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[気になる点]
故人系ヒロインが好きだからヴァルキリーが別人なのが悲しい
B3がハッピーエンドで終われば理想だった
故人系ヒロインが好きだからヴァルキリーが別人なのが悲しい
B3がハッピーエンドで終われば理想だった
エピソード474
ご感想ありがとうございます。
B3ハッピーエンドはある意味理想的ではあるのですがそうなると本編がそのままバッドになってしまうので必要な不幸ルートということに。
とはいえそこには確かに幸福もあったので魔王にとってもヴァルキリーにとってもビターな結末になりました。
この物語の中では。
B3ハッピーエンドはある意味理想的ではあるのですがそうなると本編がそのままバッドになってしまうので必要な不幸ルートということに。
とはいえそこには確かに幸福もあったので魔王にとってもヴァルキリーにとってもビターな結末になりました。
この物語の中では。
- 海蛇
- 2022年 08月28日 17時09分
[一言]
めっちゃ面白かったです!読みやすくて3日で読み終わりました笑
めっちゃ面白かったです!読みやすくて3日で読み終わりました笑
エピソード474
ご感想ありがとうございます。
楽しんでいただけて何よりです。
作者冥利に尽きます。
楽しんでいただけて何よりです。
作者冥利に尽きます。
- 海蛇
- 2022年 04月14日 02時36分
[一言]
一気読途中にて
カルバーンがちょいちょいポンコツなのはカルバーンだからなのか、魔族だからこそそういう所があるからなのか判断に迷う所がありますね(笑)
9章2-1で、魔王の先導が無ければ軍が纏まらないって答えじゃあないか。戦争中に纏まらなければ滅んでお終いないし、大きく衰退する事は予想がつく事なはず。纏めてから戦争好きとは……。
いや、纏めてるなら抑えられると思ってるのか……?
そもそもカルバーンが魔族について無理解な可能性もあるのか。うーむ。
一気読途中にて
カルバーンがちょいちょいポンコツなのはカルバーンだからなのか、魔族だからこそそういう所があるからなのか判断に迷う所がありますね(笑)
9章2-1で、魔王の先導が無ければ軍が纏まらないって答えじゃあないか。戦争中に纏まらなければ滅んでお終いないし、大きく衰退する事は予想がつく事なはず。纏めてから戦争好きとは……。
いや、纏めてるなら抑えられると思ってるのか……?
そもそもカルバーンが魔族について無理解な可能性もあるのか。うーむ。
ご感想ありがとうございます。
カルバーンは姉と比べて自分に正直な部分があるので、ところどころポンコツに見える部分もあるかも知れませんね。
カルバーン自身はかなり早い段階で人間世界に来てしまったので、魔界に関しては魔王城内という狭い世界の事しか理解しておらず、割と世間知らずだったりします。
モノの見方という意味では人魔併せても希少などちらの視点にも立てる人物なんですけどね。
カルバーンは姉と比べて自分に正直な部分があるので、ところどころポンコツに見える部分もあるかも知れませんね。
カルバーン自身はかなり早い段階で人間世界に来てしまったので、魔界に関しては魔王城内という狭い世界の事しか理解しておらず、割と世間知らずだったりします。
モノの見方という意味では人魔併せても希少などちらの視点にも立てる人物なんですけどね。
- 海蛇
- 2017年 10月24日 20時05分
[気になる点]
結局魔王の妻になったのは塔のメンバー全員とアンナなら、そしたらショコラの第三王女も?
あとカリバーンってエピローグ後どういう立場になったのですか?
[一言]
ちょっとした疑問です
別に考えてないのなら考えてないでも構いません
もしあるのなら、ほのぼのとしているであろう魔王の家庭を読みみたいです
結局魔王の妻になったのは塔のメンバー全員とアンナなら、そしたらショコラの第三王女も?
あとカリバーンってエピローグ後どういう立場になったのですか?
[一言]
ちょっとした疑問です
別に考えてないのなら考えてないでも構いません
もしあるのなら、ほのぼのとしているであろう魔王の家庭を読みみたいです
楽園の塔の全員なのでもともとハーレム要員のミーシャやアーティなども含めですね。
カルバーンはそのまま魔王城に戻り、アンナと二人、ラミア没後の混乱した魔族世界をまとめるお手伝いをしつつ、アンナにべたべたしたりアルル・エルゼと喧嘩したりヴァルキリーに窘められたりします。
時々エルフィリースを遠くから見守りながらも、大人になった彼女は自分なりの居場所を見つけるのです。
折角のご要望で申し訳ないですが、残念ながら本編の直接的な続編(というか番外編?)は用意がないのでご期待には沿えないものと。
妄想で考える位はしてましたが、完結しましたしね。
カルバーンはそのまま魔王城に戻り、アンナと二人、ラミア没後の混乱した魔族世界をまとめるお手伝いをしつつ、アンナにべたべたしたりアルル・エルゼと喧嘩したりヴァルキリーに窘められたりします。
時々エルフィリースを遠くから見守りながらも、大人になった彼女は自分なりの居場所を見つけるのです。
折角のご要望で申し訳ないですが、残念ながら本編の直接的な続編(というか番外編?)は用意がないのでご期待には沿えないものと。
妄想で考える位はしてましたが、完結しましたしね。
- 海蛇
- 2017年 03月23日 23時07分
[良い点]
完成度が高くて一気見しています。
[一言]
まだ途中ですが、タイトル 【趣味人な まおー(魔王)】という事なんですよね。【趣味人 なまおー(固有名詞)】という感じに思ってました。
完成度が高くて一気見しています。
[一言]
まだ途中ですが、タイトル 【趣味人な まおー(魔王)】という事なんですよね。【趣味人 なまおー(固有名詞)】という感じに思ってました。
- 投稿者: 謎
- 2017年 03月18日 20時55分
ご感想ありがとうございます。
仰る通りタイトルは「趣味人な魔王」を崩した読みにしたものです。
なまおーではありません。それはそれで面白そうですが。
仰る通りタイトルは「趣味人な魔王」を崩した読みにしたものです。
なまおーではありません。それはそれで面白そうですが。
- 海蛇
- 2017年 03月19日 23時47分
[一言]
いつもご丁寧にありがとうございます。本当に印象深い物語と世界観で、最近は暇さえあれば思い起こして考えたりしてしまいます。さすがに自分でもしつこいかと反省していますが、もう少しおつきあいいただければ。
>まあ、仮に天魔二人がいなかったとしても、アンナの場合は少数派の世界だからなかったことにされてアウト。
>カルバーンは『魔王』だけど権限の存在を知らず、多数派の世界ではエルゼ一人が『魔王』という事になっている為、どの道カルバーンもアウト。
なるほどです。そういえばアンナとカルバーンが生まれる世界も少数派なんですね。作中、「多数派の世界」が具体的にどういう経緯をたどるのかってあまり詳しく説明されていない気がします。
とりあえず伯爵とヴァルキリーが即離脱することだけはわかります。それと、伯爵もレーズンも介入しなければエルフィリースは普通にバルトハイムのミーシャ・“マリー”(ショコラのミーシャの憧れの祖先でしたか)によって助かることも知っていますが、レーズンが介入しないのが多数派とは限らないので、多数派でエルフィリースが助かるかどうかもよくわかりません。エルフィリースが追われるシーンで「そこは彼女が新たな命を産み落とした場所」と書かれるのは作中すべての世界で共通しているので、アンナデュオラの誕生までは多数派で確定でしょうか。
そういえばまた疑問に気がつきました。11章#4-3で、アンナデュオラとアンナスリーズの命名の由来は、エルフィリースの義理の姉アンナロッテにちなんで二番目・三番目だからだと明らかになります。エルリルフィルスとなって最初の子どもアンナスリーズが生まれるとき、彼女にはエルフィリースとしての記憶はないはずですが、どうして「三番目」として名づけたのでしょう? これも何か深い理由があるのでしょうか。
>本編の伯爵たちが自分達のいる世界を多数派の世界として複製した場合は、多数派の歴史として外部の世界でも認知されますので、外の世界的には「伯爵はシャルムシャリーストークにいる」という認識になる為、シャルムシャリーストークにいる方の伯爵が優先され、外の世界の伯爵は消滅します(歴史の上でその期間外にはいなかったことになる)。
ご説明を聞いて思い出しました。そういえばパトリオットの企みってそういうことでしたね。
しかし考えてもみればこれって大変なことではありませんか? 16世界的には存在している伯爵がいるのに、シャルムシャリーストークという16分の1の世界の中で伯爵の消滅が多数派になれば外の世界でも消滅するというのは。
それではシャルムシャリーストークが16世界の中で何か特権的な立場にあるように思えます。シャルムシャリーストークはあくまで川の中流にある、「多重構造」である以外には特に変哲のない一世界でしたよね。その中で多数派になったからといってあくまで16分の1の中での話なのに、それより上位(メタ)な次元である16世界での存在の有無に影響するのは不思議なような? それともシャルムシャリーストークは、レゼボアやハーニュートや鈴街にいるかもしれない伯爵に影響を及ぼせるような特別な世界なのでしょうか。
もうひとつ「多数派の法則」そのものに関して新たな不思議があります。「平均値」をとるという操作にはかなり難しいところがあります。
まず私自身の勘違いを防ぐのも兼ねて8章#2-3の記述を確認しますと、「外から見た場合、一つ一つの世界がどんなであるかが分かるのではなく、『平均値として存在する世界』が見えるようになっている」、そして外に出ると「元々いた世界の記憶や経験がそのまま残るのではなく、『全ての世界の平均値の行動と結末』が世界の外に出た際のその人の記憶や経験となる」と書かれています。
つまり外からは「平均値」が見えて、その平均というのは生き死にという大きな状態だけではなく、「記憶や経験」も含めたあらゆる歴史・経歴が「平均」されることがわかります。
そこでこれはひとつの思考実験なのですが、いま仮にシャルムシャリーストークが三つの平行世界からなるものとします(もちろんもっと多くても同じ議論が成り立ちますが、単純化のため)。これを世界A,B,Cと名づけます。
また直近のご返信も踏まえて「創造される側の存在」として、人間でも亜人でも魔族でもかまいませんがとにかく三人の人物a,b,cが、どれも三つの世界すべてに存在するものとします。
そして、世界Aではaさんが何らかの動機からbとcの二人を殺してしまうとします。さらに世界Bではbさんがaとcを、世界Cではcさんがaとbを殺すとします。この事件が起きた後、シャルムシャリーストーク全体ではaさんは3分の1の世界Aでしか生きていないので、平均的(つまり外から見た場合)には死んでいます。bさんもcさんも同様ですから、「平均的シャルムシャリーストーク」では三人全員が死ぬことになります。しかし誰が全員を殺したのでしょう?
同時に殺した場合はまだしもなんとか理屈がつくかもしれませんが、この三つの事件が時間差で起こることにするとさらに不思議になります。
まず時点t1の世界Aでaさんがbとcを殺すとし、同じ時点の世界B,Cでは三人とも生きているとします。したがってこの時点の「平均=外部観測」では三人とも生きており、平均的aさんの記憶にも殺人の覚えはありません。
次にその後の時点t2に、世界Bでだけbさんがaとcを殺すとします。この時点になるとcさんは3分の2の世界で殺されるので「平均的」には死んでいます。しかし「平均的」にはaさんにもbさんにも殺人の記憶がありません(どちらも3分の1ずつなので)。ここで外部から観測をするとcさんはしっかり死んでいるのに誰が殺したかわからないことになります。
さらにその後の時点t3で、世界Cでは生き残っているcさんがaとbを殺すと、この時点でaとbの死も過半数の3分の2になって「平均的」には死にます。平均的世界ではすでに死んでいるはずの人間によって殺されて全員が死ぬことになります。これはいったいどうやって説明がつくのでしょう? 時点t3のシャルムシャリーストークを外部から観測しているとどんな光景が見えることになるでしょうか?
これだけ見ると私の屁理屈に思われるかもしれませんが、「どちらかがどちらかを殺す」という相互的構造があってその結末が異なる平行世界の割合が拮抗していれば起こりうるので、作中でもどこかで同じような事態が起きている可能性があります。
たとえば戦争のさなかに一般兵3人の戦いの結果が平行世界で異なるとか。メインキャラクターではあまり思いつきませんが、エルフィリースが教会兵に殺される世界と、生き残った「剣聖」エルフィリースがその相手を殺すというようなことがあるかもしれません。
突き詰めるとミステリーのネタになりそうですね。私が知らないだけでSFミステリーで既出かもしれませんが……。
いつもご丁寧にありがとうございます。本当に印象深い物語と世界観で、最近は暇さえあれば思い起こして考えたりしてしまいます。さすがに自分でもしつこいかと反省していますが、もう少しおつきあいいただければ。
>まあ、仮に天魔二人がいなかったとしても、アンナの場合は少数派の世界だからなかったことにされてアウト。
>カルバーンは『魔王』だけど権限の存在を知らず、多数派の世界ではエルゼ一人が『魔王』という事になっている為、どの道カルバーンもアウト。
なるほどです。そういえばアンナとカルバーンが生まれる世界も少数派なんですね。作中、「多数派の世界」が具体的にどういう経緯をたどるのかってあまり詳しく説明されていない気がします。
とりあえず伯爵とヴァルキリーが即離脱することだけはわかります。それと、伯爵もレーズンも介入しなければエルフィリースは普通にバルトハイムのミーシャ・“マリー”(ショコラのミーシャの憧れの祖先でしたか)によって助かることも知っていますが、レーズンが介入しないのが多数派とは限らないので、多数派でエルフィリースが助かるかどうかもよくわかりません。エルフィリースが追われるシーンで「そこは彼女が新たな命を産み落とした場所」と書かれるのは作中すべての世界で共通しているので、アンナデュオラの誕生までは多数派で確定でしょうか。
そういえばまた疑問に気がつきました。11章#4-3で、アンナデュオラとアンナスリーズの命名の由来は、エルフィリースの義理の姉アンナロッテにちなんで二番目・三番目だからだと明らかになります。エルリルフィルスとなって最初の子どもアンナスリーズが生まれるとき、彼女にはエルフィリースとしての記憶はないはずですが、どうして「三番目」として名づけたのでしょう? これも何か深い理由があるのでしょうか。
>本編の伯爵たちが自分達のいる世界を多数派の世界として複製した場合は、多数派の歴史として外部の世界でも認知されますので、外の世界的には「伯爵はシャルムシャリーストークにいる」という認識になる為、シャルムシャリーストークにいる方の伯爵が優先され、外の世界の伯爵は消滅します(歴史の上でその期間外にはいなかったことになる)。
ご説明を聞いて思い出しました。そういえばパトリオットの企みってそういうことでしたね。
しかし考えてもみればこれって大変なことではありませんか? 16世界的には存在している伯爵がいるのに、シャルムシャリーストークという16分の1の世界の中で伯爵の消滅が多数派になれば外の世界でも消滅するというのは。
それではシャルムシャリーストークが16世界の中で何か特権的な立場にあるように思えます。シャルムシャリーストークはあくまで川の中流にある、「多重構造」である以外には特に変哲のない一世界でしたよね。その中で多数派になったからといってあくまで16分の1の中での話なのに、それより上位(メタ)な次元である16世界での存在の有無に影響するのは不思議なような? それともシャルムシャリーストークは、レゼボアやハーニュートや鈴街にいるかもしれない伯爵に影響を及ぼせるような特別な世界なのでしょうか。
もうひとつ「多数派の法則」そのものに関して新たな不思議があります。「平均値」をとるという操作にはかなり難しいところがあります。
まず私自身の勘違いを防ぐのも兼ねて8章#2-3の記述を確認しますと、「外から見た場合、一つ一つの世界がどんなであるかが分かるのではなく、『平均値として存在する世界』が見えるようになっている」、そして外に出ると「元々いた世界の記憶や経験がそのまま残るのではなく、『全ての世界の平均値の行動と結末』が世界の外に出た際のその人の記憶や経験となる」と書かれています。
つまり外からは「平均値」が見えて、その平均というのは生き死にという大きな状態だけではなく、「記憶や経験」も含めたあらゆる歴史・経歴が「平均」されることがわかります。
そこでこれはひとつの思考実験なのですが、いま仮にシャルムシャリーストークが三つの平行世界からなるものとします(もちろんもっと多くても同じ議論が成り立ちますが、単純化のため)。これを世界A,B,Cと名づけます。
また直近のご返信も踏まえて「創造される側の存在」として、人間でも亜人でも魔族でもかまいませんがとにかく三人の人物a,b,cが、どれも三つの世界すべてに存在するものとします。
そして、世界Aではaさんが何らかの動機からbとcの二人を殺してしまうとします。さらに世界Bではbさんがaとcを、世界Cではcさんがaとbを殺すとします。この事件が起きた後、シャルムシャリーストーク全体ではaさんは3分の1の世界Aでしか生きていないので、平均的(つまり外から見た場合)には死んでいます。bさんもcさんも同様ですから、「平均的シャルムシャリーストーク」では三人全員が死ぬことになります。しかし誰が全員を殺したのでしょう?
同時に殺した場合はまだしもなんとか理屈がつくかもしれませんが、この三つの事件が時間差で起こることにするとさらに不思議になります。
まず時点t1の世界Aでaさんがbとcを殺すとし、同じ時点の世界B,Cでは三人とも生きているとします。したがってこの時点の「平均=外部観測」では三人とも生きており、平均的aさんの記憶にも殺人の覚えはありません。
次にその後の時点t2に、世界Bでだけbさんがaとcを殺すとします。この時点になるとcさんは3分の2の世界で殺されるので「平均的」には死んでいます。しかし「平均的」にはaさんにもbさんにも殺人の記憶がありません(どちらも3分の1ずつなので)。ここで外部から観測をするとcさんはしっかり死んでいるのに誰が殺したかわからないことになります。
さらにその後の時点t3で、世界Cでは生き残っているcさんがaとbを殺すと、この時点でaとbの死も過半数の3分の2になって「平均的」には死にます。平均的世界ではすでに死んでいるはずの人間によって殺されて全員が死ぬことになります。これはいったいどうやって説明がつくのでしょう? 時点t3のシャルムシャリーストークを外部から観測しているとどんな光景が見えることになるでしょうか?
これだけ見ると私の屁理屈に思われるかもしれませんが、「どちらかがどちらかを殺す」という相互的構造があってその結末が異なる平行世界の割合が拮抗していれば起こりうるので、作中でもどこかで同じような事態が起きている可能性があります。
たとえば戦争のさなかに一般兵3人の戦いの結果が平行世界で異なるとか。メインキャラクターではあまり思いつきませんが、エルフィリースが教会兵に殺される世界と、生き残った「剣聖」エルフィリースがその相手を殺すというようなことがあるかもしれません。
突き詰めるとミステリーのネタになりそうですね。私が知らないだけでSFミステリーで既出かもしれませんが……。
多数派の世界が辿る道筋に関してはこちらの本編では説明しておりませんが、現在メインで連載中の作品「ネトゲの中のリアル」に一部設定として「裏設定的なもの」にて説明しております。
端的に説明するならば、多数派世界とはつまり「レーズンもパトリオットも伯爵も干渉していない歴史」になります。
干渉された世界は滅亡しますが、これが多数派になるとパトリオットの目的が達成される為、パトリオットの目的が達成されていない=上記の三人が干渉しない世界がまだ多数派である という事になります。
そういう意味では、伯爵たちが残ってしまった世界はその時点で少数派扱い。
つまり、多数派世界においてはそもそもエルフィリースは存在しません(タルトが来るというのはレーズンとパトリオットの干渉による為)。
この為、本編で登場した彼女の血筋の娘たちは全員が母親、あるいは両親ともが違う状態で生まれます。
タルト自身は同じようにアップルランドの皇女として生まれますが、エルフィリースを祖とするエリーシャの家系はアンナロッテの血筋に変わります。
エルリルフィルスがエルフィリース時代の記憶を失っていたにもかかわらずアンナスリーズと名付けたのは、とても説明が難しいですが「なんとなく」というのが一番解りやすいでしょうか。
何もかも忘れているはずなのになんとなくそう名付けた、無意識下で自然とそう名付けてしまった、というロマン的な何かですね。
身体は忘れていても心はところどころ覚えている的な。
別世界のエルフィリースがエリーシャの事を覚えていないのにその死に涙するのもそういった無意識下の何かが元になっています。
シャルムシャリーストークが特別扱いされた結果他の世界に影響を及ぼすというよりは、16世界全体で見て最も矛盾がない状態が優先されるものと思っていただければ幸いです。
強いて言うならば重要なのは順番です。
「今そこにいる人」が「いったいどこを通り」「どのようにしてそこにいるのか」。
この統合性が取れないと、矛盾した方は消えてしまうのです。
『16世界のある世界』という大きな世界視点で見た場合、「今外にいる伯爵」というのは「かつてシャルムシャリーストークにいてすぐに外に出た伯爵」という扱いですので、仮に「すぐに外に出なかった伯爵」が多数派だった場合、そもそも「今外にいる伯爵」は矛盾した存在になる訳です。
そのケースでの多数派の歴史=正史 では「伯爵はまだシャルムシャリーストークにいる」事になっていますので、「外の世界には伯爵はいない」と認識されます。
この為少数派の伯爵が外に出ても、多数派の伯爵が中にいたならば、中にいる方が優先され、外に出た方は消えてしまうのです。
だって、その状態では、16世界は中にいる方の伯爵だけを認識しているのですから。
貴方がおっしゃる通りに、『平均値を取ろうとすると矛盾してしまう状況』が生まれると、そこには矛盾した世界が生まれてしまいますが、それは『16世界のある世界』視点では統合性が取れない状況になる為、別の基準で選別、あるいは修正されることになります。
ゲームのセーブデータなどを想像してみていただければ解りやすいかも知れません。
詰んだらセーブデータをロードして戻るのと同じで、手に負えない状況になったら手に負える状況まで戻って、その後の行動を変えてしまうのです。
「そもそもそんな三人はいなかった」となったり「三人は殺し合いをしなかった」という具合に。
本来存在しないはずの四人目が登場する展開もあるかもしれません。
状況によりその辺りは変わってきます。
最終的には「そんな世界なかった」になりますが。世界滅亡です。
このような状況が生まれないように神々や熾天使、『魔王』などは自分のいる世界には常に目を光らせ、必要とあらば干渉する為、原則『創造する側の存在』がいる世界ではこのような矛盾は生まれません。
生まれてもほぼ力技で正常な状態に戻されます。
多分。きっと。
端的に説明するならば、多数派世界とはつまり「レーズンもパトリオットも伯爵も干渉していない歴史」になります。
干渉された世界は滅亡しますが、これが多数派になるとパトリオットの目的が達成される為、パトリオットの目的が達成されていない=上記の三人が干渉しない世界がまだ多数派である という事になります。
そういう意味では、伯爵たちが残ってしまった世界はその時点で少数派扱い。
つまり、多数派世界においてはそもそもエルフィリースは存在しません(タルトが来るというのはレーズンとパトリオットの干渉による為)。
この為、本編で登場した彼女の血筋の娘たちは全員が母親、あるいは両親ともが違う状態で生まれます。
タルト自身は同じようにアップルランドの皇女として生まれますが、エルフィリースを祖とするエリーシャの家系はアンナロッテの血筋に変わります。
エルリルフィルスがエルフィリース時代の記憶を失っていたにもかかわらずアンナスリーズと名付けたのは、とても説明が難しいですが「なんとなく」というのが一番解りやすいでしょうか。
何もかも忘れているはずなのになんとなくそう名付けた、無意識下で自然とそう名付けてしまった、というロマン的な何かですね。
身体は忘れていても心はところどころ覚えている的な。
別世界のエルフィリースがエリーシャの事を覚えていないのにその死に涙するのもそういった無意識下の何かが元になっています。
シャルムシャリーストークが特別扱いされた結果他の世界に影響を及ぼすというよりは、16世界全体で見て最も矛盾がない状態が優先されるものと思っていただければ幸いです。
強いて言うならば重要なのは順番です。
「今そこにいる人」が「いったいどこを通り」「どのようにしてそこにいるのか」。
この統合性が取れないと、矛盾した方は消えてしまうのです。
『16世界のある世界』という大きな世界視点で見た場合、「今外にいる伯爵」というのは「かつてシャルムシャリーストークにいてすぐに外に出た伯爵」という扱いですので、仮に「すぐに外に出なかった伯爵」が多数派だった場合、そもそも「今外にいる伯爵」は矛盾した存在になる訳です。
そのケースでの多数派の歴史=正史 では「伯爵はまだシャルムシャリーストークにいる」事になっていますので、「外の世界には伯爵はいない」と認識されます。
この為少数派の伯爵が外に出ても、多数派の伯爵が中にいたならば、中にいる方が優先され、外に出た方は消えてしまうのです。
だって、その状態では、16世界は中にいる方の伯爵だけを認識しているのですから。
貴方がおっしゃる通りに、『平均値を取ろうとすると矛盾してしまう状況』が生まれると、そこには矛盾した世界が生まれてしまいますが、それは『16世界のある世界』視点では統合性が取れない状況になる為、別の基準で選別、あるいは修正されることになります。
ゲームのセーブデータなどを想像してみていただければ解りやすいかも知れません。
詰んだらセーブデータをロードして戻るのと同じで、手に負えない状況になったら手に負える状況まで戻って、その後の行動を変えてしまうのです。
「そもそもそんな三人はいなかった」となったり「三人は殺し合いをしなかった」という具合に。
本来存在しないはずの四人目が登場する展開もあるかもしれません。
状況によりその辺りは変わってきます。
最終的には「そんな世界なかった」になりますが。世界滅亡です。
このような状況が生まれないように神々や熾天使、『魔王』などは自分のいる世界には常に目を光らせ、必要とあらば干渉する為、原則『創造する側の存在』がいる世界ではこのような矛盾は生まれません。
生まれてもほぼ力技で正常な状態に戻されます。
多分。きっと。
- 海蛇
- 2017年 03月18日 02時06分
[一言]
こちらこそ、さっそくのご返信をありがとうございます。
>アンナデュオラの父親は作中には全く出ていません。
>おまけでは済まないほど内容が長くなりそうだし時期的に蛇足感が半端ないのでやめた為ただの裏設定と化しました。
私の読み飛ばしかと危惧していましたが、本当に謎のままだったのですね。
この作品はこの作品で綺麗にまとまっていると思うのでおっしゃるとおり蛇足になってしまうかもしれませんが、どこかでエルフィリース編も見てみたいものです。
>カルバーンは黒竜翁とエルリルフィルスの娘ですね。黒竜姫と双子です。
>こちらの本編では細かくは明記していませんが、この物語の軸になっている世界は生まれる際に肉体に宿る魂が同じなら親が誰だろうと同じ顔になるように生まれるため、生まれるタイミング次第では両親が全く違うはずの娘が似た容姿になってしまうのです。
アンナスリーズとカルバーンの父親はアルドワイアルディでなく黒竜翁のほうでしたか。3章#7-2で、エルリルフィルスが「その美しさ、強さから魔王アルドワイアルディに見初められる事となる」とあったので、そういうことなのかと勘違いしていました。アルドワイアルディと黒竜翁は確か兄弟でしたよね。3章#7-1に「女好きで性欲に溺れがちな彼の兄と比べ、アルドワイアルディは〜」とあった兄が黒竜翁なのだと解釈しています。
そして顔の容貌が魂依存という設定があったとは意外でした。ということは本編の世界のアンナスリーズ・カルバーンと、ヴァルキリーを選んだ世界(11章3Bにちなんで世界Bとします)で生まれる天魔アリス・エリステラは、まったく同一のタイミングで生まれて同じ魂が入っているということなんですね。
ところで天魔の姉妹は本編の世界には来ておらず(アンナスリーズ・カルバーンと同じ魂なのでそもそも来られないのでしょうが)、「世界の外に逃がした」(#3C-2)あと外の世界の伯爵たちのもとに行った(#ED-3)と書かれていました。
今新たに気がついたのですが、ヴァルキリーを選び子どもまで作るという世界Bがもし少数派だったとしたら、逃がした時点で子どもたちが消えてしまった可能性もあったのではないでしょうか?
8章#2-3に「その世界で死んでしまったというケースが全体の平均かそれより多ければ、例外的な世界で生き延びたその人が外に出たとしても、やはり死んだという結果のみが反映される」という説明があります。
多数派の世界で伯爵とヴァルキリーはシャルムシャリーストークに訪れてすぐ「いやな予感」によって脱出し、二人の関係は変化しないままなので天魔の姉妹は生まれません。実際、11章#ED-3で「作った覚えのない娘二人に付きまとわれる事になる」と言われています。そうすればもちろん平均値としては存在しないものになるはずで、外に出た瞬間に存在がなくなってしまいそうです。天魔の姉妹はなぜ大丈夫だったのでしょう?
結果的には世界Bは滅びるので逃がす必要自体はあったわけですが、ドッペルゲンガーとの最終決戦前に「万一を考えて、娘達を『外』に逃がして」(#3B-3)しまう判断は怪しい気もします。#ED-3で「私達は、少数派だった……?」と言っているとおり、ヴァルキリーは外の世界あるいは平均値を観測できないことも判明していますし。
この世界の多数派の法則というのはとてもおもしろく設定に興味があります。私は不勉強なのでもしかしたら元ネタがあってSFなどではありきたりなのかもしれませんが……。面倒かとは存じますがおつきあいいただけたら幸いです。
これって要するにマクロな系でも状態が確率的な重ね合わせになっているというシュレディンガーの猫そのものですよね。16世界の側から見たシャルムシャリーストークが「箱」で、中にいる伯爵たちが「猫」、そしてそれが外に飛び出した時点で「観測」されて生死を含めたあらゆる状態が定まるという。「平均値」というところは違いますけれど。
難しく微妙な問題がいくつも生じそうです。上で指摘した天魔の姉妹の生存問題もそのひとつですが、仮にそれは解決されたとして、もし同じ魂をもつアンナスリーズやカルバーンが世界の外に旅に出たら何が起きるでしょうか? アリスとエリステラに統合されてしまうのでしょうか。
また、リーブラはもう本編世界のヴァルキリーたちは外に出られないというようなことを言っていましたが、たとえば伯爵たちが生き残り平和をも達成した本編世界を、すでにある平行世界と同じ数だけ複製して意図的に多数派にしてしまったらどうなるのでしょう(伯爵たちが外に出るために、あるいは女神か誰かがこの平和を成功例とみなして確定するためなど)。この場合は記憶を保ったまま出られることになるのでしょうか。そしてそのとき外の世界にいた伯爵たちは?
あるいは、一度外に出た「多数派」の伯爵が将来もし何らかの理由でシャルムシャリーストークに戻ってきたら何が起こるのでしょう(直後に出た「多数派」は『勇者』を諦めきれていないはずなので、他の世界をすべて探したあとやはりここしかないと確信するなどして)。はじめて入ったときは「『全ての世界に現れるその人』という形になり、全世界にその人が現れ」(8章#2-3)るという話ですが、戻ってきた場合もともと残留している本編世界の伯爵はどうなるのでしょうか。この場合も平均値への統合が起こってしまうのでしょうか。
こちらこそ、さっそくのご返信をありがとうございます。
>アンナデュオラの父親は作中には全く出ていません。
>おまけでは済まないほど内容が長くなりそうだし時期的に蛇足感が半端ないのでやめた為ただの裏設定と化しました。
私の読み飛ばしかと危惧していましたが、本当に謎のままだったのですね。
この作品はこの作品で綺麗にまとまっていると思うのでおっしゃるとおり蛇足になってしまうかもしれませんが、どこかでエルフィリース編も見てみたいものです。
>カルバーンは黒竜翁とエルリルフィルスの娘ですね。黒竜姫と双子です。
>こちらの本編では細かくは明記していませんが、この物語の軸になっている世界は生まれる際に肉体に宿る魂が同じなら親が誰だろうと同じ顔になるように生まれるため、生まれるタイミング次第では両親が全く違うはずの娘が似た容姿になってしまうのです。
アンナスリーズとカルバーンの父親はアルドワイアルディでなく黒竜翁のほうでしたか。3章#7-2で、エルリルフィルスが「その美しさ、強さから魔王アルドワイアルディに見初められる事となる」とあったので、そういうことなのかと勘違いしていました。アルドワイアルディと黒竜翁は確か兄弟でしたよね。3章#7-1に「女好きで性欲に溺れがちな彼の兄と比べ、アルドワイアルディは〜」とあった兄が黒竜翁なのだと解釈しています。
そして顔の容貌が魂依存という設定があったとは意外でした。ということは本編の世界のアンナスリーズ・カルバーンと、ヴァルキリーを選んだ世界(11章3Bにちなんで世界Bとします)で生まれる天魔アリス・エリステラは、まったく同一のタイミングで生まれて同じ魂が入っているということなんですね。
ところで天魔の姉妹は本編の世界には来ておらず(アンナスリーズ・カルバーンと同じ魂なのでそもそも来られないのでしょうが)、「世界の外に逃がした」(#3C-2)あと外の世界の伯爵たちのもとに行った(#ED-3)と書かれていました。
今新たに気がついたのですが、ヴァルキリーを選び子どもまで作るという世界Bがもし少数派だったとしたら、逃がした時点で子どもたちが消えてしまった可能性もあったのではないでしょうか?
8章#2-3に「その世界で死んでしまったというケースが全体の平均かそれより多ければ、例外的な世界で生き延びたその人が外に出たとしても、やはり死んだという結果のみが反映される」という説明があります。
多数派の世界で伯爵とヴァルキリーはシャルムシャリーストークに訪れてすぐ「いやな予感」によって脱出し、二人の関係は変化しないままなので天魔の姉妹は生まれません。実際、11章#ED-3で「作った覚えのない娘二人に付きまとわれる事になる」と言われています。そうすればもちろん平均値としては存在しないものになるはずで、外に出た瞬間に存在がなくなってしまいそうです。天魔の姉妹はなぜ大丈夫だったのでしょう?
結果的には世界Bは滅びるので逃がす必要自体はあったわけですが、ドッペルゲンガーとの最終決戦前に「万一を考えて、娘達を『外』に逃がして」(#3B-3)しまう判断は怪しい気もします。#ED-3で「私達は、少数派だった……?」と言っているとおり、ヴァルキリーは外の世界あるいは平均値を観測できないことも判明していますし。
この世界の多数派の法則というのはとてもおもしろく設定に興味があります。私は不勉強なのでもしかしたら元ネタがあってSFなどではありきたりなのかもしれませんが……。面倒かとは存じますがおつきあいいただけたら幸いです。
これって要するにマクロな系でも状態が確率的な重ね合わせになっているというシュレディンガーの猫そのものですよね。16世界の側から見たシャルムシャリーストークが「箱」で、中にいる伯爵たちが「猫」、そしてそれが外に飛び出した時点で「観測」されて生死を含めたあらゆる状態が定まるという。「平均値」というところは違いますけれど。
難しく微妙な問題がいくつも生じそうです。上で指摘した天魔の姉妹の生存問題もそのひとつですが、仮にそれは解決されたとして、もし同じ魂をもつアンナスリーズやカルバーンが世界の外に旅に出たら何が起きるでしょうか? アリスとエリステラに統合されてしまうのでしょうか。
また、リーブラはもう本編世界のヴァルキリーたちは外に出られないというようなことを言っていましたが、たとえば伯爵たちが生き残り平和をも達成した本編世界を、すでにある平行世界と同じ数だけ複製して意図的に多数派にしてしまったらどうなるのでしょう(伯爵たちが外に出るために、あるいは女神か誰かがこの平和を成功例とみなして確定するためなど)。この場合は記憶を保ったまま出られることになるのでしょうか。そしてそのとき外の世界にいた伯爵たちは?
あるいは、一度外に出た「多数派」の伯爵が将来もし何らかの理由でシャルムシャリーストークに戻ってきたら何が起こるのでしょう(直後に出た「多数派」は『勇者』を諦めきれていないはずなので、他の世界をすべて探したあとやはりここしかないと確信するなどして)。はじめて入ったときは「『全ての世界に現れるその人』という形になり、全世界にその人が現れ」(8章#2-3)るという話ですが、戻ってきた場合もともと残留している本編世界の伯爵はどうなるのでしょうか。この場合も平均値への統合が起こってしまうのでしょうか。
アルドワイアルディと黒竜翁は兄弟ですね。
黒竜翁が兄です。兄弟揃ってエルリルフィルスに利用されました。
多重世界における多数派の歴史のルールは本来そこに住まう「創造される側の存在」(多くの人や魔族など)が影響を受けるルールです。
この為、『魔王』や熾天使、高位の神々、ごく一部の『魔王』に準ずる、ルールから逸脱した者(主には『魔王』クラスと呼ばれる実力者)などの「創造する側の存在」はルールによる束縛を受けずに済む権限を持っています。
作中のレーズンやパトリオットはこれにより影響を受けていません。
ただし、伯爵は『魔王』としての権限を持っているにもかかわらず行使しようとしない為影響を受けますし、ヴァルキリーのように堕天した天使は権限をはく奪されている為、この例に限りません。
(パトリオットがよくてそれより強いヴァルキリーがダメなのはこの為)。
また、作中のエレイソン、エレイソン死後のカルバーンとエルゼはいずれも『魔王』ですが、彼らは『魔王』としての世界に対しての権限の存在を知らず、権限を持っていても使えない状態になっている為、影響を受けます。
さて、ご質問の天魔二人のケースですが、この二人は単純に「創造する側の存在」なので影響を受けません。
二人が外に出ても無事なのはひとえにこの為で、仮にアンナとカルバーンが外に出た場合は、上記の理由が元で天魔二人の存在が優先される為、扱い的には「外の世界では認められなかった歴史の存在」という扱いになります。
まあ、仮に天魔二人がいなかったとしても、アンナの場合は少数派の世界だからなかったことにされてアウト。
カルバーンは『魔王』だけど権限の存在を知らず、多数派の世界ではエルゼ一人が『魔王』という事になっている為、どの道カルバーンもアウト。
本編の伯爵たちが自分達のいる世界を多数派の世界として複製した場合は、多数派の歴史として外部の世界でも認知されますので、外の世界的には「伯爵はシャルムシャリーストークにいる」という認識になる為、シャルムシャリーストークにいる方の伯爵が優先され、外の世界の伯爵は消滅します(歴史の上でその期間外にはいなかったことになる)。
これを利用しようとしたのがパトリオットで、伯爵がシャルムシャリーストーク諸共消滅した歴史を多数派にすることによって、リーシアのいない世界ではほぼ倒すことのできない伯爵の中の人を葬ろうと画策していたのです。
また、外に出た多数派の伯爵がシャルムシャリーストークに戻った場合ですが、こちらは『全ての世界に現れるその人』という状態になる為、もともとその世界にいた少数派の世界の伯爵は平均値に上書きされます。
いずれの場合もあくまで伯爵が権限を行使しようとしないという前提でこのようになるだけで、どちらか片方の伯爵が権限を行使した場合、その時点でそちらが外の世界的には認知されるようになります。
この場合、権限を行使した伯爵がいる世界が少数派・多数派の如何に限らず、その世界にのみ伯爵という権限を行使した『魔王』が存在する事になります。
『シュレディンガーの猫』の要素に関しては、昔からそういったものが好きだったのもあってよく自分の創作物に使えないか考えていた事もあり、設定として組み込んでみたものです。
作中にもあった『猫学』って奴ですね。
気付いてくれる方がいるのは驚きと共に嬉しくもあります。
ただ、その所為で設定がややこしくなっている感がいなめないのもつらいところです。
せめて説明が上手にできれば、あるいは作中できちんと解説できていれば読者の方にも優しい作風になれるのかもしれないのですが。
長い説明文になりましたが、ひとまずはこれにて。
黒竜翁が兄です。兄弟揃ってエルリルフィルスに利用されました。
多重世界における多数派の歴史のルールは本来そこに住まう「創造される側の存在」(多くの人や魔族など)が影響を受けるルールです。
この為、『魔王』や熾天使、高位の神々、ごく一部の『魔王』に準ずる、ルールから逸脱した者(主には『魔王』クラスと呼ばれる実力者)などの「創造する側の存在」はルールによる束縛を受けずに済む権限を持っています。
作中のレーズンやパトリオットはこれにより影響を受けていません。
ただし、伯爵は『魔王』としての権限を持っているにもかかわらず行使しようとしない為影響を受けますし、ヴァルキリーのように堕天した天使は権限をはく奪されている為、この例に限りません。
(パトリオットがよくてそれより強いヴァルキリーがダメなのはこの為)。
また、作中のエレイソン、エレイソン死後のカルバーンとエルゼはいずれも『魔王』ですが、彼らは『魔王』としての世界に対しての権限の存在を知らず、権限を持っていても使えない状態になっている為、影響を受けます。
さて、ご質問の天魔二人のケースですが、この二人は単純に「創造する側の存在」なので影響を受けません。
二人が外に出ても無事なのはひとえにこの為で、仮にアンナとカルバーンが外に出た場合は、上記の理由が元で天魔二人の存在が優先される為、扱い的には「外の世界では認められなかった歴史の存在」という扱いになります。
まあ、仮に天魔二人がいなかったとしても、アンナの場合は少数派の世界だからなかったことにされてアウト。
カルバーンは『魔王』だけど権限の存在を知らず、多数派の世界ではエルゼ一人が『魔王』という事になっている為、どの道カルバーンもアウト。
本編の伯爵たちが自分達のいる世界を多数派の世界として複製した場合は、多数派の歴史として外部の世界でも認知されますので、外の世界的には「伯爵はシャルムシャリーストークにいる」という認識になる為、シャルムシャリーストークにいる方の伯爵が優先され、外の世界の伯爵は消滅します(歴史の上でその期間外にはいなかったことになる)。
これを利用しようとしたのがパトリオットで、伯爵がシャルムシャリーストーク諸共消滅した歴史を多数派にすることによって、リーシアのいない世界ではほぼ倒すことのできない伯爵の中の人を葬ろうと画策していたのです。
また、外に出た多数派の伯爵がシャルムシャリーストークに戻った場合ですが、こちらは『全ての世界に現れるその人』という状態になる為、もともとその世界にいた少数派の世界の伯爵は平均値に上書きされます。
いずれの場合もあくまで伯爵が権限を行使しようとしないという前提でこのようになるだけで、どちらか片方の伯爵が権限を行使した場合、その時点でそちらが外の世界的には認知されるようになります。
この場合、権限を行使した伯爵がいる世界が少数派・多数派の如何に限らず、その世界にのみ伯爵という権限を行使した『魔王』が存在する事になります。
『シュレディンガーの猫』の要素に関しては、昔からそういったものが好きだったのもあってよく自分の創作物に使えないか考えていた事もあり、設定として組み込んでみたものです。
作中にもあった『猫学』って奴ですね。
気付いてくれる方がいるのは驚きと共に嬉しくもあります。
ただ、その所為で設定がややこしくなっている感がいなめないのもつらいところです。
せめて説明が上手にできれば、あるいは作中できちんと解説できていれば読者の方にも優しい作風になれるのかもしれないのですが。
長い説明文になりましたが、ひとまずはこれにて。
- 海蛇
- 2017年 03月16日 23時17分
[一言]
追記です。誤字脱字についてはいちいち指摘することは控えるつもりでしたが、全編を通して何度も出てきたもので気になった三つについてだけ述べさせてください。直すのも大変だと思いますから、今後役立てていただければ。
ひとつは「〜足りうる/足りえない」という言い方で、「脅威足りうる」「障害足り得ない」(いずれも1章#7-4)のように大変頻繁に出てきました。
これは「足りうる」でググっていただければすぐにわかるのですが、「たり」という断定の助動詞に「得る」がつくもので、「足りる」の可能形ではないので決して漢字では書きません。「足り」と書きたくなる気持ちもわかるのですが……(「脅威として十分である」「障害となるには不足である」といった雰囲気?)
もうひとつは「信望者」で、「エルフィリースの信望者」(1章#9-4)、「敬虔な神の信望者」(3章#6-1)、「女神信望者」(7章#3-1)のような事例があり、宗教の信者・信仰者という意味で使っているようですが、「信奉者(しんぽうしゃ)」の読み間違いから生じたよくある誤用で、これも「信望者」でググるとわかります。
最後は「一人ごちりながら」(1章#6-3、同#7-2、6章#1-2)や「一人ごちろうとも」(3章#2-5)という変な活用です。後半から「一人ごちながら」になったようなのでもうご承知かとも思いますが、一応。
「ひとりごちる/独り言ちる」は「ひとりごと/独り言」が動詞化した「ひとりごつ/独り言つ」というタ行四段(五段)動詞が、なぜか「ちる」というタ行上一段に類推されたという厄介な経緯をもつ言葉です(後者はあくまで誤用だとする人もいるようです)。
「ちる」だとすると「落ちる」や「朽ちる」と同じで「ひとりごちながら」「ひとりごちようとも」になります。正統的な「つ」なら、連用形「ひとりごちながら」は同じで、未然形は「ひとりごたず、ひとりごとうとも」となるはずですが、この動詞は現代語では連用形以外はあまり使われないようなので見慣れない形になってしまいます。
表記についても、漢字にするなら「独り」のほうが普通ではないかと思います(「ひとりごと」を「一人言」と書くこともできるので、絶対ではありませんが)。なろうではよくこの言葉を「ひとり」と「ごちる」で分離できると誤解して、「ひとり」抜きの単独で「ごちる、ごちていた」などと書かれているのを見かけますね……。
追記です。誤字脱字についてはいちいち指摘することは控えるつもりでしたが、全編を通して何度も出てきたもので気になった三つについてだけ述べさせてください。直すのも大変だと思いますから、今後役立てていただければ。
ひとつは「〜足りうる/足りえない」という言い方で、「脅威足りうる」「障害足り得ない」(いずれも1章#7-4)のように大変頻繁に出てきました。
これは「足りうる」でググっていただければすぐにわかるのですが、「たり」という断定の助動詞に「得る」がつくもので、「足りる」の可能形ではないので決して漢字では書きません。「足り」と書きたくなる気持ちもわかるのですが……(「脅威として十分である」「障害となるには不足である」といった雰囲気?)
もうひとつは「信望者」で、「エルフィリースの信望者」(1章#9-4)、「敬虔な神の信望者」(3章#6-1)、「女神信望者」(7章#3-1)のような事例があり、宗教の信者・信仰者という意味で使っているようですが、「信奉者(しんぽうしゃ)」の読み間違いから生じたよくある誤用で、これも「信望者」でググるとわかります。
最後は「一人ごちりながら」(1章#6-3、同#7-2、6章#1-2)や「一人ごちろうとも」(3章#2-5)という変な活用です。後半から「一人ごちながら」になったようなのでもうご承知かとも思いますが、一応。
「ひとりごちる/独り言ちる」は「ひとりごと/独り言」が動詞化した「ひとりごつ/独り言つ」というタ行四段(五段)動詞が、なぜか「ちる」というタ行上一段に類推されたという厄介な経緯をもつ言葉です(後者はあくまで誤用だとする人もいるようです)。
「ちる」だとすると「落ちる」や「朽ちる」と同じで「ひとりごちながら」「ひとりごちようとも」になります。正統的な「つ」なら、連用形「ひとりごちながら」は同じで、未然形は「ひとりごたず、ひとりごとうとも」となるはずですが、この動詞は現代語では連用形以外はあまり使われないようなので見慣れない形になってしまいます。
表記についても、漢字にするなら「独り」のほうが普通ではないかと思います(「ひとりごと」を「一人言」と書くこともできるので、絶対ではありませんが)。なろうではよくこの言葉を「ひとり」と「ごちる」で分離できると誤解して、「ひとり」抜きの単独で「ごちる、ごちていた」などと書かれているのを見かけますね……。
こちらもご指摘ありがとうございます。
「たり得る」「たり得ない」「信奉者」……はい、完全に勉強不足でした。
誤字脱字や誤用に関してもよく指摘をいただいていたので迷った時には調べているのですが、迷いもせず間違った使い方をしておりました。
今後は気を付けたいと思います。
「ひとりごちる」の活用に関しては、ご推察のように一度迷って調べて正しい使い方を覚えたはずなのですが、手癖で間違って書いていたようです。
思い直すと今書いてる話なんかも変な活用のまま使っていた気がしますので、メインで投稿しているものの方は合間を見て見直してみようかと思います。
自分では長らく書いているつもりでしたが、まだまだ無知な部分もあるようでしてお恥ずかしい限りです。
ですが、このようにご指摘していただけたのは大変ありがたい。
今後に活かせるように気を付けたいと思います。
どうもありがとうございました。
「たり得る」「たり得ない」「信奉者」……はい、完全に勉強不足でした。
誤字脱字や誤用に関してもよく指摘をいただいていたので迷った時には調べているのですが、迷いもせず間違った使い方をしておりました。
今後は気を付けたいと思います。
「ひとりごちる」の活用に関しては、ご推察のように一度迷って調べて正しい使い方を覚えたはずなのですが、手癖で間違って書いていたようです。
思い直すと今書いてる話なんかも変な活用のまま使っていた気がしますので、メインで投稿しているものの方は合間を見て見直してみようかと思います。
自分では長らく書いているつもりでしたが、まだまだ無知な部分もあるようでしてお恥ずかしい限りです。
ですが、このようにご指摘していただけたのは大変ありがたい。
今後に活かせるように気を付けたいと思います。
どうもありがとうございました。
- 海蛇
- 2017年 03月16日 01時23分
[良い点]
これまで見たこともないほど壮大で緻密、いわゆるテンプレを比較的はずしていながら説得力のある世界観と、複雑に張りめぐらされた伏線に圧倒されました。
昼も夜も自由な春休みを使っても1週間くらいかかりましたがノンストップで一気に読ませていただきました。これほどの大作を完結まで書き上げられたことに最上級の賛辞をお送りしたいです。
いまどきあまり見られない硬派なハイファンタジーだと思います。テンプレをはずしているという言い方をしたのは第1話のまえがきで「設定的な部分はかなり他所と違う面も出てくる」と断られていることを受けたものですが、随所にオリジナリティが光りながらも同時に王道という感じもして、どこか懐かしさも含む安心感がありました。
良くも悪くも人がよく死ぬというところも、昨今の安易な流行の中ではあえて特筆に値する印象的な部分に感じます。シブースト、セーラとエリーゼ、(本物の)金竜エレイソン、ギド、ウィッチの長などなど、そしてエリーシャから最後のラミアの退場まで、何度も泣かされてしまいました。敵方でもデフやロザリー、悪魔王など単なる絶対悪に堕さず、わかりあえた人たちもそうでない者もみんな何らかのドラマを持っていて、関わった人たちに影響を与えその後の世界の礎となる、そういうところがよく描かれていると思います。
キャラクターが立っていて愛着が湧くぶん、何もこの人が死ななくてもいいのではないかと思わされるところも何度もありましたが、そこで安易に生かすあるいは生き返らせるという結末を選ばないあたりは、死の尊厳が大事にされているということなのでしょうね。
(一方でそうだとしたら生き返らせる手段そのものが存在しないほうがメリハリがついたかとも思いますが……。人間世界南部の聖者が戦場で用いていたという奇跡、赤いウィッチを人格そのままに復活させ終盤ではレイドリッヒなども再登場させたネクロマンサー、グロリアが召喚した精霊など、蘇生や延命・過去の人物との会話の手段がいくつもあったので、死が本当の終わりなのかどうか境界が曖昧になり、ともすればエリーシャの死などをあれだけ悲しむ必要があったのか、死んだ後も対話する手段やそもそも死なせない方法があったのではないかという話にもなってきてしまうので。エリーシャについて言えば『勇者』になったのでもう確実に会えないのでしょうけど。)
[気になる点]
過去の感想でも「ご都合世界」と言われている方がいらっしゃるようですが、私も気にかかった点として、バトルシーンで負けたり取り逃がしたりする理由が「油断して」ばかりだなぁとは感じました。特に最強格のキャラクターを負けさせる展開のために「油断」を持ち出すところがご都合主義的に思われるのではないでしょうか。
ラズベリィとしてのレーズン最初の二敗(アプリコット帝城での黒竜姫、リュースの森での一般兵)と、後者の直後のデフ戦で相手を見逃すこと、魔王ならサバランにみすみすコールドスリープを発動させたことから、最初のドッペルゲンガー戦での敗北まで。結果には影響しませんがガラード戦では「まさしく油断の末の失態で」(8章#14-2)最初の手傷を負いますし、油断と書かれてはいませんが2度目のドッペルゲンガー戦でブラックホールを発動されることも同様に感じます。
それ以外だと「油断しきっていた」(4章#4-3)黒竜姫はエリーシャにグラビトン発動を許した結果訳のわからない理由で撤退しウィッチの死につながりますし(そのウィッチの死も悦に入っていたため)、リットル対ロザリーの顛末も古典的ですが戦場ではちょっとあんまりです(呼びかけに注意がそれ敗北という古典的展開は最初のドッペルゲンガー戦でも繰り返され辟易します)。
このように感じるのはおそらく、キャラクターの能力によくわからない部分があることが一因ではないでしょうか。
サバランの件(6章#3-5)で言えば、一瞬で追い越して「サバランの前に回り込む」ほど「根本的な速度が、まず違っていた」はずの魔王がコールドスリープ発動を止められなかった理由がわかりませんし、レーズンのほうも「デフが逃げるのには気付いていたが、事態はそれどころではなく」と言いますが時間を止められるのですから緊急も何もありません。そもそも「秒に換算するまでもなく蹴散らせる」のなら、魔王と手分けをする必要すらなかったはずです。おそらく何らかの制約でこういうことはできなかったのでしょうから、そのような能力の制限がちゃんと説明されていればご都合主義感はなくなるかと思います。
結果として作り上げられている大枠のプロットがどの点もすばらしいからこそ(たとえばデフやロザリーは上記の戦闘で生き残った後の役割が、またドッペルゲンガーに一度敗北して乗っ取られたことで気づく絆、コールドスリープの発動を許すことでつながる壮大な多重複製世界の複雑な因果などなど)、このような要所要所での細部の根拠が「油断」一辺倒なのが惜しいと感じられます。
[一言]
そういえば謎とされていた先々代エアロ・マスターの死因と、人間エルフィリースの(唯一の)娘アンナデュオラの父親が誰なのかって、どこかに書いてあったでしょうか? 前者については11章#3B-2でさらっと「病死」とありましたがこれは平行世界ですし、後者はどの世界でも不明のままだったような。私の見落としでしたらすみません。
11章#3C-2でヴァルキリーがカルバーン(エルリルフィルスとアルドワイアルディ?の娘)を見て自分の娘の(天魔)アリスと勘違いするシーンが非常に示唆的で、ヴァルキリーとエルフィリース/タルトの容姿が似ているとは書いていなかったと思うので、ではどういうことになるんでしょう?
これまで見たこともないほど壮大で緻密、いわゆるテンプレを比較的はずしていながら説得力のある世界観と、複雑に張りめぐらされた伏線に圧倒されました。
昼も夜も自由な春休みを使っても1週間くらいかかりましたがノンストップで一気に読ませていただきました。これほどの大作を完結まで書き上げられたことに最上級の賛辞をお送りしたいです。
いまどきあまり見られない硬派なハイファンタジーだと思います。テンプレをはずしているという言い方をしたのは第1話のまえがきで「設定的な部分はかなり他所と違う面も出てくる」と断られていることを受けたものですが、随所にオリジナリティが光りながらも同時に王道という感じもして、どこか懐かしさも含む安心感がありました。
良くも悪くも人がよく死ぬというところも、昨今の安易な流行の中ではあえて特筆に値する印象的な部分に感じます。シブースト、セーラとエリーゼ、(本物の)金竜エレイソン、ギド、ウィッチの長などなど、そしてエリーシャから最後のラミアの退場まで、何度も泣かされてしまいました。敵方でもデフやロザリー、悪魔王など単なる絶対悪に堕さず、わかりあえた人たちもそうでない者もみんな何らかのドラマを持っていて、関わった人たちに影響を与えその後の世界の礎となる、そういうところがよく描かれていると思います。
キャラクターが立っていて愛着が湧くぶん、何もこの人が死ななくてもいいのではないかと思わされるところも何度もありましたが、そこで安易に生かすあるいは生き返らせるという結末を選ばないあたりは、死の尊厳が大事にされているということなのでしょうね。
(一方でそうだとしたら生き返らせる手段そのものが存在しないほうがメリハリがついたかとも思いますが……。人間世界南部の聖者が戦場で用いていたという奇跡、赤いウィッチを人格そのままに復活させ終盤ではレイドリッヒなども再登場させたネクロマンサー、グロリアが召喚した精霊など、蘇生や延命・過去の人物との会話の手段がいくつもあったので、死が本当の終わりなのかどうか境界が曖昧になり、ともすればエリーシャの死などをあれだけ悲しむ必要があったのか、死んだ後も対話する手段やそもそも死なせない方法があったのではないかという話にもなってきてしまうので。エリーシャについて言えば『勇者』になったのでもう確実に会えないのでしょうけど。)
[気になる点]
過去の感想でも「ご都合世界」と言われている方がいらっしゃるようですが、私も気にかかった点として、バトルシーンで負けたり取り逃がしたりする理由が「油断して」ばかりだなぁとは感じました。特に最強格のキャラクターを負けさせる展開のために「油断」を持ち出すところがご都合主義的に思われるのではないでしょうか。
ラズベリィとしてのレーズン最初の二敗(アプリコット帝城での黒竜姫、リュースの森での一般兵)と、後者の直後のデフ戦で相手を見逃すこと、魔王ならサバランにみすみすコールドスリープを発動させたことから、最初のドッペルゲンガー戦での敗北まで。結果には影響しませんがガラード戦では「まさしく油断の末の失態で」(8章#14-2)最初の手傷を負いますし、油断と書かれてはいませんが2度目のドッペルゲンガー戦でブラックホールを発動されることも同様に感じます。
それ以外だと「油断しきっていた」(4章#4-3)黒竜姫はエリーシャにグラビトン発動を許した結果訳のわからない理由で撤退しウィッチの死につながりますし(そのウィッチの死も悦に入っていたため)、リットル対ロザリーの顛末も古典的ですが戦場ではちょっとあんまりです(呼びかけに注意がそれ敗北という古典的展開は最初のドッペルゲンガー戦でも繰り返され辟易します)。
このように感じるのはおそらく、キャラクターの能力によくわからない部分があることが一因ではないでしょうか。
サバランの件(6章#3-5)で言えば、一瞬で追い越して「サバランの前に回り込む」ほど「根本的な速度が、まず違っていた」はずの魔王がコールドスリープ発動を止められなかった理由がわかりませんし、レーズンのほうも「デフが逃げるのには気付いていたが、事態はそれどころではなく」と言いますが時間を止められるのですから緊急も何もありません。そもそも「秒に換算するまでもなく蹴散らせる」のなら、魔王と手分けをする必要すらなかったはずです。おそらく何らかの制約でこういうことはできなかったのでしょうから、そのような能力の制限がちゃんと説明されていればご都合主義感はなくなるかと思います。
結果として作り上げられている大枠のプロットがどの点もすばらしいからこそ(たとえばデフやロザリーは上記の戦闘で生き残った後の役割が、またドッペルゲンガーに一度敗北して乗っ取られたことで気づく絆、コールドスリープの発動を許すことでつながる壮大な多重複製世界の複雑な因果などなど)、このような要所要所での細部の根拠が「油断」一辺倒なのが惜しいと感じられます。
[一言]
そういえば謎とされていた先々代エアロ・マスターの死因と、人間エルフィリースの(唯一の)娘アンナデュオラの父親が誰なのかって、どこかに書いてあったでしょうか? 前者については11章#3B-2でさらっと「病死」とありましたがこれは平行世界ですし、後者はどの世界でも不明のままだったような。私の見落としでしたらすみません。
11章#3C-2でヴァルキリーがカルバーン(エルリルフィルスとアルドワイアルディ?の娘)を見て自分の娘の(天魔)アリスと勘違いするシーンが非常に示唆的で、ヴァルキリーとエルフィリース/タルトの容姿が似ているとは書いていなかったと思うので、ではどういうことになるんでしょう?
ご感想ありがとうございます。
投稿が終わってからしばらくたったのにこのような感想をいただけるとは思いもせず驚いております。
お褒めの言葉もありがたいですが、気になる点として挙げていただいた点は耳の痛い部分も多く、今投稿している作品や今後の作品に活かせたらと思います。
戦闘なんかももうちょっと工夫出来たらなあと思って最新作でもうちょっと頭を使って書こうとしている次第です。
レーズンに関しては前から突っ込まれてますが基本「わざと」です。
タルトが過去に飛ばされることはレーズンにとっては目的にかなう事柄で、エリーシャが死ぬまではレーズン本来の目的を果たす為だけにわざと負けたりわざと一般兵に殺されたフリをしています。
まあそこも最終的には伯爵の油断の所為でタルトが飛ばされてしまうので、ちょっと考えが浅かった故にご指摘をいただけたのだと思います。
エアロ・マスターの死因はどこの世界でも大して変わりはありません。
基本的にどこの世界でも必ず何かしらの理由でその時に死ぬ人の一人です。
同様に必ず死ぬ人としてシブーストやババリア、サバラン、黒竜翁などがいます。
死因が大切なのではなく、その時に死ぬのが世界から決定されているみたいなものですね。運命とかそういう感じで。
アンナデュオラの父親は作中には全く出ていません。
設定的にはその時代のアルム家当主、後のアップルランドの皇族の血筋の元になる男性です。
つまりタルトは平行世界とはいえ自分の先祖と……
終盤、本編で尺を使って平行世界(過去)に飛ばされたタルトのお話を細かく書こうとは思ったのですが、おまけでは済まないほど内容が長くなりそうだし時期的に蛇足感が半端ないのでやめた為ただの裏設定と化しました。
カルバーンは黒竜翁とエルリルフィルスの娘ですね。黒竜姫と双子です。
こちらの本編では細かくは明記していませんが、この物語の軸になっている世界は生まれる際に肉体に宿る魂が同じなら親が誰だろうと同じ顔になるように生まれるため、生まれるタイミング次第では両親が全く違うはずの娘が似た容姿になってしまうのです。
体型なんかは環境に依存しますし、種族からくる身体的特徴(翼や角、体色など)は両親の種族依存なので全く同じわけではないのですが。
こちらの本編とは異なりますが、今メインで投稿中の新作においても同様の現象が発生しております。
総合的な容姿は様々な要因で決まるにしても、ぱっと見の容姿では両親の遺伝子とかよりも魂の影響が優先されるものだと思っていただければ幸いです。
とりあえずはこちらはこの辺りで。
投稿が終わってからしばらくたったのにこのような感想をいただけるとは思いもせず驚いております。
お褒めの言葉もありがたいですが、気になる点として挙げていただいた点は耳の痛い部分も多く、今投稿している作品や今後の作品に活かせたらと思います。
戦闘なんかももうちょっと工夫出来たらなあと思って最新作でもうちょっと頭を使って書こうとしている次第です。
レーズンに関しては前から突っ込まれてますが基本「わざと」です。
タルトが過去に飛ばされることはレーズンにとっては目的にかなう事柄で、エリーシャが死ぬまではレーズン本来の目的を果たす為だけにわざと負けたりわざと一般兵に殺されたフリをしています。
まあそこも最終的には伯爵の油断の所為でタルトが飛ばされてしまうので、ちょっと考えが浅かった故にご指摘をいただけたのだと思います。
エアロ・マスターの死因はどこの世界でも大して変わりはありません。
基本的にどこの世界でも必ず何かしらの理由でその時に死ぬ人の一人です。
同様に必ず死ぬ人としてシブーストやババリア、サバラン、黒竜翁などがいます。
死因が大切なのではなく、その時に死ぬのが世界から決定されているみたいなものですね。運命とかそういう感じで。
アンナデュオラの父親は作中には全く出ていません。
設定的にはその時代のアルム家当主、後のアップルランドの皇族の血筋の元になる男性です。
つまりタルトは平行世界とはいえ自分の先祖と……
終盤、本編で尺を使って平行世界(過去)に飛ばされたタルトのお話を細かく書こうとは思ったのですが、おまけでは済まないほど内容が長くなりそうだし時期的に蛇足感が半端ないのでやめた為ただの裏設定と化しました。
カルバーンは黒竜翁とエルリルフィルスの娘ですね。黒竜姫と双子です。
こちらの本編では細かくは明記していませんが、この物語の軸になっている世界は生まれる際に肉体に宿る魂が同じなら親が誰だろうと同じ顔になるように生まれるため、生まれるタイミング次第では両親が全く違うはずの娘が似た容姿になってしまうのです。
体型なんかは環境に依存しますし、種族からくる身体的特徴(翼や角、体色など)は両親の種族依存なので全く同じわけではないのですが。
こちらの本編とは異なりますが、今メインで投稿中の新作においても同様の現象が発生しております。
総合的な容姿は様々な要因で決まるにしても、ぱっと見の容姿では両親の遺伝子とかよりも魂の影響が優先されるものだと思っていただければ幸いです。
とりあえずはこちらはこの辺りで。
- 海蛇
- 2017年 03月16日 01時13分
[良い点]
私が求めた理想に近い小説でした。まさか2日で読破するなんて自分でもびっくり。
これを書き上げた作者様に感謝を。
私が求めた理想に近い小説でした。まさか2日で読破するなんて自分でもびっくり。
これを書き上げた作者様に感謝を。
なんとありがたいご感想を。
読破までしていただきありがとうございます。
作者冥利に尽きます。
どうぞこれからもよろしくおねがいします。
読破までしていただきありがとうございます。
作者冥利に尽きます。
どうぞこれからもよろしくおねがいします。
- 海蛇
- 2016年 08月08日 20時35分
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