感想一覧

[良い点]
気帆船運用の反対派と賛成派に分かれて大激論を交わしている様子が想像できて面白いです。各艦隊司令長官は一個艦隊の将兵全員の命を預かっており、信頼性の不確かな気帆船の運用の是非を真剣に議論していることが伺えます。それぞれが考えているであろう主張を下記にまとめてみました。

反対派
舷側にある外輪は推進機関であるため大幅な機動力が減少する外形の大きな弱点をさらすことなる。また、外輪によって艦砲の設置場所が部分的に制限される。
蒸気機関を搭載するため機関そのものと燃料である石炭を搭載する場所が必要になり、砲弾搭載量や艦砲の積載量と水や食料の積載量を減らすことになる可能性がある。そのため、輸送艦や補給拠点への依存性が高まる可能性がある。
蒸気機関の技術的信頼性に疑問があり、長距離航海や戦闘時の過酷な条件での性能が未検証である。また、建造コストに見合うのか疑問があり、蒸気機関のメンテナンス要員と設備が必要になる。

賛成派
帆船の様に蛇行して航行せずに風向きに関係なく自由に艦隊運動を行えるため人員や物資の輸送時間が短くなり戦略機動性が向上する。同様に風向きに関係ない艦隊運動を行えることにより敵艦隊に対して優位な位置を確保しやすくなるため戦術機動性が向上する。

反対派が考えるであろう主張というか不安点を考えると、賛成派が思いのほか多かったため驚きを感じました。賛成派が多い要因として肥前国の広大な領土と最初期からの一貫したアウトレンジ戦法の採用によって機動力を重視していることが考えられます。

[一言]
対明国のための援軍で朝鮮出兵という話かと思ってました

[気になる点]
農林水産省本庁の佃十成と水産庁の奥田直政は長官ということですか．
[一言]
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大日本国省庁について

肥前国省庁の独立性
　大日本国政府加盟国の各国は独立政府として省庁も独立している。肥前国省庁は例外として自国の省庁としての役割と財政的な限界により暫定的に大日本国政府の省庁としての役割も保持している（第705話　『越後と残りの奥州』(小佐々家中会議）より）。そのため、大日本国政府の省庁に肥前国以外の加盟国から大臣や副大臣が就任しても肥前国省庁は独立しているため肥前国の行政や情報には基本的に干渉できないと考えられる。肥前国以外の加盟国から就任した人に肥前国省庁の仕事があったとしても内情を全く知らないため役にたたない若しくは知っても大日本国に有益ではないと考えられる。例として、大日本国政府省庁に就任した陸軍副大臣や海軍副大臣に肥前国統治領の南方や北方に適した軍事装備の最終決裁などのよくわからない若しくは肥前国省庁としてわざわざ仕事をする有効性を見込めないものを許可する機械になるというものが考えられる。

大日本国政府省庁の役割
　大日本国政府省庁の役割は加盟国から徴収した税金を用いて大日本国全体の政策を実施することである。肥前国以外の加盟国から就任した人は大日本国全体の政策を実施する人員と考えることができる。
　大日本国政府省庁は副総理の織田信長・財務副大臣の豊臣秀吉・陸軍副大臣の堀秀政・海軍副大臣の九鬼嘉隆・文部省語学教育局長の松井康之・農林水産省本庁の佃十成・水産庁の奥田直政・厚生労働省大臣補佐の真木島昭光と平手汎秀が就任した（第715話　『大日本l国政府、大臣以下の閣僚人事』）。その中の副総理・財財務副大臣・文部省語学教育局長・農林水産省本庁・水産庁・厚生労働省大臣補佐は一般的な大日本国政府の政策を実施する人である。陸軍副大臣と海軍副大臣は大日本国の対外的な軍事を肥前国が担っていることと予算の都合のため、加盟国の軍への軍法の遵守や沿岸防衛地区の設定などの簡単な規制と統制が役割と考えられる。

[一言]
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印阿国配備の陸海軍の拡張について

印阿国の陸海軍拡大
　肥前国統治領印阿国である南アジア領のカリカット周辺・セイロン島とアフリカ領のケープタウン周辺・マダガスカル島は下記に示す「移民問題」、「国土の防衛」、「シーレーン防衛」の状況によって周辺地域からの移民問題によって発生する他国軍や賊からの侵入を阻止するための国境警備・武力衝突・軍人が偽装した賊や依頼された傭兵（賊）による襲撃、ヨーロッパ諸国の植民地政策による海軍や私掠船からの沿岸部やシーレーンの防衛に備えるために常駐する陸海軍の規模拡大とそれに見合う軍事基地の建設と沿岸砲や要塞などの防衛設備の建設などの必要があると考えられる。また、東南アジアとの地域間の連絡艦による通信体制と援軍の派遣体制の確立が急務であると考えられる。

移民問題
　肥前国は純正やその父親の意向により武士であっても農民や漁民を蔑ろにすることは小佐々一門であっても許さない法の下の平等若しくはそれを目指した法体制をとっている（第467話　『明の隆慶帝と琉球国王尚元王、変動する国際情勢』より）。法体制は肥前国統治領全てに原則的に適用されることにより、統治領ではケープタウン周辺のように人種や他文化への差別が禁止されるため多様な民族が共生している活気あふれる地域となっている（第659話　『中浦ジュリアン、伊東マンショ、千々石ミゲル、原マルチノとともにセバスティアン一世に謁見す』（1578/11/7）より）。
　そのため、迫害や差別されてきた氏族・部族・民族・奴隷・特定職業の就業者などが現状変更を求めて印阿国南アジア領のカリカット周辺・セイロン島とアフリカ領のケープタウン周辺・マダガスカル島の肥前国統治領に移住する若しくは港から船舶を用いてさらに遠い肥前国統治領に移住する可能性がある。

国土の防衛
　肥前国統治領である印阿国南アジア領のカリカット周辺・セイロン島とアフリカ領のケープタウン周辺・マダガスカル島は前述の「移民問題」で述べたように周辺地域や国の人口を吸収して領地の人口を低下させる地域であり、ある程度発展していて領有化すれば美味しい地域である。また、被差別階層の人口が集まるため領主によっては反感を覚えられる地域となった可能性がある。

シーレーン防衛
　現在のヨーロッパは史実よりもかなり情勢が変化してきている。現在わかっている範囲で各国の状況を下記に示す。
・ポルトガル国は肥前国と同盟を締結した影響で貿易拡大と経済発展にいそしみ史実よりも国力が高くスペインの影響下から抜け出してかなり独自路線を歩んでいる。
・スペイン国はレイテ沖海戦（第二次スペイン戦）によりフィリピン全領土を損失して東南アジア・オセアニア貿易から完全に撤退するとともにヌエバ・エスパーニャ副王領を防衛していた海軍艦艇以外のほぼすべてを乗員含めて損失してしまい、スペイン領アメリカ大陸の海軍再建と反乱鎮圧に悩んでいると考えられ、スペイン本国では宗教的な争いと史実よりも強いオランダの独立闘争があり、史実よりも没落する速度が速い。
・オランダ国（地域）は史実よりも国力が低いスペイン国を撃退しつつ、恐らくポルトガル国が秘密裏に支援をしていて完全に独立する時期が早まると考えられる。
　ヨーロッパの情勢が史実よりも変化してきたことにより各国の植民地政策が早まり、肥前国海外領土に妨害や攻撃が加えられる可能性がある。海軍による直接的な攻撃がなくとも私掠船を用いて領土や商船から略奪する可能性が高いと考えられる。これらの問題はロシア・ツァーリ国へ対する東方進出対策よりも緊急性が高いと考えられる。

[気になる点]
北方方面軍の規模について
　迫撃砲を配備することによって小規模でも対応できる戦力差が大きくなったとしても、現状の北方方面軍の陸軍の規模が足りていないように感じます。北方方面軍の規模拡大若しくは西方方面軍から増援を派遣しないのですか。現状の北方方面軍の配備状況を下記に示します。
　陸軍の規模拡大をする場合の駐屯する候補地として越中国（放生津，砺波郡を除く）・越後国直江津・佐渡・羽後国安東領・陸奥国西部大浦領・渡島国蠣崎領・北加伊道等があるが、陸軍を迅速に派遣する体制構築のために海軍の規模拡大も伴うと考えられる。

北方方面軍・第五師団（越中　富山城）神代兵部大輔貴茂少将（31）
　三個旅団（6,000）18,000名
　　内　第712話　『大日本国銀行』より
　　　　大宝寺領内の国境に配置
　　　　大宝寺領派遣旅団
　　　　一個旅団（五個連隊）6,000名

　　　　第579話　純正の同盟国の事情。畠山義慶と佐渡の儀。より
　　　　一個旅団を佐渡と直江津に配置
　　　　佐渡駐屯旅団
　　　　一個旅団若しくは半個旅団
　　　　直江津駐屯旅団
　　　　一個旅団若しくは半個旅団

　　　　第692話　『ウラジオストク（北領掌）、オホーツク（狩海）、ペトロパブロフスク・カムチャツキー（勘察加市）』より
　　　　各港に大隊若しくは連隊規模を常駐
　　　　小樽大隊若しくは連隊
　　　　一個大隊若しくは一個連隊
　　　　北領掌（ウラジオストク）大隊若しくは連隊
　　　　一個大隊若しくは一個連隊
　　　　狩海（オホーツク）大隊若しくは連隊
　　　　一個大隊若しくは一個連隊
　　　　勘察加市（ペトロパブロフスク・カムチャッキー）大隊若しくは連隊
　　　　一個大隊若しくは一個連隊

[一言]
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日本語について

肥前国式大日本国共通語
　現在の肥前国が用いている日本語は、肥前国の学校教育で第一国語（肥前国統治領共通語）を日本語として教育するときに共通の日本語の必要性が認められたため定められた肥前国式日本語であると考えられる。この日本語は肥前国統治領の九州地方・四国地方・中国地方などの各地方どころか地方内でも異なる日本語から平均をとって生み出されたものであると考えられる。この肥前国式日本語の意義は、他地域でも通じる日本語の確立であり、既存の日本語（方言）を排除するものではなく、肥前国式日本語の方言として包含できるため導入時の反発は少なかったと考えられる。また、肥前国式日本語が大日本国の共通語として採用される可能性がある。

日本語の国際言語化
　現在の肥前国統治領は沖縄と北海道を含まない旧日本国内の九州地方・四国地方・中国地方・日本海側沿岸の飛び地と太平洋側沿岸の飛び地のほかに、海外領土として東アジア・東南アジア・オセアニアの地域に台湾・フィリピン・ニューギニア・ブルネイ・スラウェシ・オーストラリア・租借地バンテン・マラタムがあり、東アジア・北アジア・北アメリカの地域に北海道・千島列島・樺太・カムチャッカ半島・沿海州・沿海州以北の領土・アラスカの一部がある。他にも南アジア・アフリカの地域にカリカット・セイロン・ケープタウン・マダガスカルがある。これらの肥前国統治領では、学校教育で第二国語（日本語話者は日本語以外の言語を学び、日本語以外の言語話者は現在の自分が話している母語や地域で話されている言語を学ぶ教科）と第三国語（第一国語と第二国語以外の言語を学ぶ教科）とともに第一国語（日本語）を共通語として教えていると考えられる。
　肥前国の貿易網は、前述の自国海外領土とポルトガル海外領土を補給や商業の拠点として東アジア・北アジア・北アメリカ・東南アジア・オセアニア・南アジア・西アジア・アフリカ・ヨーロッパなどの広大な範囲に及んでおり、そこでは日本語とポルトガル語が用いられていると考えられる。
　そのため、肥前国統治領と貿易網を考えると、日本語が国際言語のひとつとして認知されている可能性がある。肥前国の海外領土の人口によって、日本語話者の人口はポルトガル語話者の人口以上に存在する可能性がある。

[一言]
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内需と貿易を拡大する産業

肥前国株式会社
　肥前国が株式の過半数以上を持つ国の政策を補助する会社を設立する。設立の目的は、産業界への刺激による経済発展、退役した傷痍軍人やその家族や戦没者遺族の雇用促進、傷痍軍人への治療費や遺族年金の財源とすることである。また、肥前国内の各地域で異なる文化を国全体に広めて異文化に対する寛容心を育むことで国家の統合を強化し、民間に兵器以外のレーションや医薬品や軍服などの軍需産業を任せる下地を作ることも目的である。この会社設立により、肥前国内の内需拡大と貿易の強化が期待できる。また、農林水産省や厚生労働省などの各省庁が担当する産業の問題の洗い出しと課題解決にも有用である。

保存食品の会社
　缶詰・瓶詰・干物・燻製・塩蔵品・発酵食品・漬物・砂糖漬け・インスタント食品などの保存食品を開発・製造する会社を設立する。保存食品は通常の消費用・肥前国海外領土や船舶での食料供給・個人や政府用の災害時用備蓄食料・輸出用・陸海軍のレーションなどの需要があると考えられる。また、各種食品や塩などの過剰生産による価格低下を防ぐ調整役も兼ねている。

アルコール類の会社
　各地域と文化ごとの酒類や各地域の果実や薬草等を使用したリキュール、工業や医療用のアルコールなどの新しい蒸留酒などのアルコール類の開発と製造をする会社を設立する。飲食用の酒類・輸出用・食品添加物・工業用・消毒用・医療用・化粧品などの需要があると考えられる。また、穀物などの過剰生産による価格低下を防ぐための調整役も兼ねている。

木材加工の会社
　各地域と文化ごとの木材や北洋材や南洋材を用いた木材加工製品の開発・製造をする会社を設立する。木材加工製品は輸出用・建築資材・合板・健具・家具・木工製品・造船・燃料などの需要があると考えられる。

服飾産業の会社
　各地域と文化ごとの織物や染物を使用した服飾製品の開発・製造をする会社を設立する。服飾製品は輸出用・軍服・礼服・制服・作業服・伝統衣装・アクセサリー・装飾品などの需要があると考えられる。

香粧品の会社
　各地域と文化ごとの香水・香草・薬草・香油などを用いた香粧品の開発・製造をする会社を設立する。香粧品は輸出用・洗顔料・化粧水・乳液・日焼け止め・ボディソープ・シャンプー・コンディショナー・歯磨き粉・石鹸・ハンドクリーム・ボディローションなどの需要があると考えられる。

医薬品の会社
　肥前国の豊かな薬草資源を活かして医薬品の開発・製造をする会社を設立する。医薬品として漢方薬・抗菌薬・消化器官用薬・鎮静剤・解熱鎮痛剤・血行改善剤・生活習慣病予防薬などの需要があると考えられる。

[一言]
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明国からの独立

小中華思想の崩壊
　肥前国の経済発展と交易網を通じて流布させたネガティブキャンペーンの結果によって経済力と権威が下がり続け、冊封体制や伝統的な天円地方説の崩壊と合わさり中華という考え方自体の価値が低下してしまい朝鮮国や東南アジア諸国が小中華思想を形成しなくなるかもしれない状況である。

明国からの独立状況
　「小中華思想の崩壊」で示した状況により朝鮮国や東南アジア諸国は明国から距離を取り始めており、すでに朝貢貿易を廃止した国が出ており形式上続けている国は琉球・朝鮮・アユタヤの数か国だけの状態である。（第605話　対北条戦略と対明経済戦略より１５７４年８月１１日の数日後）このような中で、未来の後金国は年がたつごとに独立路線をより確固たるものとしてきており、朝鮮国も第620話　『朝鮮貿易拡大と女真族への援助』より１５７５年４月２１日時点で肥前国から銃や大砲を購入しようと独立を志向し始めている。
　直近では第691話　『ヌルハチ』より１５８１年１２月１２日時点で未来の後金国が建州女直を統一して他の女直へも勢力を広げようとし、第709話　『瓶詰めの開発と琉球州顛末。琉球国か琉球州か』より１５８３年８月３日時点で琉球国が本格的な脱明国柵封体制をはかり肥前国統治領編入の交渉を始めた。

独立支援協定
「明国からの独立状況」のような明国から独立する追い風があるため、未来の後金国と朝鮮国や独立していなければアユタヤなどの東南アジア諸国の朝貢国も合わせた国々が肥前国貿易網を利用して、あらかじめ決定された期日に同時に独立を宣言または自国及び協定国及び他国が明国により侵攻されて戦力が分散した時に同時に独立を宣言して明国へ攻撃や妨害をする等の独立を緩やかに相互支援する協定が締結されていそうである。また、協定国側若しくは肥前国側が火縄銃や大砲などの兵器の販売や販売数拡大の交渉に合わせて明国からの独立時に戦争になった場合に物資等を支援する約束を取りつけようとする可能性がある。

[気になる点]
肥前国所属の商人は肥前国以外の大日本政府加盟国での商業に見切りをつけ始めた者が多いのではないでしょうか。
[一言]
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肥前国経済の発展について

大日本国内の経済
　国際貿易港の堺があって政治・文化・宗教の中心地で人が集まる畿内とその周辺国は日本の経済的な中心だった。しかし、海外貿易の中心は肥前国統治領に移り、堺以上の規模かつ複数の港湾施設や造船所などを堺よりも大きな資本（国家予算や海外貿易商人の出資など）を用いて大規模化し続けて経済規模に差をつけてきた。また、肥前国の交通網と警察組織の整備によって商売がしやすくなり、治安の安定と子育て支援政策による人口増加と経済発展に吸い寄せられた外国人帰化人口の増加によって肥前国の人口が拡大し、それに伴い商圏人口が拡大することにより商人の増加と活性化によって経済がますます発展していく。その商業的魅力による人口吸引力をもって畿内周辺の商圏人口が縮小して人口減少すると共に肥前国領内は更なる人口増加をしていくため商業的な魅力が肥前国領に移っていき、大日本国の経済的な中心が西に移動してきている。

肥前国の経済
　沖縄と北海道を除く旧日本国内にある肥前国統治領の九州地方・四国地方・中国地方などでは第二次産業と第三次産業の急成長による内需拡大と港湾施設や造船所の拡大や鉄道敷設などのインフラ整備によって経済が拡大している。また、旧日本国内にある肥前国統治領のみならず北方開拓地である北海道・千島列島・樺太・カムチャッカ半島・沿海州・沿海州以北の領土・アラスカなどの領土と南方開拓地である台湾・フィリピン・ニューギニア・ブルネイ・スラウェシ・オーストラリアなどの肥前国統治領は農地や鉱山などの整備・道路や港湾施設などのインフラ整備・住宅産業などの開拓事業による内需の急拡大によって経済が拡大し、経済発展に吸い寄せられた外国人帰化人口の増加によって肥前国の人口が拡大するためますます経済発展していく。さらに、東アジア・東南アジア・オセアニア・南アジア・西アジア・アフリカ・ヨーロッパ間の年々拡大する貿易によって経済の成長が後押しされている。

肥前国経済からの孤立
　肥前国所属の商人は肥前国以外の大日本国の商業への参入に制限が加えられている現状では、制限なく参入できる商品に対応したり参入に当選するのを待つ程の商業的な魅力がなくなって来てしまった。また、肥前国と大日本政府加盟国とでは国民の所得水準が異なり、肥前国の方が所得水準が高くて購買力があるため、余計に肥前国以外の大日本国を魅力的な商圏とはみなさなくなってしまった。
　肥前国では大型輸送船を用いた輸送が一般的になりつつある現状、幾つかの商会（企業）で共同出資の大型輸送船を購入して船舶を共同使用しつつ信用できる商会（国有企業や肥前国と取引のある商会など）と輸送船団を組んで海外貿易のノウハウを蓄積したり広大な肥前国統治領の内需を満たすための輸送業に食い込み、資金を稼いでそれぞれの商会の規模を大きくしていく。そして、ノウハウの蓄積や会社の規模が十分になったら独立したり商会を買収して統合していく等の現実性のある企業拡大の道筋が考えられる。そのため、肥前国所属の商人は肥前国以外の大日本政府加盟国での商業に見切りをつけて肥前国の内需への食い込みや海外進出を優先していくことが考えられる。
　つい最近では塩を大日本国全体で作り始めたことにより肥前国とその他の大日本政府加盟国との経済格差を解消する政治的な意図が大日本国内外に示された。これにより肥前国所属商人は自分の産業も何れ同じことになると考えてしまい、肥前国を除く大日本国政府加盟国を魅力的な商圏として扱わなくなると考えられる。

[一言]
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州と国の呼称の違い
　現状の大日本国内での州や国の呼称はあくまでも慣習や利便性のために使われているに過ぎないものである。小佐々家統治領を肥前国と呼称するようになったのは、大日本国外の外交などの対外的な対応をしているなかで自国統治領を端的に表す表現が求められたためであると考えられる。肥前国(純正)が織田家統治領のことを美濃国として呼称しているが、大日本国内では織田家統治領で通用するため織田信長は一度も自国統治領のことを美濃国とは公式には発言しておらず、純正が琉球国への信長の紹介に畿内王と紹介しているため織田家統治領のことを大日本国外では畿内国と認識している可能性がある。
　大日本国政府の議員であり自国統治領の代表である大名が統治する範囲内にある国は地方としての扱いになり、国ではなく州という呼称になる。また、加盟国議員の視点からは自国統治領全ての領域をまとめて国として扱う。しかし、大日本政府からの視点では加盟国議員の自国領すべての領域をまとめて州として扱う。そのうち、大日本政府の視点からの州と議員の視点からの州の混同を避けるため、大名が統治する範囲内にある州のことを都道府県で呼称することになる可能性がある。例えば遠州が遠江県になる。
　肥前国の海外領土は大日本国政府加盟国や朝廷の理解が及ばない領域のため今のところ国の呼称が使われる。肥前国では海外領土が州であろうが国であろうが呼称の違いでしかないため統治状況に関係ないが、肥前国統治領の期間が長い国はそのうち州の呼称になる可能性がある。