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[良い点]
同じようなものを書こうと思ってたら既にあったでござる。

[一言]
 クラウゼヴィッツの主張に関して、ニュアンス的にちょっと違うような気がしないでもないです。クラウゼヴィッツとリデルハートについての章で、おそらく第一部の「戦争の性質について」から抜粋したと思われる部分なんですが、全部あげるとキリがないので一番気になったところだけ…

 「戦争には『絶対戦争』(全面総力殲滅戦)と『現実の戦争』(領土紛争などの限定戦)がある。絶対戦争は戦争後に勝者も疲弊させやり過ぎてしまうため、政治によってブレーキを掛けなくてはならない」ってくだりですが、これって戦争論における本来の主張からけっこう乖離してませんか?

☆突っ込みどころ その1
 クラウゼヴィッツは戦争にさまざまな形態がありえる理由を説明する文脈において、まず演繹的思考の帰結として戦争は『相互作用としての無制限性』によって極限までエスカレートするはずであることを主張してますよね。そしてこの理屈の上での戦争の姿が、一般に『絶対(的)戦争』と言われてるものです。したがって、『絶対戦争』が全面総力殲滅戦を意味するというのは良く見られる誤解で、本来全く次元の違う話だと思います。
 で、クラウゼヴィッツはさらに続けて、理屈の上では戦争はすべて上記のようになるはずなのに、『現実の戦争』はそうはならないよね? なんでだろうね? と問題提起をする。そして、その回答として、それは政治的要因が戦争の形を定義してるからだよ、と政治と軍事の不可分性を主張するわけです。
 すなわち、『現実の戦争』では、背景にある政治的要因が大きなものであればあるほど、戦争は極限までエスカレートする理論上の戦争の姿(『絶対戦争』)に近い形状になり、政治的要因の影響が小さければ小さいほどより限定的な形状になると主張し、これをもって戦争の形態がさまざまでありえる理由を説明してるわけです。
 若干論理展開が入れ子状(?)になってるせいで、「『絶対戦争』=総力戦」のような誤解が生じている気がしますが、上記から分かるように総力戦というのは『現実の戦争』の一形態にすぎないわけです。
 端的にまとめると、『絶対戦争』と『現実の戦争』の対比は、「全面総力殲滅戦」と「領土紛争などの限定戦」の対比を意味するわけでなく、「演繹的に導き出される理屈の上ではそうなるであろう戦争の姿」と「(総力戦も限定戦もひっくるめて)文字通り現実の戦争の姿」の対比であるというのが正しい解釈であると思うのですが、いかがでしょうか?

☆突っ込みどころ その2
 また、繰り返しになっちゃいますが、政治的要因が小さなものであればあるほど当然ブレーキがかかって戦争の規模は限定的になると主張してるので、「全面戦争を避けるためにブレーキをかけないといけない」とは主張していないわけです。
 「シビリアンコントロール」に関する警句としてではなく、政治的要因こそが戦争の形を規定しているのだという「政治と軍事の不可分性」対する強いメッセージであると表現した方が、本来のクラウゼヴィッツの主張に近くなると思うのですが、いかがでしょうか?

すごい長文で本当に申し訳ない…
  • 投稿者: reader01
  • 2015年 07月12日 00時53分
reader01 様

お読み頂きありがとうございます。
また、詳細なご指摘、恐縮して拝読致しました。

クラウゼヴィッツの「戦争論」の記述部分は、私がかつて読んだ「戦争論」(岩波文庫の篠田氏訳)と数冊の論評、そして最近の雰囲気を知りたくネットの諸情報を参照したのち、「かなり端折って」書きました。
全く言い訳に過ぎませんが、原文も読まず研究もしていない者が迂闊にしゃべった代物になってしまっています。ですから研究者の方、趣味として深く傾倒されている方には噴飯ものとは十分に意識しております。

と、いうことで赤面してご指摘をお受けする次第です。

この本、難しいですねえ、本当に。
ただ、クラウゼヴィッツさんが書いた意図は、結局のところ本人が改稿したり詳細を加筆出来なくなったことで「よくわからない」状態であるのは確かみたいなので、後世の解釈も様々になった、ということは本当のことで、私の記述した絶対(的)戦争が総力戦を予感したもの(というかナポレオン戦争を紐解くことで戦争の未来図を予測した)とも取れる、という著述も多く見られるわけです。

かつて防衛大学校で教鞭を取られたK氏(としておきます)の講義を聞く機会があり、その折に戦争論の概略を大変分かりやすくお話になっておられたので、それも参考して書いております。氏は、「戦争における重大な決断・計画を戦争遂行者(軍人)のみに任せるのは危険である」と述べるクラウゼヴィッツ(第8編「戦争計画」の中にあります)はシビリアンコントロールの原点とまで仰っていました。

ともあれ、こんなに深く洞察されている方には大変申し訳なく思います。
まあ、本編でも書いていますが、あくまで興味を持っていただく導入部で、この先は皆さんが掘り下げて頂ければ、と思っている次第です。

本当にありがとうございました。
[一言]
騎兵の種類について、非常に勉強になりました。作者様の知識と労力に敬意と感謝を捧げます!!
  • 投稿者: 主(ぬし)
  • 23歳~29歳 男性
  • 2015年 05月02日 14時34分
主 様

お読み頂きありがとうございます。
あくまでも、ほんの「さわり」ですので、詳細はお調べくださいね。
騎兵は歴史が長いので、本当に興味が尽きません。

今後ともご贔屓に!
[良い点]
こちら側の更新は、お久しぶりです。
米国は、資源、工業力も軍隊もチートなくらい最強なので、相手に先に撃たせて戦争に入る事が出来ます。
古くはアラモの砦、これなぞは相手の国へ侵略したあげくの不法潜入ですが国内向けのスローガンは大成功。
中東戦争も、衛星でクウエート侵攻の状況を知っていたあげく、事前にとめるのではなく、危険の無い一発を撃たせました。 そんな歴史もよく判るお話しでした。
  • 投稿者: 五反田猫
  • 男性
  • 2015年 04月22日 07時21分
五反田猫 様
お久しぶりでございます。
この更新は「半」更新と言ったところで、本格再始動ではありません。どうも気軽に「軍事」を語るのを躊躇するご時世なんですよね。次は全く分かりません。

それはそれとして、仰る通りアメリカさんは国民に対して必ず「正義」の側との立ち位置を示し、「やむを得ず」の付箋付きでないと戦争が出来ないので、かなり明け透けとなるケースが多いですよね。
この押しの強さがなりを潜めていることで、最近はイロイロアメリカさんにとって都合の悪いことが多発するのでしょう。

と、言うことで、今暫くは「モルトケの功罪」を頑張ることとなりそうです。
それにしても、良い季節になりました。健やかにお過ごし下さい。
[良い点]
軍事のさわりが分かりやすく解説されているのが良いですね。下手に「戦術と指揮」を読むよりもまずはここを読んだほうが良いと思うくらいです。
[一言]
正直言って、日本陸軍についてあれこれ調べている身としては反論したいことが山ほどあります。日本陸軍に問題点が沢山あったのは事実ですが、些か単純化し過ぎではないかと思います。
じんつう 様

反論が沢山おありなのに「良い点」を上げて頂きましたこと、大変感謝致します。
じんつう様の懐の深さが身に染む次第です。私も感想を入れるときはこうありたい、と思いますね。ありがとうございます。

日本帝国陸軍に関しましては、個人的に「敗戦原因」の「一つ」と捉えております。あくまで「一つ」であり、海軍もそう、政治もそう、そして反論を覚悟で言わせて頂きましたら、当時の「世論」そして「マスコミ」もそう、つまりは「戦争の三位一体」が全てだと思っております。
その意味で批判的に捉えているわけですが、勿論、エセミリオタでもある個人としては軍人の中に人間として立派と思える人物もあり、戦闘の一部ではさすがと思わせる部分もあります。
確かに単純化し過ぎであり、その辺は敗戦に至った軍統帥部に居た一部有力者の「暴走と横暴」を憎む余り、組織も憎しになってしまっている…この点は申し訳ありません。
あと一つだけ
最後の陸軍大臣、下村定大将が昭和20年11月国会答弁した「陸軍の総括」に戦時の「呪縛」から解けた陸軍軍人の想い全てが現れている、と思います。

陸軍についてはミリオタを自称されない方で興味のある方は詳しくは調べていただき、(但し賛美一色の評論は避けて頂きたいと願いますが)みなさん各自のご判断を為されたらよろしいかと考える次第です。

どうもありがとうございました。
[良い点]
筆者様が仰っていた通りなろうのIf小説は“戦闘”を都合良く変更するだけですよね。
その社会の“根底”を“長い時間”をかけて、“当時”の技術のみで改善するのが何よりも戦争勝利の秘訣と何故問いただしたくなります。

[一言]
やっぱ貴族になったが未来がヤバかった が受けた理由はリアリティ(とんでもも入っているが)があったからですよね。

他小説の名前を出してすみません
あたごん 様

お読み頂きありがとうございます。

「後知恵なら何でも言えるけど」の章、ですよねえ……

いや、アレ以上は言いませんよ、口が裂けてもww

私は、「他人様にご迷惑を掛けない限り人様の趣味をトヤカク言うことなどどんな人間にも権利はない」との某作家氏の意見に賛成する者でございます。
ただ、純粋に「筋が通った」モノが読みたいとの一読者のつぶやきにございますw

今後ともよろしくご贔屓に!
[良い点]
こんな読み物があるとは「なろう」はやはり恐ろしい。

私もにわかですが戦史、軍事史スキー(戦況地図とか見て色々妄想したり)なんでそういった書籍やWEBでもそんな情報を漁ったりするのが趣味なんですけど、時折「分かんね」などと自分の理解力を恨みつつ格闘しつつあったんですね。

そんなもやもやしたものを、この作品はたいへん分かりやすく読み砕いて下さっています。抽象的な言い方ですけど「ああ、そういうことなんだ!」ってすっと理解出来るようになったのです。クラウゼヴィッツとリデル=ハートの項が特に良いです。

軍事学入門として非常に優れていると同時に、「歴史としての戦争、あるいは軍事」の講談物語としても面白く読める。素晴らしい手腕でございます。
[一言]
第一部を読んで、「何で俺は平和主義者(自称)が嫌いなんだろうな」ってずっと思ってた疑問が氷解しました。
要するにかれらは「当事者意識のない理想主義者」なのだと。この文章に出会えただけでも、私にとって価値のある作品です。


以下は差し出がましい要求なのですが……
出来れば、参考文献などを明示して頂けないでしょうか?
塩 様

ご感想ありがとうございます。
何か同じ匂いがしますねw
私も戦場地図や戦闘序列を眺めてご飯三杯は行ける口です。

何度も書いておりますが、どうも理想だけで平和を語り、表層的に軍事を悪とする風潮が「逆に危ない」気がして、こんな駄文を書いて見たのです。
単なる趣味の延長に過ぎませんし、本格的な方々やプロの方々から見れば、誤解や間違いだらけと言うことも分かっております。
一度、キチンと書いて有料化若しくは出版すれば?とも打診されましたが、お断りしました。
知人にプロの作家さんがおりますが、涼しい顔wしていながら、血ヘドを吐く思いで出筆しているはずなのです。それは無理だなあ、とw

まあ、そういうことで、シロートの無料なので余り鋭い突っ込みは、と甘えております。

本当ならキチンと出典を記載し、ご苦心されて出版若しくはネットで発表された作者、研究者の方々に敬意を表しお礼申し上げるべきなのでしょうが、白状すれば、私の記憶も定かでなく、記憶とネット頼りに書き流しましたので、はっきりしていないのが現実です。
申し訳なく。

まあ、サンケイの赤表紙本から軍事に興味を持った人間ですので、余り学術的ではない、ということで勘弁して頂けましたら。

そろそろ、再開しても良いかな、とも思っておりますが、今は「姉妹編」の「モルトケ」に没頭しておりますので、まったり書かせて頂けましたら。

ありがとうございました。今後とも宜しくご贔屓に。


[一言]
ランチェスターの法則、初めて聞きましたが見れば見るほど現実的ではないと、思いました。

思うところ、この公式は戦果を予想、予測するのではなく
戦果から武器性能差を見極めるのに使う方が現実的な気がします。

工場マン 様

お読み頂きありがとうございます。

ランチェスターの法則は余りにも単純に見えますし、前提となる条件が「機械的」にも見えます。
ランチェスターさんは「方程式」ではなく統計の積み上げと「経験則」より導いた感がありますので、仰る通り空想的にも見えて来るというものです。

現実には「戦場の霧」や「摩擦」、人間の過誤もあるわけで、簡単に数式一つで戦果を予測しようとしても難しいわけです。

この「公式」は戦闘の効果を「科学的」「分析的」に考察するきっかけとなり、「オペレーションズリサーチ」に繋がるという功績を残した、との評価で良いのでしょうね。
[気になる点]
軍事とか書かれている癖に「孫子」について全く触れられていない点。
[一言]
軍事と言っている以上、孫子についても語るべきでしょう常識的に考えて。
  • 投稿者: ssk
  • 2014年 10月06日 12時11分
ssk様
ご感想ご指摘ありがとうございました。
そーですよね、孫武や孫臏を出さないのは「非常識」でしたねw
孫子の兵法をリスペクトしていたリデル=ハートさんを駆け足で紹介した流れで書けばよかったんでしょうが、時機を逸してしまいました。
いつかチャレンジしたいですねぇ……何時になるかわかりませんが。
[良い点]
 人類の溜め込んだ複雑怪奇な戦争のノウハウが、素人にも解りやすく示されている。
[一言]
 嗚呼、もっと若い時期にこういうテキストに巡り会いたかった。
 不惑の手習いですが、とても勉強になります。

(まぁ、この知識が役に立つのは不幸な時代でしょうがw)
  • 投稿者:
  • 40歳~49歳 男性
  • 2014年 09月23日 19時08分
鴨 様

 お読み頂き誠にありがとうございます。
 お褒めの数々、感激しております。

 このテキストを書いて後、情勢は目まぐるしく変化しており、リアルタイムに記述した部分は、既に形骸化してしまったものすらあります。
 その最たるものは、「平和ボケ」と言う部分で、既に国にどんな危機が取り巻いているか、を理解しようとする方が増えたようにも思えます。イケガミさんが人気なのもその点が大きいのでしょうね。
 逆に、左右両側で煽り立てる方々も増えており、その「お先棒担ぎ」は沢山(実際感想でも煽ろうとされた方もいましたが)との思いからこの先を書くことを断念してまいりました。

 ゆっくりと、ですがその状況も変化しています。
 この先、日中首脳会談が行われ(これでおのずと日韓も進行します)、日露関係や中東情勢も米国主導とは一線を画す外交が見られれば、
 そしてこれが大きいのですが、国内でもヘイトスピーチを抑制する何がしかの方策が採られ、やたらと目立つ政府大臣(それから政府系論者)からの「煽り」発言がなければ、この先を少し書いてもよいのかな、とも思います。

 私は何度も言いますが、自己満足の発言や主張により、黙っているその他大勢の方々の想いを踏みにじったり、間違った方向へ(極端な愛国や極端な賤国。この論理はISISにも通じるものがあります)向けようと画策することが大嫌いですので。

 またまた余計なことで感想を濁らせてしまいましたこと、お詫びいたします。
 仰る通り、私もこういう知識が趣味の世界や教養で終わるよう、切に祈る一人です。

これからもよろしくお願い申し上げます。
[一言]
(´・ω・`)この文才と知識がうらやましい。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2014年 07月09日 20時48分
管理
パルメ・スィルク様

お読みいただきありがとうございます。

お褒め頂くとどこまでも舞い上がる筆者がおりますw

今後ともよろしくご贔屓を。
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