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[一言]
スカーレットリゾート事件簿19
(気付けば19…)(多くても14,5のつもりだったのに)(あ、二次創作でっす)
「熊。植物食傾向の強い雑食性。大型の哺乳類で体長平均2m、体重平均1t。体毛色は茶系統、黒系統が主である」
「うん?」
「普通の人間が立ち向かうのは無謀であり、ひとたび襲われたなら、その巨体から繰り出される攻撃は致命傷になりうる。遭遇しないように鈴など音が出るもので早期にクマに知らせる事が有効とされる」
「う、うん?」
「残念ながら、体毛が黄色で赤い服を纏い、『ハチミツ大好き』と言う種は確認されておりません。残念ながら」
何故、2回言ったとアリスは混乱した。
「しかぁーし!それは地球での話!このラナシュでは、もしかしたらいるかもしれません!どこかにレアクラスチェンジを果たした新種のクマがいるかもしれません!」
「そ、そう。そうだといいね」
様々な資料が貼られたホワイトボードを、バンバン叩きながら腕を振りかぶり力説するキラを遠い目で眺めるアリス。
キラはクマが大好きである。
…というわけではなく、キラがクマに関して力説する原因はアリスの腕の中にあった。
「♪♪」
ぬいぐるみとぬいぐるみの中に混じって、目を閉じ微動だにしない金色の羊がもみくちゃに、いや、こねくりまわされ…いや、愛でられていた。
『あ、あぁん…』
妙に艶かしい声を出さないで!とアリスは心の中で叫んだ。本来聞こえないはずの金色羊の声はキラを通してアリスにも聞こえるようになっていた。
「クマ…」
アリスは腕の中に収まっている大きなクマのぬいぐるみ…もとい、クマの着ぐるみパジャマを着ているレナに視線を落とす。
何故、レナが見た目愛くるしい着ぐるみパジャマを着ているのか。
それは数日前に遡る。
☆
『このままでは、無意識にスキルを使っているレナに負担が掛かり危険な状態になってしまうかもしれない』
『ならば、どうにかしてスキルを使用しないように出来ないか?』
『レナに何度もスキルを使わないように言っても理解出来ていない』
『ならば、レナがスキルを使わなくても済む状況になればいいのでは?』
『極力、外部の人達と接触しないようにする』
『接触したとして、レナと認知出来なければいいのでは?』
『ならば、見た目を変えるしかない!』
などなどといった議題の会議が繰り広げられ、結論としてレナにクマの着ぐるみパジャマ(超特別製の魔法的処理済)を着させる事になった。
…従魔達が精神的にいっぱいいっぱいで迷走した結果とも言う。
しかし、効果としては充分にあった。
まず、レナはよく眠る。それは幼児ゆえと思われていたが、それにしてはちょっとした移動時間や待っている間など、気付けばレナは眠っていた。
ルーカの魔眼により、その眠りの原因の大半がスキル使用による負荷が原因と分かった。
レナの無意識下にある自分を守るという部分を軽減させる為、リラックス状態を保持するという魔法効果を持たせる事により、レナの負荷による回復の為の睡眠はかなり軽減された。
次に、レナの着ている着ぐるみパジャマには視覚遮断効果と魅惑効果が付与されている。
視覚遮断効果は着た人物の印象を視覚的にボヤかすものであり、そこに魅惑効果で着ぐるみパジャマにのみ意識が集中するようになっている。
なので、端から見れば、『なんか可愛い大きなクマのぬいぐるみ』としか認識されないのである。
「頑張りました!」
胸をバイン!と揺らしながらネレネはフンス!と鼻息荒く言う。
裁縫が得意であるネレネ、アリスが本気出して調達した素材、ルーカの魔眼による魔法付与の調整、デザインを監修したキラのデータベースが結集して作り上げたこのクマの着ぐるみパジャマの価値は底知れぬ物になった。
これにより、従魔達に与える過度な影響は軽減され、比較的穏やかな日々が過ぎていった。
☆
「まぁ、おかげで色々楽にはなったけど…」
「なにかご不満でも?」
レナを見守りながら、しかし、アリスの顔色は晴れない。
それに気付いたキラは問いかける。
「レナお姉ちゃんの状態は安定したし、次の満月を待つだけになったのはいいけどね。でも、根本的な物が解決してないのよ」
「マスター・レナの願い事…ですね?」
「そう。結局、なんなのか分からずじまいでしょ?」
楽しい声を上げながら遊ぶレナを見て、アリスはこのままでいいのかな?と考えを巡らす。
せめて、言葉がちゃんと理解出来ればいいのだが、何故か幼児となったレナと会話は成立しなかった。
おそらく、2,3歳程度と思われるが、人間の幼児でもそのぐらいなら多少の意思疎通は出来るはず。
それが通用しないのでは、レナが考えている事を知る事は出来ない。
「今のところは何も解決策はありません。まだ次の満月までは猶予はあります。焦らずに様子を見るしか出来ないでしょう」
「そうなんだけどね…。おっと」
アリスの膝の上で遊んでいたレナは不意に立ち上がり、とことこと歩き出す。
ドレスの裾をキュッキュと引っ張る。
『あらあら、可愛いクマさんだこと。ハチミツはありませんよ?フフフ』
姿勢を落とした人物は、レナの頭を撫でながら朗らかに微笑んだ。
「ルージュさん」
『レナが心配なのは分かりますが、キラの言った通り焦ってはダメですよ?静かに見守る事も大事ですから。ねぇ?レナは楽しい?』
「♪♪」
『フフ、そう、みんなに愛されてるものね』
ルージュからお菓子を貰いながら、レナはとても嬉しそうに笑っていた。
スカーレットリゾート事件簿19
(気付けば19…)(多くても14,5のつもりだったのに)(あ、二次創作でっす)
「熊。植物食傾向の強い雑食性。大型の哺乳類で体長平均2m、体重平均1t。体毛色は茶系統、黒系統が主である」
「うん?」
「普通の人間が立ち向かうのは無謀であり、ひとたび襲われたなら、その巨体から繰り出される攻撃は致命傷になりうる。遭遇しないように鈴など音が出るもので早期にクマに知らせる事が有効とされる」
「う、うん?」
「残念ながら、体毛が黄色で赤い服を纏い、『ハチミツ大好き』と言う種は確認されておりません。残念ながら」
何故、2回言ったとアリスは混乱した。
「しかぁーし!それは地球での話!このラナシュでは、もしかしたらいるかもしれません!どこかにレアクラスチェンジを果たした新種のクマがいるかもしれません!」
「そ、そう。そうだといいね」
様々な資料が貼られたホワイトボードを、バンバン叩きながら腕を振りかぶり力説するキラを遠い目で眺めるアリス。
キラはクマが大好きである。
…というわけではなく、キラがクマに関して力説する原因はアリスの腕の中にあった。
「♪♪」
ぬいぐるみとぬいぐるみの中に混じって、目を閉じ微動だにしない金色の羊がもみくちゃに、いや、こねくりまわされ…いや、愛でられていた。
『あ、あぁん…』
妙に艶かしい声を出さないで!とアリスは心の中で叫んだ。本来聞こえないはずの金色羊の声はキラを通してアリスにも聞こえるようになっていた。
「クマ…」
アリスは腕の中に収まっている大きなクマのぬいぐるみ…もとい、クマの着ぐるみパジャマを着ているレナに視線を落とす。
何故、レナが見た目愛くるしい着ぐるみパジャマを着ているのか。
それは数日前に遡る。
☆
『このままでは、無意識にスキルを使っているレナに負担が掛かり危険な状態になってしまうかもしれない』
『ならば、どうにかしてスキルを使用しないように出来ないか?』
『レナに何度もスキルを使わないように言っても理解出来ていない』
『ならば、レナがスキルを使わなくても済む状況になればいいのでは?』
『極力、外部の人達と接触しないようにする』
『接触したとして、レナと認知出来なければいいのでは?』
『ならば、見た目を変えるしかない!』
などなどといった議題の会議が繰り広げられ、結論としてレナにクマの着ぐるみパジャマ(超特別製の魔法的処理済)を着させる事になった。
…従魔達が精神的にいっぱいいっぱいで迷走した結果とも言う。
しかし、効果としては充分にあった。
まず、レナはよく眠る。それは幼児ゆえと思われていたが、それにしてはちょっとした移動時間や待っている間など、気付けばレナは眠っていた。
ルーカの魔眼により、その眠りの原因の大半がスキル使用による負荷が原因と分かった。
レナの無意識下にある自分を守るという部分を軽減させる為、リラックス状態を保持するという魔法効果を持たせる事により、レナの負荷による回復の為の睡眠はかなり軽減された。
次に、レナの着ている着ぐるみパジャマには視覚遮断効果と魅惑効果が付与されている。
視覚遮断効果は着た人物の印象を視覚的にボヤかすものであり、そこに魅惑効果で着ぐるみパジャマにのみ意識が集中するようになっている。
なので、端から見れば、『なんか可愛い大きなクマのぬいぐるみ』としか認識されないのである。
「頑張りました!」
胸をバイン!と揺らしながらネレネはフンス!と鼻息荒く言う。
裁縫が得意であるネレネ、アリスが本気出して調達した素材、ルーカの魔眼による魔法付与の調整、デザインを監修したキラのデータベースが結集して作り上げたこのクマの着ぐるみパジャマの価値は底知れぬ物になった。
これにより、従魔達に与える過度な影響は軽減され、比較的穏やかな日々が過ぎていった。
☆
「まぁ、おかげで色々楽にはなったけど…」
「なにかご不満でも?」
レナを見守りながら、しかし、アリスの顔色は晴れない。
それに気付いたキラは問いかける。
「レナお姉ちゃんの状態は安定したし、次の満月を待つだけになったのはいいけどね。でも、根本的な物が解決してないのよ」
「マスター・レナの願い事…ですね?」
「そう。結局、なんなのか分からずじまいでしょ?」
楽しい声を上げながら遊ぶレナを見て、アリスはこのままでいいのかな?と考えを巡らす。
せめて、言葉がちゃんと理解出来ればいいのだが、何故か幼児となったレナと会話は成立しなかった。
おそらく、2,3歳程度と思われるが、人間の幼児でもそのぐらいなら多少の意思疎通は出来るはず。
それが通用しないのでは、レナが考えている事を知る事は出来ない。
「今のところは何も解決策はありません。まだ次の満月までは猶予はあります。焦らずに様子を見るしか出来ないでしょう」
「そうなんだけどね…。おっと」
アリスの膝の上で遊んでいたレナは不意に立ち上がり、とことこと歩き出す。
ドレスの裾をキュッキュと引っ張る。
『あらあら、可愛いクマさんだこと。ハチミツはありませんよ?フフフ』
姿勢を落とした人物は、レナの頭を撫でながら朗らかに微笑んだ。
「ルージュさん」
『レナが心配なのは分かりますが、キラの言った通り焦ってはダメですよ?静かに見守る事も大事ですから。ねぇ?レナは楽しい?』
「♪♪」
『フフ、そう、みんなに愛されてるものね』
ルージュからお菓子を貰いながら、レナはとても嬉しそうに笑っていた。
数日前に遡る系大好き!!(食いつき)
ハチミツクマさん、この概念がレアクラ世界観にのほほんと現れてくれるなんて(感激)
絵面が可愛いにもほどがある……尊い尊い……いちいち仕草が幼児なので心臓を撃たれております!バキューーン!(尊い砲)
ハチミツクマさん、この概念がレアクラ世界観にのほほんと現れてくれるなんて(感激)
絵面が可愛いにもほどがある……尊い尊い……いちいち仕草が幼児なので心臓を撃たれております!バキューーン!(尊い砲)
- 黒杉くろん
- 2020年 11月05日 13時42分
[一言]
スカーレットリゾート事件簿18
(若干シリアス?)(カルメン主体っちゃ主体)(レナの身に何かが起こっている)
ドッキドッキしながらカルメンは震える手を押さえつつレナの反応を待つ。
カルメンの持つスプーンを見てカルメンの顔を見る。
スプーン、カルメン、スプーン、カルメン、スプーン、アリス(!?)、スプーン…
レナはおもむろにカルメンの方へ近付き手を伸ばす。そして、カルメンの腕をにぎっと掴んだ。
「!?レ、レナ?」
「…」
腕を掴んだ反対の手でスプーンを握るとカルメンの手からスプーンを取る。
突然の事に力が抜けたカルメンは『え?』と口を半開きに開く。そこに突っ込まれるスプーン。
「む!むぐ…!?」
「あい!」
もぐもぐ、ごくん。
コテンと小首を傾げていかにも『おいしい?』と言いそうな表情でカルメンの顔を覗き込むレナ。
アリス、キラ、モスラへとバババッ!と顔を振り向ける。
「お味はいかがですか?」
「う、うまいぞ」
「それはようございました。マスター・レナ、カルメン様はお腹が減っていたので分けて差し上げたんですね?」
「♪♪」
キラの言っている事が理解出来てるかは分からないが、レナは片手を上げてニコニコと笑う。
「レ、レナぁ!すまぬ、すまなかった!」
目に涙を浮かべたカルメンはレナへと抱きつく。
ビックリした様子のレナだったが、『すまぬ、すまぬ』と連呼するカルメンの頭を撫でる。
「尊い」「慈愛の塊」「愛の化身」「…羨ましい」
レナの背後から畏怖とも憧憬の念とも取れる言葉が続く。
レナによりノックアウトされた従魔達が目をキラッキラさせながらレナへと熱い視線を飛ばしていた。
ー
「カルメン様。実は相談がありまして」
「なんだ?いまは忙しい」
アリスは真剣な表情でカルメンを見つめる。
カルメンはアリスの真剣な眼差しを受けても動じず、アリスの言葉をキッパリ否定する。
カルメンはふわもこのクッションに背を預け胡座をかくように座り込み、そこにレナがスポンと収まっている。
レナの頭を撫でながら、ぬいぐるみで遊ぶレナを慈しみを込めた表情と眼差しで見つめていた。
元々、かまってちゃんだったカルメンは拍車を掛けてレナから離れようとしない。
その状態に『はぁ…』と気付かれない程度のため息を漏らしたアリスは、キッと表情を改めカルメンに詰め寄る。
「相談と言うのはレナお姉ちゃんに関する事です」
「レナ?レナがどうしたというのだ?我々にこんなに懐いているではないか?何かおかしいのか?」
「そうでは無くてですね…」
アリスは淫魔のお宿♡で起きた出来事を話す。
「…という事がありまして。キラと話し合ったのですが、結論として、このままではレナお姉ちゃんが危険な状態に…」
「なんだとっ!?レナが危険だと!?レナ!どこも痛くないか!?」
「お、落ち着いてください!」
アリスの言葉を受けてカルメンはレナを持ち上げ、上から下から左右から前後から眺め回してレナの体に異変がない事を確認する。
突然の事にビックリしたレナは、次第に目尻に涙を浮かべ
「びぃやああああああああ!!」
号泣した。ガン泣きである。
『『『「「レナ様!!」」』』』
ー
「カルメン様っ」
「な、なんだ?」
「出禁、接触禁止にしますよ?」
「ぐっ…。す、すまなかった。し、しかし、元はと言えばアリスが…」
「人のせいにしてはダメでしょう?ちゃんとアリス様の話を聞かなかったカルメン様が悪いです」
「ぐぅ…」
カルメンは正座させられ、キラに説教されていた。
視線を泳がせ、しどろもどろになりながら何とか罪から逃れようとする。
しかし、キラにピシャリと言われてシュンと大人しくなった。
「キラ、私が話すから、レナお姉ちゃんの方をお願い」
「…分かりました」
「ふぅ…。カルメン様、ちゃんと話を聞いてくださいますか?」
「わかった…」
キラはカルメンを一瞥して、アリスにこの場を任せてレナの元へと行った。
「先程の話の続きですが。言葉が足りなかった事は申し訳ありませんでした」
突然のアリスの謝罪に目を白黒させるカルメン。
「…いや、我々の方こそすまなかった。レナに嫌われたくない一心で、つい…」
「分かっていますよ。レナお姉ちゃんは無意識にスキルを使っていますから、カルメン様だけでなく、他の従魔達全員が極度の魅了状態にあると予想されます。このまま、無意識にスキルを使い続けるとレナお姉ちゃんの体力、精神力が持たなくなります。なので、このままでは危険だと言ったのです」
「そ、そんな事が起きているのか…。こんなにも愛おしく思うのはスキルのせいだったのだな」
「それもあるとは思いますが、元々全員はレナお姉ちゃんに対しての好感度というか、愛情であるとか高かった。それが拍車を掛けて感情が昂っている」
アリスはそこまで言い、レナの方を振り返る。
従魔達に囲まれ、いまは落ち着きを取り戻して眠ったようだった。
「レナお姉ちゃんの事が心配なのは分かります。ですが、それで暴走してはレナお姉ちゃんの負担にもなりかねません。いまは幼児なのですよ?我々が守らねばならないのに、レナお姉ちゃんを困らせる事をしてもいいと思いますか?」
「言いたい事は分かった。…わかった、レナの身を第一に考える。スキルに関しては我々にはよく分からん。だが、レナの状態を観察して異変があればすぐに知らせよう」
「ありがとうございます。さ、レナお姉ちゃんのとこに行きましょう」
「ああ!」
アリスはカルメンの手を取り立ち上がらせて、レナの元へと向かった。
スカーレットリゾート事件簿18
(若干シリアス?)(カルメン主体っちゃ主体)(レナの身に何かが起こっている)
ドッキドッキしながらカルメンは震える手を押さえつつレナの反応を待つ。
カルメンの持つスプーンを見てカルメンの顔を見る。
スプーン、カルメン、スプーン、カルメン、スプーン、アリス(!?)、スプーン…
レナはおもむろにカルメンの方へ近付き手を伸ばす。そして、カルメンの腕をにぎっと掴んだ。
「!?レ、レナ?」
「…」
腕を掴んだ反対の手でスプーンを握るとカルメンの手からスプーンを取る。
突然の事に力が抜けたカルメンは『え?』と口を半開きに開く。そこに突っ込まれるスプーン。
「む!むぐ…!?」
「あい!」
もぐもぐ、ごくん。
コテンと小首を傾げていかにも『おいしい?』と言いそうな表情でカルメンの顔を覗き込むレナ。
アリス、キラ、モスラへとバババッ!と顔を振り向ける。
「お味はいかがですか?」
「う、うまいぞ」
「それはようございました。マスター・レナ、カルメン様はお腹が減っていたので分けて差し上げたんですね?」
「♪♪」
キラの言っている事が理解出来てるかは分からないが、レナは片手を上げてニコニコと笑う。
「レ、レナぁ!すまぬ、すまなかった!」
目に涙を浮かべたカルメンはレナへと抱きつく。
ビックリした様子のレナだったが、『すまぬ、すまぬ』と連呼するカルメンの頭を撫でる。
「尊い」「慈愛の塊」「愛の化身」「…羨ましい」
レナの背後から畏怖とも憧憬の念とも取れる言葉が続く。
レナによりノックアウトされた従魔達が目をキラッキラさせながらレナへと熱い視線を飛ばしていた。
ー
「カルメン様。実は相談がありまして」
「なんだ?いまは忙しい」
アリスは真剣な表情でカルメンを見つめる。
カルメンはアリスの真剣な眼差しを受けても動じず、アリスの言葉をキッパリ否定する。
カルメンはふわもこのクッションに背を預け胡座をかくように座り込み、そこにレナがスポンと収まっている。
レナの頭を撫でながら、ぬいぐるみで遊ぶレナを慈しみを込めた表情と眼差しで見つめていた。
元々、かまってちゃんだったカルメンは拍車を掛けてレナから離れようとしない。
その状態に『はぁ…』と気付かれない程度のため息を漏らしたアリスは、キッと表情を改めカルメンに詰め寄る。
「相談と言うのはレナお姉ちゃんに関する事です」
「レナ?レナがどうしたというのだ?我々にこんなに懐いているではないか?何かおかしいのか?」
「そうでは無くてですね…」
アリスは淫魔のお宿♡で起きた出来事を話す。
「…という事がありまして。キラと話し合ったのですが、結論として、このままではレナお姉ちゃんが危険な状態に…」
「なんだとっ!?レナが危険だと!?レナ!どこも痛くないか!?」
「お、落ち着いてください!」
アリスの言葉を受けてカルメンはレナを持ち上げ、上から下から左右から前後から眺め回してレナの体に異変がない事を確認する。
突然の事にビックリしたレナは、次第に目尻に涙を浮かべ
「びぃやああああああああ!!」
号泣した。ガン泣きである。
『『『「「レナ様!!」」』』』
ー
「カルメン様っ」
「な、なんだ?」
「出禁、接触禁止にしますよ?」
「ぐっ…。す、すまなかった。し、しかし、元はと言えばアリスが…」
「人のせいにしてはダメでしょう?ちゃんとアリス様の話を聞かなかったカルメン様が悪いです」
「ぐぅ…」
カルメンは正座させられ、キラに説教されていた。
視線を泳がせ、しどろもどろになりながら何とか罪から逃れようとする。
しかし、キラにピシャリと言われてシュンと大人しくなった。
「キラ、私が話すから、レナお姉ちゃんの方をお願い」
「…分かりました」
「ふぅ…。カルメン様、ちゃんと話を聞いてくださいますか?」
「わかった…」
キラはカルメンを一瞥して、アリスにこの場を任せてレナの元へと行った。
「先程の話の続きですが。言葉が足りなかった事は申し訳ありませんでした」
突然のアリスの謝罪に目を白黒させるカルメン。
「…いや、我々の方こそすまなかった。レナに嫌われたくない一心で、つい…」
「分かっていますよ。レナお姉ちゃんは無意識にスキルを使っていますから、カルメン様だけでなく、他の従魔達全員が極度の魅了状態にあると予想されます。このまま、無意識にスキルを使い続けるとレナお姉ちゃんの体力、精神力が持たなくなります。なので、このままでは危険だと言ったのです」
「そ、そんな事が起きているのか…。こんなにも愛おしく思うのはスキルのせいだったのだな」
「それもあるとは思いますが、元々全員はレナお姉ちゃんに対しての好感度というか、愛情であるとか高かった。それが拍車を掛けて感情が昂っている」
アリスはそこまで言い、レナの方を振り返る。
従魔達に囲まれ、いまは落ち着きを取り戻して眠ったようだった。
「レナお姉ちゃんの事が心配なのは分かります。ですが、それで暴走してはレナお姉ちゃんの負担にもなりかねません。いまは幼児なのですよ?我々が守らねばならないのに、レナお姉ちゃんを困らせる事をしてもいいと思いますか?」
「言いたい事は分かった。…わかった、レナの身を第一に考える。スキルに関しては我々にはよく分からん。だが、レナの状態を観察して異変があればすぐに知らせよう」
「ありがとうございます。さ、レナお姉ちゃんのとこに行きましょう」
「ああ!」
アリスはカルメンの手を取り立ち上がらせて、レナの元へと向かった。
バババッとかすごく臨場感あるww
ビィヤアアアアもわかりすぎる!そして焦りが手に取るようにわかりましたw
現場は情緒が大変そうだけれどこっちはめちゃくちゃ楽しいです!楽しいです!振り回されているって見応えがあっていいなあ!(高見)からの、尊い………………であまりにも気持ちがジェットコースターですありがとうございますいいものを読んでいます(噛みしめるように)
ビィヤアアアアもわかりすぎる!そして焦りが手に取るようにわかりましたw
現場は情緒が大変そうだけれどこっちはめちゃくちゃ楽しいです!楽しいです!振り回されているって見応えがあっていいなあ!(高見)からの、尊い………………であまりにも気持ちがジェットコースターですありがとうございますいいものを読んでいます(噛みしめるように)
- 黒杉くろん
- 2020年 11月05日 13時44分
[一言]
スカーレットリゾート事件簿16
(先に17入ってるけど)(15と17の間に起きた事なので)(後読みでも支障ないかと)(これはこれで楽しめるハズよっ)
カルメンの前まで進んだアリスは一度目を閉じ、気持ちを落ち着かせる為に深呼吸をした。
「カルメン様」
「ん?ああ、アリスか。何か用か?我々はいま気分が良くない」
随分と尖った物言いだったがアリスは気にした様子はない。
「何をそんなに拗ねているんですか?」
「拗ねてなどいない」
「どこをどう見ても、拗ねているようにしか見えませんよ?」
「しつこいぞ」
「藤堂レナの事…ですね?」
「!」
思い当たる事を言い当てられ、驚いたカルメンは初めてアリスの方を向いた。
モスラは『分かりやすすぎます』と苦笑めいて呟いた。
「レナはどうした?一緒ではないのか?」
「今はルーカさん達と一緒にいます。『大試着会』を従魔達みんなでやっていますよ」
「そ、そうか…」
カルメンは心なしかシュンとしたような感じになった。毛先を指先でイジイジしてらっしゃる。
「何があったんですか?お力になれるかもしれません。話してください」
「…むぅ」
アリスをチラチラと見ながら、カルメンはため息一つして話し始めた。
ー
「レナ!」
扉をバァン!と開け放ち髪をたなびかせてカルメンは部屋へと突入した。
獣姿の従魔達に囲まれてるレナを発見するやいなや、フワリと浮かび上がりレナの元へとまっしぐら。
驚いた従魔達の隙をついてレナを抱きかかえるカルメン。
「なんだこの姿は!?何があった?」
レナを上から下から左右から眺めながら、カルメンは困惑気味に問いただす。
しかし、レナはまともに喋る事は出来ず、されるがままになっていた。
幼児をいきなり驚かせるような事をし、ぐりんぐりん振り回すとどうなるか。
答えは
「びぃやああああああああ!!」
必ず泣きます。全力で。
※良い大人は真似したら、メッ!
『レナ様!』
人の姿に変身した従魔達はカルメンからレナを取り戻すべく、ピョンピョンとジャンプする。
しかし、浮いている相手には届かない。
レナの泣き声で目を白黒させるカルメンは、レナを離すまいと部屋の中を飛び回る。
追いかけっこをする事数分間。
「はぁはぁ、追い詰めましたよ、カルメン様」
「むむぅ…」
「カルメン様!マスター・レナをお離しください!怖がっていますよ!」
「そんな事…は」
キラの一言で抱えたレナの顔を見るカルメン。
目いっぱいに涙を溜めて、頬が真っ赤に染まっている。
抱えるカルメンの腕から逃れようとグイグイ押してくる。
こんな表情のレナを見た事がない。
いたたまれなくなったカルメンはそっと床に降り、ハマルとキラにレナを渡した。
「そ、その、なんだ。レナよ、すまなかった」
ドレスの裾をギュッと掴みながら、カルメンはレナへ謝る。
レナはプイッと顔を逸らした。
「!!!」
「カルメン様が悪いです。マスター・レナの事は私達にお任せください。マスター・レナの状態については後で説明しますので」
「…分かった。レナ…」
再度レナへと声を掛けるも、レナは顔を逸らしたままでカルメンの方を見ようともしない。
ガクンと肩を落としたカルメンは、チラッチラッとレナを方を振り返りながら部屋をあとにした。
ー
「…という事があった」
「………」
そりゃ、嫌われるとアリスは内心でツッコんだ。
「その様な事がありまして、カルメン様はここに引きこもっております」
「引きこもってないわ!レナに近付くとレナが泣きそうになるから、仕方なくここにおるだけだ!」
「…それ、引きこもると言うんですよ」
カルメンはモスラの冷静な一言に反発するも、アリスの再度の事実判定に口篭る。
スカーレットリゾート事件簿16
(先に17入ってるけど)(15と17の間に起きた事なので)(後読みでも支障ないかと)(これはこれで楽しめるハズよっ)
カルメンの前まで進んだアリスは一度目を閉じ、気持ちを落ち着かせる為に深呼吸をした。
「カルメン様」
「ん?ああ、アリスか。何か用か?我々はいま気分が良くない」
随分と尖った物言いだったがアリスは気にした様子はない。
「何をそんなに拗ねているんですか?」
「拗ねてなどいない」
「どこをどう見ても、拗ねているようにしか見えませんよ?」
「しつこいぞ」
「藤堂レナの事…ですね?」
「!」
思い当たる事を言い当てられ、驚いたカルメンは初めてアリスの方を向いた。
モスラは『分かりやすすぎます』と苦笑めいて呟いた。
「レナはどうした?一緒ではないのか?」
「今はルーカさん達と一緒にいます。『大試着会』を従魔達みんなでやっていますよ」
「そ、そうか…」
カルメンは心なしかシュンとしたような感じになった。毛先を指先でイジイジしてらっしゃる。
「何があったんですか?お力になれるかもしれません。話してください」
「…むぅ」
アリスをチラチラと見ながら、カルメンはため息一つして話し始めた。
ー
「レナ!」
扉をバァン!と開け放ち髪をたなびかせてカルメンは部屋へと突入した。
獣姿の従魔達に囲まれてるレナを発見するやいなや、フワリと浮かび上がりレナの元へとまっしぐら。
驚いた従魔達の隙をついてレナを抱きかかえるカルメン。
「なんだこの姿は!?何があった?」
レナを上から下から左右から眺めながら、カルメンは困惑気味に問いただす。
しかし、レナはまともに喋る事は出来ず、されるがままになっていた。
幼児をいきなり驚かせるような事をし、ぐりんぐりん振り回すとどうなるか。
答えは
「びぃやああああああああ!!」
必ず泣きます。全力で。
※良い大人は真似したら、メッ!
『レナ様!』
人の姿に変身した従魔達はカルメンからレナを取り戻すべく、ピョンピョンとジャンプする。
しかし、浮いている相手には届かない。
レナの泣き声で目を白黒させるカルメンは、レナを離すまいと部屋の中を飛び回る。
追いかけっこをする事数分間。
「はぁはぁ、追い詰めましたよ、カルメン様」
「むむぅ…」
「カルメン様!マスター・レナをお離しください!怖がっていますよ!」
「そんな事…は」
キラの一言で抱えたレナの顔を見るカルメン。
目いっぱいに涙を溜めて、頬が真っ赤に染まっている。
抱えるカルメンの腕から逃れようとグイグイ押してくる。
こんな表情のレナを見た事がない。
いたたまれなくなったカルメンはそっと床に降り、ハマルとキラにレナを渡した。
「そ、その、なんだ。レナよ、すまなかった」
ドレスの裾をギュッと掴みながら、カルメンはレナへ謝る。
レナはプイッと顔を逸らした。
「!!!」
「カルメン様が悪いです。マスター・レナの事は私達にお任せください。マスター・レナの状態については後で説明しますので」
「…分かった。レナ…」
再度レナへと声を掛けるも、レナは顔を逸らしたままでカルメンの方を見ようともしない。
ガクンと肩を落としたカルメンは、チラッチラッとレナを方を振り返りながら部屋をあとにした。
ー
「…という事があった」
「………」
そりゃ、嫌われるとアリスは内心でツッコんだ。
「その様な事がありまして、カルメン様はここに引きこもっております」
「引きこもってないわ!レナに近付くとレナが泣きそうになるから、仕方なくここにおるだけだ!」
「…それ、引きこもると言うんですよ」
カルメンはモスラの冷静な一言に反発するも、アリスの再度の事実判定に口篭る。
[一言]
更新有り難うございます。
今回も楽しく読ませて頂きました。
……初手、タイトルで吹きました!?
そっか……魔王に乗って……。
……マイル貯まるかな?
蜘蛛宰相「……寧ろ、参る(苦労・疲労)が貯まっているのは
私たちの方ですね……?」
更新有り難うございます。
今回も楽しく読ませて頂きました。
……初手、タイトルで吹きました!?
そっか……魔王に乗って……。
……マイル貯まるかな?
蜘蛛宰相「……寧ろ、参る(苦労・疲労)が貯まっているのは
私たちの方ですね……?」
エピソード357
[良い点]
現状投稿されている分まで読み終えました。
可愛い感じで面白かったです。
挿絵も可愛くて好きです。
[気になる点]
>「……私は自分がちゃんと愛情を注いであげられる子たちしかテイムしませんから! か、帰ってーー!」
↑この小説に上記の様に書いてありますけど、こんな場面ありませんでしたよね?(読み逃しならすみません)
夢組織のメンバーなんて、レナ自信が選んだ訳でもないので、正に上記セリフの通りだと思いますけど、素直に契約しましたね。違和感がありました。
現状投稿されている分まで読み終えました。
可愛い感じで面白かったです。
挿絵も可愛くて好きです。
[気になる点]
>「……私は自分がちゃんと愛情を注いであげられる子たちしかテイムしませんから! か、帰ってーー!」
↑この小説に上記の様に書いてありますけど、こんな場面ありませんでしたよね?(読み逃しならすみません)
夢組織のメンバーなんて、レナ自信が選んだ訳でもないので、正に上記セリフの通りだと思いますけど、素直に契約しましたね。違和感がありました。
感想ありがとうございます!
楽しんでいただけたみたいでこちらも嬉しいです〜!><
>あらすじの一文
五年前このようになる予定だったのですが、書いているうちに横道に逸れたり表現が変わってきたので、そろそろあらすじを見直してみますね。ご意見ありがとうございました。
楽しんでいただけたみたいでこちらも嬉しいです〜!><
>あらすじの一文
五年前このようになる予定だったのですが、書いているうちに横道に逸れたり表現が変わってきたので、そろそろあらすじを見直してみますね。ご意見ありがとうございました。
- 黒杉くろん
- 2020年 10月23日 13時58分
[気になる点]
イヴァンしつこくない?
スイも幸せになれると良いのですが…。
イヴァンしつこくない?
スイも幸せになれると良いのですが…。
エピソード257
感想ありがとうございます!
イヴァンはしつこいですね。
能力があり何にでもなれて、でもこれといった情の執着がなかった人なので。
レナパを見つけてから能力を駆使して追いかけてくるのはかなりしぶといのではと想像します。
スイも、できればすぐなんとかしたいと思いつつ、作者だからこの子の辛いところの物語も書いていきますね。スイはそのうちマルクにもレナにも会うことになります。
イヴァンはしつこいですね。
能力があり何にでもなれて、でもこれといった情の執着がなかった人なので。
レナパを見つけてから能力を駆使して追いかけてくるのはかなりしぶといのではと想像します。
スイも、できればすぐなんとかしたいと思いつつ、作者だからこの子の辛いところの物語も書いていきますね。スイはそのうちマルクにもレナにも会うことになります。
- 黒杉くろん
- 2020年 10月23日 14時03分
[一言]
スカーレットリゾート事件簿17
(二次創作ですよ)(想像妄想ですよ)(想像執筆ですよ)
アリス、モスラ、カルメンの3人は目的の部屋に向かって廊下を歩いていた。
拗ねたカルメンをどうにか宥めて、しがみつく玉座から物理的にモスラが引き剥がし、レナの元へと向かっているのである。
「大丈夫なのだろうな?」
「とりあえず、レナお姉ちゃんは今は落ち着いているみたいですし、このままじっとしていても状況は悪化するだけだと思います」
再三、カルメンからの『ホントに大丈夫?』が繰り返され、アリスは根気強く説得する。
カルメンは強大な力を持つ古代精霊である。
レナが幼児化して従魔に与える影響が未知数の状態で、カルメンが暴走するような事になれば…と、アリスはブルッと身震いする。
モスラは1歩引いた位置から不安げな様子の主人を優しく見守っている。
何かあれば身を呈して守る、と決意を新たにして。
「ここね」
キラの分身体からレナの様子を逐一報告してもらっていたアリス。
目的の部屋の扉のノブに手を掛け背後を振り返る。
「カルメン様。一先ず様子を見ますから、勝手に動かないでください」
「む。…分かった。言う通りにしよう」
命令されたような口調だったが、自分ではどうにもならないと分かっているカルメンは、アリスの言葉に素直に頷いた。
扉を開け静かに入る3人。そして固まる。
―
部屋の中はファンシー空間になっていた。
壁は色とりどりに彩色されたシャボン玉。
フワフワとゆったり泳ぐシャボンフィッシュ。
床はモコモコふわふわの金色の絨毯が一面に敷かれている。
部屋の中の調度品は全て赤よりのピンク色に染め上げられ、角は全てフワもこのファーが取り付けられていた。
部屋の中央には、遠目からでも分かるもっふもふの大量のクッションに囲まれ、魔物姿の従魔達を侍らせ頬ずりしたり撫で回したりする幼児の姿があった。
「あ。マスター・レナ。アリス様が来ましたよ」
キラに呼ばれ顔を上げたレナは、アリスとモスラの顔を向け笑顔になるが、アリス達の背後に隠れるように立つカルメンの姿を見ると『スン』とした表情になった。
「!!」
カルメンは口に手を当てふるふると震えた。
気のせいか泣きそうな顔である。
「ア、アリスよ!話が違うではないか!」
「これからですからっ!まだ何もしてないじゃないですか!」
アリスの両肩を掴みガックンガックン揺らして責めるカルメン。
モスラが止めに入ろうとしたその時、アリス達が入ってきた扉が開かれる。
「カルメン様なのヨー」
「ホントですねぇ。どうしたんですかぁ?」
入ってきたのはミディとチョココだった。
2人で大きなカートワゴンを押して、その後からワラワラとスィーツモムが続く。スィーツモムは複数で1つの大きな皿を幾つも運んでいた。
「え?あ、ちょっとね。ところでそれは?」
カルメンに肩を掴まれたまま、アリスはワゴンが気になり問い掛ける。
「レナ様のご飯なのヨー!」
「いっぱい作りましたー!」
ふんすと鼻息荒く2人は胸を張って言う。
「これだわ…!」
「何がだ?」
「では、ご用意致しますね」
?を浮かべるカルメンの隙に、アリスをサッと取り返したモスラは一礼を取りミディ達と一緒に向かった。
出来る執事は主人の一言で全て理解するのである。
ー
「はい、アーン」
(アーン)
小指の先ほどにまとめられた食事をもっきゅもっきゅと食べるレナ。
その様子を周りで見てる従魔達は皆顔がゆっるゆるになっている。
「レナ様ぁ、こっちもどうぞ」
(アーン)
外出から戻って来ていたクレハ、イズミコンビは2人で別々のスプーンとフォークでレナの口元に運ぶ。
へにょりとスライム姿になりタレた。
「レ、レナ様!お、俺のもっ!」
「主さん、こっちも…」
続くレグルス、オズワルドのもぱくっぱくっ!と食べるレナ。ニッコリスマイル付きだった。
レグルスは『ゴロゴロゴロ…』と喉を鳴らし、オズワルドは頬を真っ赤にして尻尾をぺしんぺしん絨毯に叩き付ける。
キサ、シュシュ、リリーは頭からプシューと湯気を出しヘナヘナと崩れる。追撃のレナの頭ナデナデでトドメを刺される。
『さっすがレナ様〜。全員ノックアウトです〜』
「ハマル。1番にノックアウトされて1番に目を覚ましたの誰だっけ?」
『レナ様と感情共有して、ずっと笑い転げてたの誰でしたっけ?』
「……」『……』
睨み合うハマルとルーカ。勝敗は付かなかった。
「アリス様、カルメン様。ご用意が出来ました」
「ありがとう、モスラ。さ、カルメン様、こちらに」
「マスター・レナが好きな物を揃えてますので、どれでもどうぞ」
皿の上にある小さなスプーンには料理が完成されていた。
幼児でも食べれるように味を調整した、あらゆる料理が超ミニマムサイズで表現されているのだ。
キラの情報収集力と素材調達、それにモスラの技術力と天元突破信仰心が組み合わさり、絶技と言える調理を完成したのだった。
アリスとカルメンはそれぞれスプーンを取り、レナへと近付く。
「はい、レナお姉ちゃん。アーン」
(アーン)
ぱくっ!もっきゅもっきゅ!
「♪♪」
効果はバツグンだ!
「次はカルメン様の番ですよ」
「う、うむ」
アリスは赤面しながらカルメンへ促す。ドッキドッキしながら震える手を押さえつつ、カルメンはレナの口元へとスプーンを運ぶ。
「あ、あ、あー…ん」
スプーンとカルメンを交互に見つめるレナ。
額に汗を滲ませゴクリと喉を鳴らすカルメン。
ハラハラとした面持ちで見守る従魔達。
そして、レナが取った行動は……
スカーレットリゾート事件簿17
(二次創作ですよ)(想像妄想ですよ)(想像執筆ですよ)
アリス、モスラ、カルメンの3人は目的の部屋に向かって廊下を歩いていた。
拗ねたカルメンをどうにか宥めて、しがみつく玉座から物理的にモスラが引き剥がし、レナの元へと向かっているのである。
「大丈夫なのだろうな?」
「とりあえず、レナお姉ちゃんは今は落ち着いているみたいですし、このままじっとしていても状況は悪化するだけだと思います」
再三、カルメンからの『ホントに大丈夫?』が繰り返され、アリスは根気強く説得する。
カルメンは強大な力を持つ古代精霊である。
レナが幼児化して従魔に与える影響が未知数の状態で、カルメンが暴走するような事になれば…と、アリスはブルッと身震いする。
モスラは1歩引いた位置から不安げな様子の主人を優しく見守っている。
何かあれば身を呈して守る、と決意を新たにして。
「ここね」
キラの分身体からレナの様子を逐一報告してもらっていたアリス。
目的の部屋の扉のノブに手を掛け背後を振り返る。
「カルメン様。一先ず様子を見ますから、勝手に動かないでください」
「む。…分かった。言う通りにしよう」
命令されたような口調だったが、自分ではどうにもならないと分かっているカルメンは、アリスの言葉に素直に頷いた。
扉を開け静かに入る3人。そして固まる。
―
部屋の中はファンシー空間になっていた。
壁は色とりどりに彩色されたシャボン玉。
フワフワとゆったり泳ぐシャボンフィッシュ。
床はモコモコふわふわの金色の絨毯が一面に敷かれている。
部屋の中の調度品は全て赤よりのピンク色に染め上げられ、角は全てフワもこのファーが取り付けられていた。
部屋の中央には、遠目からでも分かるもっふもふの大量のクッションに囲まれ、魔物姿の従魔達を侍らせ頬ずりしたり撫で回したりする幼児の姿があった。
「あ。マスター・レナ。アリス様が来ましたよ」
キラに呼ばれ顔を上げたレナは、アリスとモスラの顔を向け笑顔になるが、アリス達の背後に隠れるように立つカルメンの姿を見ると『スン』とした表情になった。
「!!」
カルメンは口に手を当てふるふると震えた。
気のせいか泣きそうな顔である。
「ア、アリスよ!話が違うではないか!」
「これからですからっ!まだ何もしてないじゃないですか!」
アリスの両肩を掴みガックンガックン揺らして責めるカルメン。
モスラが止めに入ろうとしたその時、アリス達が入ってきた扉が開かれる。
「カルメン様なのヨー」
「ホントですねぇ。どうしたんですかぁ?」
入ってきたのはミディとチョココだった。
2人で大きなカートワゴンを押して、その後からワラワラとスィーツモムが続く。スィーツモムは複数で1つの大きな皿を幾つも運んでいた。
「え?あ、ちょっとね。ところでそれは?」
カルメンに肩を掴まれたまま、アリスはワゴンが気になり問い掛ける。
「レナ様のご飯なのヨー!」
「いっぱい作りましたー!」
ふんすと鼻息荒く2人は胸を張って言う。
「これだわ…!」
「何がだ?」
「では、ご用意致しますね」
?を浮かべるカルメンの隙に、アリスをサッと取り返したモスラは一礼を取りミディ達と一緒に向かった。
出来る執事は主人の一言で全て理解するのである。
ー
「はい、アーン」
(アーン)
小指の先ほどにまとめられた食事をもっきゅもっきゅと食べるレナ。
その様子を周りで見てる従魔達は皆顔がゆっるゆるになっている。
「レナ様ぁ、こっちもどうぞ」
(アーン)
外出から戻って来ていたクレハ、イズミコンビは2人で別々のスプーンとフォークでレナの口元に運ぶ。
へにょりとスライム姿になりタレた。
「レ、レナ様!お、俺のもっ!」
「主さん、こっちも…」
続くレグルス、オズワルドのもぱくっぱくっ!と食べるレナ。ニッコリスマイル付きだった。
レグルスは『ゴロゴロゴロ…』と喉を鳴らし、オズワルドは頬を真っ赤にして尻尾をぺしんぺしん絨毯に叩き付ける。
キサ、シュシュ、リリーは頭からプシューと湯気を出しヘナヘナと崩れる。追撃のレナの頭ナデナデでトドメを刺される。
『さっすがレナ様〜。全員ノックアウトです〜』
「ハマル。1番にノックアウトされて1番に目を覚ましたの誰だっけ?」
『レナ様と感情共有して、ずっと笑い転げてたの誰でしたっけ?』
「……」『……』
睨み合うハマルとルーカ。勝敗は付かなかった。
「アリス様、カルメン様。ご用意が出来ました」
「ありがとう、モスラ。さ、カルメン様、こちらに」
「マスター・レナが好きな物を揃えてますので、どれでもどうぞ」
皿の上にある小さなスプーンには料理が完成されていた。
幼児でも食べれるように味を調整した、あらゆる料理が超ミニマムサイズで表現されているのだ。
キラの情報収集力と素材調達、それにモスラの技術力と天元突破信仰心が組み合わさり、絶技と言える調理を完成したのだった。
アリスとカルメンはそれぞれスプーンを取り、レナへと近付く。
「はい、レナお姉ちゃん。アーン」
(アーン)
ぱくっ!もっきゅもっきゅ!
「♪♪」
効果はバツグンだ!
「次はカルメン様の番ですよ」
「う、うむ」
アリスは赤面しながらカルメンへ促す。ドッキドッキしながら震える手を押さえつつ、カルメンはレナの口元へとスプーンを運ぶ。
「あ、あ、あー…ん」
スプーンとカルメンを交互に見つめるレナ。
額に汗を滲ませゴクリと喉を鳴らすカルメン。
ハラハラとした面持ちで見守る従魔達。
そして、レナが取った行動は……
KAWAII!!!!!
幼児とファンシーなんて全世界が許すやつ……!世界平和!!(大声)
アリスのアイデアめちゃくちゃいい。カルメンそこ緊張しちゃうの? ねえ緊張しちゃうの!?んでどうなるの!?
このドキドキを読者として待てるの嬉しすぎるのでありがとうございます!!!!!!
幼児とファンシーなんて全世界が許すやつ……!世界平和!!(大声)
アリスのアイデアめちゃくちゃいい。カルメンそこ緊張しちゃうの? ねえ緊張しちゃうの!?んでどうなるの!?
このドキドキを読者として待てるの嬉しすぎるのでありがとうございます!!!!!!
- 黒杉くろん
- 2020年 10月23日 14時05分
[気になる点]
ミディちゃんも食事はするのでしょうか?
まさか自分を!?w
ミディちゃんも食事はするのでしょうか?
まさか自分を!?w
エピソード174
感想ありがとうございます!
自分の味の確認はたまにしていると思います。
焼くのは白炎がないと無理なので、生食ですね!
他、海の小魚などを食べてより塩気のちょうど良いイカ刺しになっているようです〜!(グッ)
自分の味の確認はたまにしていると思います。
焼くのは白炎がないと無理なので、生食ですね!
他、海の小魚などを食べてより塩気のちょうど良いイカ刺しになっているようです〜!(グッ)
- 黒杉くろん
- 2020年 10月20日 20時20分
[気になる点]
制裁されてなくないですか?
スカッとするかと思ったら全然しなかった。
制裁されてなくないですか?
スカッとするかと思ったら全然しなかった。
エピソード61
感想ありがとうございます!
この痛手で制裁ですねというご意見もいただいているので、受けとる方によって違うようです。合わなかったらすみません><
この痛手で制裁ですねというご意見もいただいているので、受けとる方によって違うようです。合わなかったらすみません><
- 黒杉くろん
- 2020年 10月18日 12時25分
[一言]
更新有り難うございます。
今回も楽しく読ませて頂きました。
レナさんが相変わらずだぁ……。
(世界基準では普通になりつつ?)
……そして、ドリュウさんが泣いている(?)間に
状況は悪化の一途を!?
更新有り難うございます。
今回も楽しく読ませて頂きました。
レナさんが相変わらずだぁ……。
(世界基準では普通になりつつ?)
……そして、ドリュウさんが泣いている(?)間に
状況は悪化の一途を!?
エピソード356
感想ありがとうございます!
レナさんはちょっと状態異常につきより判断スピードアップしていますねw
まわりが見知った人ばかりで(そんなもん)と思ってもらえるからギリ助かってる…!
とりあえず目的は「ちょっとずつ前みたいに回復しつつ、神様の謎をききつつ、レナさんと魔物使いと元の世界のことを知り、兄の来訪をうけとめる」です!
レナさんはちょっと状態異常につきより判断スピードアップしていますねw
まわりが見知った人ばかりで(そんなもん)と思ってもらえるからギリ助かってる…!
とりあえず目的は「ちょっとずつ前みたいに回復しつつ、神様の謎をききつつ、レナさんと魔物使いと元の世界のことを知り、兄の来訪をうけとめる」です!
- 黒杉くろん
- 2020年 10月18日 12時33分
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