藩がそれに次ぎ、薩摩藩の大砲の精度、特にライフルリングの加工精度は低かったように感じます。
「アームストロング砲」に関する国産化の議論は、これからも色々と出ると思いますが、新しい話題が増えて、この分野の探訪の世界が、もっと広がることを期待したいと想っております。
「アームストロング砲」初期のネジ式尾栓閉鎖機構に関しては、掲載窓口の関係で、図や写真を提示できないため、五反田猫さんや皆さんにご不便をお掛けしてしまいました。
この件に関しては、アームストロング砲改良型閉鎖機構と新しいクルップ砲の製鋼技術と閉鎖機構の比較で考えるのが最も相応しいと前から考えておりますが、果たして何時になることやら、不精者の小生としては不安です。
御礼まで。
河井正博
- 想房・河井正博
- 2016年 11月30日 18時21分
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