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[気になる点]
>「おい、花蓮。さっきから言い方が回りくどいんだよ。一発でわかるようにスッと言え」

 もったいぶったつもりはなかったのですが、混乱する二人の間を縫ぬって荒井ゆうきさんが不機嫌そうに足先で床を何度も叩き、詳細な説明を求めてきました。

「わかりました。その前に、遅ればせながら彼女たちを紹介しますね。私と同様、事前に《契約》の存在を把握していたメンバーです。
 杖を持っておられる方が毒島ぶすじま芹白せらさん、髪の毛をお団子にしている背の高い方が長姫京きょう先生、そしてこちらのちっちゃかわいい私たちの天使が菊澤紫穂しほさんです」

「とりあえず、よろしく?」

「元養護教諭の長姫です。以後、お見知り置きを」

「『…………は、はじめまして』」

 国王陛下との謁見で起こったことを説明する前に、このタイミングでセラさんたちを清美さんたちに紹介しました。

 セラさんはぶっきらぼうに、長姫先生は教師の仮面をかぶって、菊澤さんは初対面の清美さんたちに気後れしながら、それぞれ挨拶しました。

「……えーと、私は清水清美。元美化委員長をしていたわ」

「う~んとぉ~、ノンコは春日暖子のんこって言って~、文化祭の実行委員長でした~?」

「オレは天満荒井ゆうき、元風紀委員長……っつかよぉ、今さら自己紹介で高校での肩書きとかいるのか?」

「さぁ? でも、一回続けちゃったら収まりきかないじゃん?
 ってわけで、ウチは広田智恵で元広報委員長ね。一年の頃から校内新聞書いてて、一番反響があったのは校長のヅラ疑惑だったね。
 ちなみに、ウチの取材によると百パーヅラで間違いないよ」

 すると、ずっとそこにいたのは気づいていても、ここで突然人物紹介に移るとは思っていなかったのでしょう。

 清美さんたちは戸惑いの表情を浮かべてから、各々自己紹介をしていきました。そんな中でも小ネタを挟もうとする智恵さんはいつも通りですね。

「でも、何で急に自己紹介を?」

「彼女たちが《契約》の『回避』を実現させた功労者だからですよ。
 それに、清美さんも暖子のんこさんも荒井ゆうきさんも智恵さんも、今まで一・度・も・戦闘訓練に参加しませんでしたから、セラさんたちのスキルも知らないでしょう?」

「まあね」

「初めましてだよ~?」

「知らん!」

「まあ、ウチは面白そうな話以外興味ないしね」

 不審に思った清美さんが私の意図を尋ねてきましたので、逆に呆れた口調で尋ね返すと、それぞれいっそ清々しいほどの開き直りを見せてくださいました。

 そう、彼女たちはそれぞれの主義主張は異なるものの、全員共通して言えるのが『戦闘経験ゼロ』であることです。それは魔物の討伐はもちろん、『異世界人』同士の訓練までをも含みます。

 清美さんの場合は、厭戦えんせん派となった理由そのままで、『汚れるのが嫌だから』。

 訓練も魔物討伐訓練も基本的に屋外で行われ、砂煙が舞うことや他人に触ること、ひいては武器に触れることすら断固として拒否したのです。

 イガルト王国側に何度も説得されていましたが、結局一年間訓練に出たことはありませんでした。

 暖子のんこさんも『他人を傷つけるのは嫌だ』という厭戦派の意見を曲げず、ここまで過ごしてきました。

 元々、争いごとや暴力を強く忌避きひする性格だった暖子のんこさんにとって、人も魔物も【魔王】も区別はありません。

 おそらくは命の危機があるなど、どうしても必要でない限り、自ら戦いを選んだりはしないでしょう。

 荒井ゆうきさんも実にシンプルです。『オレに指図するな』の一点張りで、兵士や騎士の方のいうことを一切聞かなかったのです。

 勉強は先生役の貴族の方がいない時、それも自分の気が向いたときに自習していて、何とかこの世界の一般常識程度は身につけています。

 が、戦闘訓練だけは専門家である兵士や騎士の方から指導を受けねばならず、それを嫌がってずっとサボってきたようです。

 智恵さんは良くも悪くも、『興味があることしか熱意を傾けられない』性格が仇あだとなりました。

 彼女は毎日のように戦闘訓練の時間になると、王城にいた人たちの一人をターゲットに定めて尾行し、話のネタ探しに熱中していたのです。

 そうして集められた小ネタ集は【報道】で私たちへ広め、面白がるためだけに使われていましたが。

 そんな経緯から戦闘訓練に参加しなかった彼女たちは、所有するユニークスキルと戦闘技術で知名度が上がったセラさんたちの情報を、ほとんど持っていない状態です。

 そして、今回の《契約》から逃れた方法を説明するのに、セラさんたちのスキルを説明しないわけにはいきませんでした。

「国王陛下たちを欺あざむいた方法を語るには、彼女たちのスキルについて知ってもらう必要がありました。それをこれから説明します」

 そう前置きし、私はセラさんたちのユニークスキルと、イガルト王国に仕掛けたトリックについて伝えていきました。
(次ページ)
まずは、『異世界人』の間では周知の事実とも言える【幻覚】、【再生】、【結界】のユニークスキルについて、周囲に知られている情報だけを伝えていきいます。

 私は何度もセラさんたちと訓練を重ねてきたこともあり、各ユニークスキルの特性を本人と同じ程度理解できています。

 もちろん、彼女たちに教えてもらったのではなく、訓練の過程で自ら発見したものなので、多少のズレはあるでしょうけど。

 ただ、表層的な情報にとどめたのは、いくら私が信用する相手とは言え、他人のユニークスキルの子細しさいまで暴露するのはマナー違反だと思ったからです。

 ユニークスキルは所有者のみが持つ特異な力であり、ほとんどの場合所有者の戦闘スタイルの主軸となる重要な個人情報です。

 否応なしに広がった表面的な情報は有名税として諦めねばなりませんが、詳細まで明かすのはセラさんたちに失礼でしょう。

 私のように、セラさんたち以外の前でユニークスキルの力を一切使用していない場合は、話は別ですけどね。

 そして、その説明が終わった後に出た清美さんたちのリアクションがこれです。

「先生の【再生】って便利すぎない!? 服の汚れだけじゃなくて傷まで直してくれるなら、私も【再生】がよかったぁーっ!!」

「スキルは変えられませんが、学生服の補修くらいならいつでも請うけ負いますよ?」

「本当ですかっ!? 是非お願いしますっ!!」

 長姫先生の【再生】に食いついたのは清美さんです。

【浄化】は汚れを完璧にとってくれますが、破損には効果がありませんからね。よく見ますと、学生服は綺麗ではあってもところどころ生地が解ほつれています。

 清美さんは手先が不器用ですから、裁縫は苦手分野です。唯一着れる服の損耗が大きくなるにつれ、不安も大きかったのではないでしょうか?

 生徒思いな長姫おさひめ先生の言葉に食い気味に反応していたのが証拠ですね。

「みんなすごいんだね~。特に~、シホちゃんの【結界】は何でも防げるんだよね~? すごいな~」

「『……え!? え、えと、その、あ、ありがとう、ございます……』」

「ホントだ~。カレンちゃんの言う通り、シホちゃんってかわい~ね~」

 一方、菊澤さんの【結界】に注目したのは暖子のんこさんでした。

 争いごとを嫌う彼女からすれば、一見すると防御能力に秀でている【結界】は理想のスキルなのかもしれません。

 他にも、暖子のんこさんが菊澤さんを気にしたのは、菊澤さんが人見知りだったからでしょうかね。

 暖子のんこさんは争い嫌いの次に同調を好みます。みんなと仲良くなろうと努力し、菊澤さんの心理的な壁を越えたいと思ったのかもしれません。

「芹白せらの【幻覚】って面白ぇな。スキルさえ使えば、結構何でもありなのか?」

「一応ね。何ならお望みの『幻覚』を見せてあげることも出来るけど?」

「マジで!? オレまたジェットコースター乗りたい!!」

 あちらでは荒井ゆうきさんが【幻覚】で遊びたいと言い出しました。

【幻覚】の特性を考えれば、普通は自分に害が及ぶことを真っ先に想像して怖がる場合が多いんですけど、荒井ゆうきさんは見事にいい方へ捉えましたね。

 まあ、荒井ゆうきさんは年齢の割に少々子どもっぽいところがありますから、無理もないですけど。

 セラさんも好意的な反応に気をよくして、荒井ゆうきさんに望みの『幻覚』を見せてあげたのでしょう。「うひょー!」という叫び声が響きました。

「確かにすごいのはわかったけど、肝心のハナっちの【勇者】はどんな効果があるのか、ウチはそっちの方が気になるんだけどね?」

「それはまた今度。お恥ずかしながら、今回の件に関して言えば、【勇者】は役に立ちませんでしたからね」

「ほ~、ここでもまた焦じらすってわけ? ちょっと見ない間に、ハナっちも秘密主義者になったもんだね」

 最後に、話題にしなかった【勇者】に注目したのは智恵さんでした。

 他のユニークスキルとは違い、【勇者】は基本的に私にしか作用しないばかりか、戦闘以外では使いどころがあまりない効果ですから、今回出番はありませんでしたし。

 智恵さんが私を気にしたのは、単に知的欲求でしょうか? 智恵さんはおしゃべり好きの知りたがりですから、興味さえ引けば何でも追求しようとします。

 どうやら【勇者】も興味を引いたようで、智恵さんの目の色が変わったのを確認しました。

「では、一通りの事前知識がそろったところで、本題に入りましょう」

 スキルの話題で盛り上がっていた清美さんたちですが、私の言葉で気持ちを切り替え、視線を向けてきました。

「まず、私たちが《契約》を『回避』した方法は単純です。あの時、『謁見の間に私たちはいなかった』ため、《契約》の対象からは除外されていたんですよ」
[一言]
「一発でわかるように」という台詞に対し、割かし明確な返しをした答えまでこんだけ引っ張ってますね。
説明なので引っ張ることに特に意味がなく、返って読者にストレスがたまるだけかと。
国会議員の議論のすり替えみたいな答弁見てて「すげーうまい言い回しだな!」なんて尊敬する人間なんてほぼほぼいませんし。
それやってるのと一緒。
結論ありきからの説明のほうが理解しやすいと思う。ただでさえ無駄に長いし、要領悪い作者さんなので(ぶっちゃけ論文読んでるみたい)
ただカタルシスシーンを引っ張ったりするのはまた別だと思いますが。
とにかく小説自体はおもしろいので、ただの説明シーンでだらだらやって読者の好感度下げるのは勿体ないなと思いましたマル
  • 投稿者: 退会済み
  • 2017年 11月05日 11時43分
管理
 マッドサイエンティスト様、感想ありがとうございました。

 ごもっともなご指摘をしていただいたにもかかわらず、長いこと返信を放置してしまっていて大変申し訳ありませんでした。

 もはや拙作への興味も薄れている頃合いかと思われますが、返信文を書かせていただきました。

 よろしければ、お付き合いください。



 まず、マッドサイエンティスト様がご指摘してくださった『文章長すぎてストレスたまる問題』は、全面的に作者に非があるものでございます。

 というのも、私の執筆スタイルは何というか、視点を担当するキャラの台詞や思考をそのまま投影して書いている部分があります。

 確かに、質問~回答までの間にあたる抜粋された部分は冗長で無駄が多く、読んでいる時間が苦痛に思えてしまったかもしれません。

 やろうと思えば数行でまとめられそうな、あってないような内容でしょうし。

 とはいえ、当時の作者はこの部分を書くことで会長さんの幼なじみたちのキャラを探っていたところがあり、必要な過程だったかなとは思っています。

 同時に、キャラの個性や人間関係のとっかかりなど、描写による人物紹介として考えると無意味ではないかな? と個人的には思っております。

 ……まあ、私の要領が悪いのも、卒論作成が意外と楽しかったのも、割とバレちゃってるので全部言い訳にすぎませんが。

 こうして長編を主に書いてる私ですが、短く簡潔に面白くまとめねばならない短編・中編なんかは超苦手ですしね。

 今後とも意識はしますが、個人的な書き方の好みも入ってるかもしれませんので、修正は難しいかもしれません。

 盛り込みたいことがつい多くなってしまって、描写もつい多くなってしまって、文章多いのも割と苦ではないこともあって、気づけばこうなっちゃうんですよ。

 ……すみません、なんか愚痴っぽくなってしまいました。



 言い訳もダラダラなってしまう私と拙作。読者様には本当、ご迷惑をおかけしております。

 とはいえ、マッドサイエンティスト様に内容は面白いと思っていただけたようで、そこは安心しました。

 近々、ちょっとだけ更新を再開するのですが、もしまだ拙作への興味が尽きていなかったら、また読んでいただけたら嬉しいです。

 それでは、長々と失礼いたしました。
[良い点]
こ、これは……ハーレム?(白目)
 ショーグン様、遅ればせながら感想ありがとうございました。

 前回投稿からかなり日をまたぎましたが、返信をさせていただいております。



 蓋を開けてみれば、スキル娘さんハーレム説が結構出てきましたね。

 私としては本当に『作者の悪ふざけ』でしたので、ここまで反応があるとは思っていませんでした、はい。

 とはいえ、冷静にハーレム要因として考えれば……うん、なんかヒロイン的にも地雷しかいねぇ。

 まあ、アレです。深く考えたら負けだと思ってください(投げやり)。



 そして、このスキル設定が閑章へ移動したことを合わせてご報告させていただきます。

 次回更新は予定よりも短めなのですが、よろしければまた読んでやってください。

 それでは、失礼いたします。
[一言]
 ヘイトくんハーレムじゃんやったー。(白目)

 どいつもこいつもヤバイってレベルじゃないの揃ってるなー、これうっかりスキル強奪しようものなら強奪者さん自滅するんじゃね? 永久機関さんとか大ハズレですね!

 レベルアップ条件は鬼畜だけどこれといった副作用が見当たらないアカシックレコードさんが癒しに見える(癒しだとは言ってない)ラインナップですね?
 なお本当の癒しは生体感知ちゃんと同調さん。


 神術思考さん出張りすぎー! 休んで! もう休んで!
 山田太郎芋様、遅ればせながら感想ありがとうございました。

 今さらかもしれませんが、いただけた感想にお返事を書かせていただいております。



 ハーレム……うーん、タグはそういう意味ではなかったのですが、娘にしちゃったらやっぱハーレムですね(苦笑)。

 山田様が白目になってしまうのもわかります。拙作のスキルは、上位になるほど一点強化のピーキー仕様になるよう意識しておりますので、まぁクセがすごい。

 おっしゃる通り、もしスキル強奪系のスキルを持つキャラがいれば、ヘイト君のスキル構成はなかなかの地雷原といえるかもしれません。

 まあ、もし後の展開でいわゆる強奪系のスキルを出したとしても、何かしらのデメリットは挟もうと思うのでご安心を(悪い笑み)。

 他には、《世理完解(レコア)》さんは目に見えたデメリットがないので、確かに大人しく見えますね。ほんと不思議。

《生体感知(リセ)》ちゃんは上級スキルの中でも取得条件緩めなんで、汎用性(=ポップさ)がありますからね。【普通(マル)】子ちゃんに嫉妬しちゃうけど、とっても頑張り屋さんです。

《同調(シーラ)》さんも何気に『特殊上級スキル』ではないからでしょうか。使い方は難しい特殊なスキルですが、なんか書いてるうちにキャラが緩くなってしまったお人(?)です。

 そして、《神術思考(カミコ)》さん……今後もその、すっごい、働いてもらうと思うので、が、がんばって……(目をそらし)



 最後にご報告として、このスキル設定、閑章に移動しました。

 ちょっとだけ更新を再開する予定なので、よろしければまたお付き合いください。

 それでは、失礼いたします。
[一言]
カミコさん… 不憫な子ッ!
  • 投稿者: 青樹
  • 2017年 11月03日 21時49分
 青樹様、遅ればせながら、感想ありがとうございました。



《神術思考(カミコ)》さんはちょっと、書いてる途中から本当に不憫に思っていたスキル娘さんでした。

 しかし、仕方ないのです。渚君のスキル使用頻度を考えれば、あれくらいの激務をしていてもおかしくないのです。

 ですから彼女の仕事量は私が悪いのではなく、すべて渚君が悪いのです!!(断言)



 と、数カ月前の感想のお返しで力説して申し訳ありません……(汗)。

 一応ご報告として、件(くだん)のスキル設定は閑章の方へ移動させていただきました。

 今回は短めの更新ですが、よろしければ覗いてやってください。

 それでは、失礼いたします。
[一言]
ヒロイン?増やしすぎぃ!
作者スキルすら擬人化とか怖すぎぃ!
しかも一個一個(1人1人)の設定細か過ぎぃ!






いいぞもっとやれ
  • 投稿者: (≧∇≦)b
  • 2017年 11月03日 18時44分
 (≧∇≦)b様、遅ればせながら感想、ありがとうございました。

 かなりお待たせしてしまったので、もう拙作を読んでくださるかどうかはわかりませんがお返事させていただきました。



 まず素直な感想として、スキル娘たちがヒロインだったとは驚きでした(おい)。

 いや本当に、『この作者は何バカなことやってんだよw』くらいの反応だと思っていましたので。

 人物(?)設定も、スキルの能力からほぼほぼ即興で浮かんだイメージでやったので、個人的には雑な方です。

 しかしまあ、意外と好評なようでよかったです。



 そして、スキル設定は無事、閑章の方へ移動させることが出来ました。

 よろしければまた、拙作にお付き合いいただけたら嬉しく思います。

 それでは、失礼いたします。
[気になる点]
更新待ってます
ようやく追いついたのですが先が見れずもどかしいですが楽しみにお待ちしております
 ぺたたーん様、感想ありがとうございました。

 そして、返答に時間をおいてしまったことをまず謝罪します。ごめんなさい。

 最新話まで追いついた、ということでしたが、疲れたでしょう? 百万文字超えてたら読むこと自体がしんどいですので、そこまで付き合ってくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。

 拙作を読んでもらえたことに加え、更新を心待ちにしてくださるほど楽しんでいただけたようで、作者としては嬉しい限りです。

 更新に関しましては、本当に遅筆なため保証が出来ないのですが、なるべく頑張ります。

 更新する時は書き溜めしたのちに隔日で一気に放出するタイプですので、それまではしばしお待ちいただけると助かります。

 それでは、失礼いたします。
[気になる点]
召喚という名の拉致が賠償責任にはならず、
戦争放棄が賠償責任になるというのはよくわからない。
また、賠償責任になったからといって他国に逃げられればそのような口ばかりの拘束に何の価値もないのでは?
暴力が横行する設定では何でもアリのような気がしますが、全員助ける手段もクーデターくらいしかないのにわざわざ賠償責任を果たすために情報で払ったりその後自分だと知られるわけにはいかないなら勝手に出て行けばいいのでは?
主人公が計算高いなら記憶や精神を操作して王族や重鎮全て支配下に置くのが一番合理的だと思うのですが
  • 投稿者: 島
  • 2017年 09月28日 05時54分
 島様、感想ありがとうございました。

 そして、拙作を読んでいただけた上に疑問点も挙げてくださったのに、返答が遅れて大変申し訳ありませんでした。

 すべて、私の不徳の致すところです。

 ごめんなさい。(土下座)

 かなりお待たせしてしまいましたが、気になる点について可能な限り、ご説明したいと思います。



 まず、『勇者召喚(集団拉致)』の賠償責任についてですが、1章終盤で主人公がクソ王さんに宣言した『戦争ムリ』における交渉、でいいのでしょうか?

 ニュアンス的にそちらの可能性が高そうでしたので、その場面だと想定して話を進めさせていただきます。

 最初に、主人公は『勇者召喚』そのものを切り口にして交渉する気は元々ありませんでした。

 何故なら、クソ王さんとの再交渉の時点で『勇者召喚』そのものにおける賠償は、すでに1章冒頭の謁見でまとまり、履行されているからです。

 つまり、衣食住の保証、知識や鍛錬などを含む異世界の生活に必要な教育、戦争参加は個人の判断に任せ1年間の猶予を設ける、といったあれです。

 というわけで、1章ラストの話し合いは賠償責任についての問題というより、フライング戦争放棄の宣言と、その後の生活についての相談、というニュアンスが強いものでした。

 で、魔族の情報をちらつかせてお金のやり取りをしたのは、本文にもあるように主人公がなるべくイガルト王国とのしがらみを断とうと考えたのと、あくまで主人公はイガルト王国よりも圧倒的に弱いという立場を維持するためでした。

 それはクソ王さんや宰相さんだけでなく、その場にいた将来的な敵として見ていた『異世界人』に対するポーズでもあります。

 放り出したのが厄介な奴だと思われるよりは、大したことがないと思わせた方が何かと都合がいいと考えたのでしょう。

 確かに、島様が仰るように暴力が横行する世界観において、主人公が持つ力を考えたら回りくどくて面倒くさいことをしているように見えたかもしれません。

 ですが、主人公は計算高いが故に、自分の力を過信していません。ついでに言えば、国という存在の影響力や、正体不明の敵の存在を軽んじてもいません。

 主人公はあの時点で強力なユニークスキルと多くの上級スキルを所持していましたが、それでチートだ最強だ無双だとは一切考えていませんでした。

 何故なら、交渉前に遭遇した吸血鬼相手へスキルの実験をし、『スキルで実現可能な範囲』とともに『スキルの限界』もある程度理解しました。

 その結果、主人公は『現時点の能力では厳しい』と判断していました。

 主人公が得たスキルは精神攻撃や行動支配に特化したインテリ系能力ですが、取得直後はほぼ『Lv1』です。吸血鬼一人相手では絶大な効果があったとしても、複数人に仕掛けたら効果が弱まる可能性だってありました。

 もっと言えば、仮に王族や重鎮を支配したところで、【魔王】という正体不明の敵とぶつかる可能性は変化していません。

『異世界人』で対抗できるのかわからない存在と敵対している国家を『支配』したところで、待っているのは拉致加害者たちとその国民や『異世界人』全員の実質的なまとめ役というクソ面倒な役割くらいでしょう。

『支配』ということは主人公の意思を反映した『操作』が必要で、その分色んな責任を負うことになります。

 イガルト王国の『支配』で国から狙われることはなくなったでしょうが、ユニークスキルにより『支配』が難しい『異世界人』が主人公の行動を見て、敵対しない保証はどれだけあるでしょうか?

 そんな責任なんか知らん! と逃げたところで、やはり【魔王】の脅威は変わらずありますし、一度『支配』した王族が『主人公の影響』でどのような行動を取ったとしても、結局はその責任は主人公へ向けられます。

 ましてや、イガルト王国は獣人と敵対していることがほぼ確定しています。イガルト王国を『支配』した場合、獣人族と敵対関係になる可能性は高いですし、他の人間国家とも対立する可能性も0ではありません。

 要するに、無理を通せると思えるだけの確実性がなく、わずかでも『国』に関与することで生じうる将来的なリスクの大きさから、強硬手段を取らなかったのです。

 しかも、もし強硬手段が失敗してしまった場合、主人公にとって看過できないリスクが発生したため、危険を冒すならより生存確率が高い手段を、という思惑もありました。

 島様が読まれたかは存じ上げませんが、主人公はある話で以下のようなセリフを口にしています。

『自分は理不尽(チート)ではあっても無敵ではない』と。

 言い換えれば『自分が死ぬ可能性は大いにある』と考えているのと同義です。

 それだけ用心深く、基本方針が『いのちをだいじに』な主人公にとって、なるべく危ない橋を渡らないのが当たり前だからこそ、余計なものを背負うことなく済むように立ち回りたかった、というところです。



 う~ん、これで解答になったのかどうか、若干怪しいところではあります。

 敵がイガルト王国だけなら島様のいう王族支配も候補に挙がったかもしれませんが、そもそも主人公はまだ異世界の国際情勢について明るくありませんし、最強を目指すような野心家でもありません。

 その上死ぬのを怖がる臆病者ですし、スキルの影響で無駄に賢くなりましたし、常に物事を悪い方に考えるほど悲観的な現実主義者といった部分があります。

 そういった諸々の要素を加味した上で、ああいった展開に落ち着いた、ということでご勘弁を。

 納得が出来ない、などご意見があるようでしたら、また感想を頂ければと思います。なるべく返答するように努力いたします。

 最後に、拙作を読んでいただけたことに多大なる感謝を。

 反応を見る限り難しいとは思いますが、よろしければまた拙作を読んでみて下さると嬉しいです。

 それでは、失礼いたします。
[気になる点]
はじめましてお邪魔します。
まだ全話読めてない不届き者です。

看板娘ちゃんの仕掛けた婚約、あれって渚さま……げふん、渚さんが金貨20枚相当だと思う別の何かを提示すれば、看板娘ちゃんの思惑ぶっ壊せませんか?

看板娘を差し出す、と明確に記載されたわけじゃなく、あくまで相当するもの、なので。あのどら息子と同じことするわけないだろあぁん?てな感じで。

差し出す=嫁とは限らないし、メイドでも配下でも、所有物の扱いは所有者次第。もし渚さんが、配下としてトスエルで看板娘として働き続けろ、とか命令したら拒否権も無い、と。

会長さんたちのフェアっぷりが好感もてたのでつい。看板娘ちゃんのやり方だと渚さんの気持ち無視しまくってるような、と。ある意味信用を裏切ってるような。

ささやかで控えめに揚げ足取りをしてしまいましたが、このくらい看板娘ちゃんのライフを削れる程でもないでしょうし、大丈夫ですよねきっと。

それと、完全記憶、なるスキル。渚さんは嘗て中級で、看板娘は上級で取得してましたが仕様ですか?
[一言]
呪術、とかいうスキルあったら看板娘ちゃんに使いたいくらいには、渚さん好きなので。彼の口撃には毎度惚れ惚れしてます。まじないでありのろい。支援も嫌がらせもできるはず。

最後に、死滅した毛根の再生を残念先生がおっさんどもに懇願されてそう、とも思いました。

では、感想を書くのを慣れてないので、不手際がないか心配しつつ、長々と失礼しました。というわけで、四章読んできます。

作者様と渚さんに幸あらんことを。
  • 投稿者: つむぎうた
  • 2017年 09月18日 15時22分
 つむぎうた様、感想ありがとうございました。

 初めに、感想のお返事がかなり遅れてしまったことを謝罪申し上げます。100%私の落ち度で遅延しておりました。

 ごめんなさいです。(ペコリ)

 改めまして、数ある作品の中から拙作を読んでいただけたようで、大変ありがたく思っております。

 時間的に考えますと、最新話にたどり着けたでしょうか? それとも、やっぱ無理と判断されたでしょうか?

 いずれにせよ、一時的にでも拙作ならびにウチの性悪主人公を気に入ってくださったことは、とても嬉しく光栄に思います。

 さて、では作者名物、気になる点へのお返事コーナーと参りましょうか。

 実はこれ、説明下手なせいで毎回長文になってしまうので、お時間がある時にでも読んでみてください。



 まず、看板娘ちゃんの思惑をぶっ壊せるかどうかですが、正直なところすっごく簡単です。

 何せ件(くだん)の契約書は、渚君が徹底的に論破したドラ息子が作成したものが下地ですから、渚君なら他の理屈を用意するのは容易(たやす)いでしょう。

 ですから、つむぎうた様が提示してくださった反撃は有効になりえます。実際に渚君がどう反応するかは、『約束』の意味に気付いた時のお楽しみ、といったところですが。

 要するに、看板娘ちゃんの主張は、言うなれば主観的かつ楽観的な希望的観測でしかありませんからね。渚君と比べれば、まだまだわきが甘いのは仕方ありません。

 しかし、看板娘ちゃんに反論をいただいたのは、私の記憶が間違っていなければ初めてだったので、ちょっと新鮮でした。

 まあ、確かに恋愛方面でいえば看板娘ちゃんのやり方は狡(こす)いですね。異世界人ヒロインである会長さんの意見と比べれば、余計にそう感じられるかもしれません。

 ですが、双方の生まれ育った環境や恋愛観・結婚観の違いなどの要素を考えれば、看板娘ちゃんの行動も無理もないのです。

 異世界人ヒロインたちの場合、恋愛の感覚は日本のそれです。

 20歳時点で異性との交際経験がない男女の割合が約半数に上り、初婚年齢がどんどん上がって晩婚化してきている日本で育った若い彼女たちにとって、男女交際は『恋愛』であって、『結婚』には結びつきません。

 彼女たちの目標も、あくまで『両想いになりたい』という『恋愛』が主軸です。その先にある、結婚まではほとんど考えていないでしょう。

 対して、シビアな人生を歩んできた看板娘ちゃんは、正直焦ってます。

 15歳で成人し20歳を越えれば完全に行き遅れ扱いを受ける環境で育った彼女にとって、魅力的な上に経済力が高い男性との縁は是が非でも確保しておきたいはずです。

 何より、彼女を含む異世界で育った女性たちにとっては男女交際=『結婚』という価値観がほぼ前提です。人が簡単に死んでしまう環境もあって、悠長に構えていれば相手がいなくなるか、自分が死にます。

 自然と、その行動は魔物もびっくりな肉食系になったとしてもおかしくはありません。平和な暮らしを送ってきた異世界人ヒロインよりも余裕がないのは仕方ないでしょう。

 特に渚君は、性格にこそかなり難がありますが、それに目をつむれば結構な優良物件と言えなくもない男性です。

 若干、看板娘ちゃんの乙女な妄想で『貴族の隠し子説』という斜め上の誤解が生じましたが、渚君の示した能力は本物であり、裏で抱える厄介ごとさえなければ将来の生活における安心感は段違いです。

 多少卑怯な手段を用いてでも唾をつけたいと思うのが、余裕のない未婚女性の偽らざる本音ではないでしょうか?

 いや、作者は男なのでぶっちゃけわからないんですけど。


 そして、スキルの『完全記憶』階級問題ですが、率直に言えば私のミスです。(汗)

 いや、マジでつむぎうた様の指摘があるまで気づきませんでした。仕様だといえたらよかったのですが……。

 というわけで、『完全記憶』は中級で固定します。代わりに看板娘ちゃんには新たに上位互換となる上級スキル《記憶支配》を進呈しました。

 該当部分は修正を加えましたので、ご容赦ください。



 え~、というわけでおおよその疑問点には触れることが出来たかな、と思います。

 まだ何か気になる点等がございましたら、新たに感想として書き込んでいただければと思います。

 なるべく早く、返信しようとは思いますので。(滝汗)

 それにしても、残念先生の【再生】目当てに群がる薄毛で悩むおっさんたち……想像したら笑えばいいのか慄(おのの)けばいいのか、わかりませんね。

 最近は私も他人ごとではなくなってきました。10代の時に何度か丸刈りにしたのが悪かったのでしょう、それ以降髪の毛が細くなる一方で、抜け毛もここ数年で激しくなってきた気がします。

 見た目的に顕著な変化が生じ始めたら、『なんて日だ!!』の人みたいにしようかと思ったり。まあ、その時はその時で。

 などと馬鹿な話をしつつ、最後にもう一度、拙作を読んでくださったことに多大なる感謝を。

 今後も更新速度は遅いままでしょうが、これからも拙作を読んでいただけると嬉しいです。

 それでは、長文になり失礼いたしました。
[良い点]
丁寧に全ての疑問に答えてくださいましてありがとうございます!
お陰で全てではないですが、かなりなるほどーと思えました。

長い説明ではありますが、小さい部分もちゃんと書いているのでいいと思います!
(少々無理やりっぽい説明もありましたが笑)

このままずっと同じ風に助けて行くのは話の方向性が違ければなんでもいい。
主人公もちゃんと成長している。
自己主張はでるとこでてる。

喧嘩売る姿勢やギャップが面白い。
曲げない部分は曲げていない。

そんな主人公が好きです!
[一言]
かなり好みドストライク!
少しの空きや笑う部分幸せな部分。
俺の好みにピッたしだからかな?
一気に読んでました。
12時間くらいかな?
時間が開いたら読んでました。

説明は長いですが、なるほど、そういう方向に、その先もあるのか!って予測していくんですが、良い意味で話がそれる?って言うのかな?
予測できないから面白い。

考えられる余裕があるから面白い。
なのに、夢中になるから飽きない。

そして、口が悪くなりました。貴方のせいです。(笑顔)
なので、ラストまでチャント書ききると約束してください!(必死)
最後まで何年でも付き合います。楽しみにします。

なので、良いところで連載中止とかやめてくださいね!
軽く鬱になるのはましな方、結構凹むので、、、

よろしくお願いします!

長々失礼しました。
  • 投稿者: ムト
  • 男性
  • 2017年 09月15日 23時55分
[一言]
最新話まで読みました!
めっちゃ面白いです!!!
続き待ってます!
  • 投稿者: ムト
  • 男性
  • 2017年 09月13日 21時48分
 ムト様、最新話まで読んでいただきありがとうございました。

 100万文字は超えてましたので、結構しんどかったのではないでしょうか? それでも拙作にお付き合いいただけたこと、そして拙作に興味を持って疑問点などを挙げてくださったこと、とてもありがたく思っております。

 その上で、面白いと思っていただけたことも大変光栄です。拙作はなんかちょっとアレなダーク系作品ですので、無理な人は多分ほぼ無理なんじゃないかと思うような珍味系だと自負しております故。

 ともかく、ムト様に楽しんでいただけたようで何よりです。続きもマイペースで制作中で更新のめどはたっていませんが、よろしければまた拙作にお付き合いいただければ嬉しいです。

 それでは、失礼いたします。
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