感想一覧

▽感想を書く
感想絞り込み
全て表示
[1] << Back 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  Next >> [47]
[一言]
今回も『奇』祭に参加させていただいてありがとうございます。

・人違い
 プレッシャーを克服してやり遂げたあとの爽快感。振り返ればなんてこともない、自分の想像が生み出したもので克服して、また次に進める。そんな物語で勇気づけられました。

・未来の友達
 1964年と2020年のオリンピックを重ね合わせた手法に感動いたしました。
 また、最近私は川沿いを早朝散歩しているんですが、「俺はアベベみたいなマラソン選手になる」と言いながら走る、毎日すれ違う少年の顔が、写真で見た父の子どもの頃と瓜二つで、もやもやしていたのですが、そのことも腑に落ちました。(冗談です)

作品を楽しむことはもちろん、私自身の刺激になりました。
また、次回も参加させていただけたら嬉しいです。奇祭り、まだまだ続きね。とても楽しみです。
  • 投稿者: 池田瑛
  • 2019年 03月27日 22時14分
 感想ありがとうございます。また、今回のご参加にも感謝であります。

「人違い」
 原案を拝見して、「あ、俺ショパンの顔見て『こいつショパンだ』ってわからないかも」と思ったところからこんな話になりました。
 公開後に他の方とのやり取りをして、「最終的に全てを駆逐して返り咲く聖徳太子」という別のオチに到着したのですが、現状とどちらがよかったのか悩むばかりです。(真顔)

「未来の友達」
 原案がオリンピックということで、できるだけ絡めてみました。そう仰っていただけて何よりであります。
 競技の方はマップを見ながら新宿ダンジョン走破、みたいな方角で考えてみたのですが、ルール説明だけで長くなったので現状のちらっとだけ語る形に落ち着きました。

 残る祭り話も、お付き合いとお楽しみいただけましたら幸いです。
[一言]
長く溜めておいて申し訳ない(;´Д`)
でも、まとめて読むのも楽しかったです(反省しろ)!
次は『奇』の書籍化待ってます(。・ω・)b




『人気歌手』
歌は世につれ世は歌につれ…流行が変わっても技術点は変わらない! 幽霊って、どうにかして現世の人間と繋がりたいと聞くから、これってお互いにギブアンドテイクな関係なのかも。
殿様の花嫁になって「幽霊とケコーンしてみた」な動画をアップして、そこから心霊アイドルへの道を駆け上るのだ! んでイナジュンと共演して(ry


『地を揺るがす』
寝待ちw 狸寝入りってのが嫌ですね。こっちが気付いてることに気付いてる奴って、総じてタチが悪いような。そんな夜中に道端で大イビキが聞こえたら不気味だわー…。


『釘づけ』
そして河川敷には仲良く寄り添う男女の姿が…とはならなくて良かった。恋は盲目とは言うけれど、これタイトルに2つの意味があるのね。主人公は女性に釘付け、女性は河川敷に釘付け。
うっかり顔を見なくて幸せだったんじゃないかしら。


『破裂する』
吝嗇腹黒僧侶か…はて誰のことだろうね(すっとぼけ)。いやでも僧侶が詐欺はいかん。こんな輩がいるから我々は色眼鏡で見られるのだ。仏罰グッジョブである。しかしこの仏師、数少ない時限式仏像爆弾の職人…ん、待てよ…まさか彼も住職を爆死させて寺の宝物を狙う詐欺師だったのか…!?
こういう昔話みたいなのは大好きです。悦っちゃんに語ってほしかったなぁ。


『煽られる』
流行りのあれだね。っていうか、あれが違法じゃないことにビックリだよ。完全に道交法違反だと思ってたよ!
なんでそんなに急ぐんだ…と思ったけど、こいつも別の何かに煽られてた可能性があるな。
消えた車は何処へ行ったんだろう。博多湾かな?


『くるくる』
好みの不気味さ! 洗濯機の怪談は意外に多いんだけど、どうも人間って回ってるものに弱い気がする。目が引き付けられちゃうし、無意識に呪術的な意味合いを感じちゃうのかも。本能的に恐れ、それでいて惹かれる。伊藤潤二氏の「うずまき」という傑作もあるね。私も無性に飛び込んでみたくなることがあるよ。
何故か「くねくね」の都市伝説を思い出した。


『頭の上の蝿』
これって、本体は…そっちかい…? それか、八重ちゃんは実は嘘付きで、適当なことばっかり言ってたら霊が怒ったとか。いずれにせよ、妙に引っ掛かるタイトルがナイスです。
主人公が予知を信じて従ってるところが一番怖いね。いずれとんでもない目に遭いそうな気がする。盲信はいかんよ。


『天に昇る』
柳田国男っぽい雰囲気が好きだ。そういえば似た話を聞いたことがあるなぁ。確かあれは頭だったけど。見上げた雲目には大きな牛の首が覗いていたとかなんとか。
凄い個人的な解釈なんだけど、これって宇宙人のことなんじゃないかなと思ってる。つまり民間伝承とみせかけて、実はコズミックホラーだったんだよ!
Ω ΩΩ< ナ、ナンダッテー!!
あ、余談だけど、お釈迦様は母上の脇から生まれたらしいぞ。


『入ってます』
ドウモ、トウメイ=ニンゲンサン。ハイクを読め。
コミカルな話なのに、普通に怖い。謎のトラウマを刺激された。こう、靴下だけとかシャツだけとか、そういうのが勝手に動いてるのって、やたら怖い。ぶっちゃけ人形より怖いんだが。理由を自己分析しても、うねうね動く靴下がボンヤリ思い浮かぶだけ…もしかしたら幼い頃に恐怖体験してるのかもな。


『狐隠し』
狐が化かす話は多々あるけれど、たまに洒落にならん奴がいるから困る。何が不満なのか知らんがそこまでしなくても…っていう。でもまぁ、だから怖いのか。
最初、お婆さんが怪しいと思ってた。だって掘っても掘らなくても娘さんは…ねぇ? 知らない方がいいってことなのか? 親切なのか悪意なのかもわからないし、ひたすら不気味。


『蛙鳴千夜一夜』
こういう優しいメルヘンは大好きなのだよ。年甲斐もなく!
話をしてもらいながら眠るのって幸せだものね。多くは子供の頃だけの特権で、大人になるとそんな機会もなくなっちゃう。だからこそ、甘い記憶として残るんだろうなぁ。カエルってのがまたいい。カエル可愛いよカエル。飼いたいけど意外に難しいよ!
人間に戻ったら、金髪碧眼のイケメン王子になるのだろう。あ、じゃあやっぱり掴まえて飼っておくべきか。

  • 投稿者: 雪麻呂
  • 2019年 03月25日 09時03分
 感想ありがとうございます。というか、すっかり返信したつもりでしておりませんでした。まったくもう、うっかりこの上なくて申し訳ない……。


「人気歌手」
 ライトな『耳なし芳一』風味でいってみました。
 なので殿は波間に沈んだやんごとなきお方です。動画アップとかあきまへん!


「地を揺るがす」
 油断しているのではなく、油断した振りで虎視眈々とこ様子を伺っている。気になってそちらを見てしまうのが向こうのトリガー、みたいな話でした。仰る通り性質が悪い。
「自分だったら見てたかも」みたいに行動を重ねて想像していただけたら何よりです。


「釘付け」
 見えないからこそ見たくなる。ちょっとでも気になると、その関心を間口にどんどん侵蝕してくる。
 そういう意味で「地を揺るがす」と似たタイプの怪異でした。
 窓ガラスに阻まれなければ、障害物を開けたり迂回したりする思考能力を奪う系でなければ、河川敷で寄り添っていたのかもしれません。


「破裂する」
 繁盛すると恨まれるのが坊主と医者とはよく言ったもので。
 仏師は狙って作ったわけじゃないのに、そういうことができる人間だと目をつけられて、このあと苦難の人生を歩んだかもしれません。
 そしてたまに書く「○州での話である」スタートのヤツは、大体「まんが日本昔ばなし」イメージであります。


「煽られる」
 語り手からすればおかしな車に煽られただけの話。
 でもその車はなんでそんなに急いでいて、どうして音もなく消え失せたのか……って方角から見ると、みたいな話でした。
 天狗に攫われたならそのうち帰ってくるかもですが、場合によってはレン高原です。


「くるくる」
 これは自分の中でも好きな話です。認識改変系というか、精神汚染系というかな感じは、確かに「くねくね」に通じるところがあるかも。
 あと渦巻きってじいっと見ちゃいますよね。伊藤潤二さんの「うずまき」はやばかった。いやあの人のお話は大体やばいんですけども。


「頭の上の蝿」
 俺としては、八重ちゃんが嘘つきパターンを意図して書きました。霊は彼女の虚言を信じて、言う通りにしていたのに不幸に遭った子ですね。八重ちゃんにはなんの力もないから、盲信したのが悪いのにひたすら恨んでいるという。
 語り手は盲信というよりも、面倒だから何も考えないタイプなので、実は非常に性質が悪い人物のように思います。


「天に昇る」
 虚舟はUFOだったとか、妖怪の目撃譚と宇宙人との接触談は共通点が多い、みたいな話もありますし、これも一種のキャトルミューティレイション?
 というかその「見上げた雲目には大きな牛の首が覗いていた」って話、ものすごく気になるんですけども!


「入ってます」
 慈悲をください。
 悪意はないのかもしれないけれど、意地が悪い中身さんです。そしてうねくる靴下はなんかいいイメージなので、そのうちそんなので一編書かせていただくかもしれません。
 

「狐隠し」
 この話、狐がどうして化けたのか一切語られておりません。実は狐が事故で死にかけた娘に頼まれて、みたいな泣けるバックストーリーがあったのかもしれません。
 婆ちゃんは「知らぬが仏」を実践させるべくちょっかいかけた親切のつもり説と、仲間の正体がばれないように口出しした狐説、ふた通りを用意しております。


「蛙鳴千夜一夜」
 語り聞かせは物語を楽しむのと同時に、語ってくれる人の優しさに包まれるものであると思います。
 そんなイメージで子供の枕元でコミカルに語るシチュエーションを想像した時、不思議と真っ先に浮かんだのが蛙だったのです。どうしてかは謎だけれど、妙にはまった気が俺もしております。
 そしてもし蛙がイケメン王子だったとしても、いやイケメン王子であったればこそ、掴まえて飼うとか言っては駄目です。
[良い点]
『狐隠し』
スーッと体温が下がった気がするラストでした
成り代わって、隠したんだ……
近所のおばあさんが何者なのかも気になりますが、いつも通りに学校から帰ってくるであろう「娘ではない」モノをこれから迎える母親がどんな心境・行動をとるのかと思うとぞくりとします
[一言]
移植ごて、調べてみたらなるほど!と思いました
これならスコップシャベル論争を避けられますね…!
 感想ありがとうございます。
 知らぬが仏か、それでも真実を知りたいか。そんな二律背反風味を「鍛冶が嬶」的な要素と混ぜてみました。
 物語が終わったあとを想像してもらってこその短編ですから、語り手のこれからを想像してぞくりとしていただけたのは嬉しいことです。
 そして言葉を翻すようですが、まったく触れられてない狐の側にも何かやむにやまれぬ事情があったかもしれないわけで。
 ひょっとしたら歪な親子は、隠したまま続いていく可能性もあるやもしれません……などと別方向の余地も示唆だけして、返信結ばせていただきます。
[良い点]
『煽られる』
騒音からの一転、静けさがほんのりと怖い。
通りすがりらしきところを見るに、狙われてた訳じゃない様子。いつもこうして、どこかで誰かを煽っているのか、それとも今夜はたまたま急いでるのか。
急いでるのだとしたら何があったんでしょうね。くれぐれも事故にはお気を付けて。
 感想ありがとうございます。
 語り手視点だと「こっちを煽ってきて、しかも一瞬で音もなく消え失せた危険運転の変な車」で終わってしまう話であります。
 でも視点を変えると、「深夜信号無視で突っ走るワゴンにはどんな急ぐ理由があったのか」的な話になります。もしかしたら何かから、必死で逃げる途中であったのかもしれません。撥ねないように停車したおかげで、わざとゆっくり渡る歩行者の所為で、その何かに追いつかれてしまったのかもしれません。
 語り手は不思議とドライバーの顔を見ていないので、真相は藪の中なのですけれどもね。
[一言]
年を越してしまって申し訳ありません(;´Д`)
誤字報告(使ってみた)も兼ねて、新年一発目の感想欄にお邪魔します。


「寝ずの番」
このサンタさんってもしやガチムチの拳法使いだったりする?w まぁ信じてる子のところにしか来ないって言うもんね。だからうちには来なかったんや。寺には来んのや…異教徒には厳しいんや。
マジレスすると、これ両親がサンタだから。普段は一般人だけど、シーズン限定の契約社員だから!

「世話を焼く」
そこまで焼いてくれるのねw 本当に一言で終わってしまう会話が、切なくも青春ホロ苦風味。いつかこの二人が結婚して、次郎丸にも子供が生まれて、お互い二世代でヤレヤレやってる風景が目に浮かんで和む。
なんとなく主人公は尻に敷かれそうです。

「勢いづく」
明けましておめでとうございます。今年は亥年だね。
「こんな初夢は嫌だ」みたいな話だけど、どうやら只の夢ではないようで。っていうか彼女が只者ではないようで。それ告白する口実が欲しかっただけだろ? 壮大な言い訳に聞こえないでもないw
こういう話の分析は野暮だが、敢えてやるなら、猪の群れは社会の良くない流行や常識、同調圧力のようなものの比喩で、彼女はそれから主人公を救ってくれる女神様なのかも。

  • 投稿者: 雪麻呂
  • 2019年 01月06日 15時24分
 感想と誤字報告、ありがとうございます。
 後者は早速適用させていただきました。あの機能、本当に便利で助かります。

「寝ずの番」
 確認されない限り箱の中の猫の生死が確定しないように、未確認である限り、サンタさんもまた可能性の揺らぎの中にいるのです。マッチョかそうでないか。その答えはあなたの心の中に。
 あとまあ身も蓋もないことを言ってしまうと、「プレゼントを期待していい子でいる」って姿勢がもういかんような気もするのです。

「世話を焼く」
 犬は自分のポジションを、家族ヒエラルキーの最下位のひとつ上に置くと申します。つまり語り手は次郎丸にとっての弟なので、色々お節介してしまうのです。
 あと知りに敷かれるというか、「なんでもジロウを頼らないの!」って叱られてそうな気がします。

「勢いづく」
 戌年から亥年へのバトンタッチということで、こんな二編でした。
 世話を焼かれるばっかりの前話とは違ってこちらの語り手はアブレッシブですから、こんな体験すら口実です。何もなくともアタックしまくっていたことでしょう。言い訳すらしないぜ。
 ねーちゃんが何者かは謎ですが、まあ流行や勢いに乗せられるのじゃなく自分で考えて走りなさいよ、ってのがデコピンの意味合いでしょうか。
[良い点]
ハッピーホリデーなプレゼント、ありがとうございます!
[一言]
そんなサンタさん、殺生な!!!
と、思わず叫んでしまいました。ある意味頑張ったのに、切ない。やはり「生け捕り」を試みたところがいけなかったのでしょうか。「大好きなサンタさんに会ってお礼を言いたいの」みたいな気持ちなら、ワンチャンあったのかも……。

そしてこのサンタさんも、やっぱり拳で語るタイプなのかなと、変なことが気になりました。
 こちらこそ、ご感想ありがとうございます。
 頑張りは認めるけれど、子供が悪い方向に進んでしまったなら、きちんと向き合って咎めてやるのが大人というものなのです。最後の最後で持ってきたプレゼントを渡せなくなった、サンタさんだって悲しいのです。
「お礼を言いたい」系の純な気持ちなら、ついうとうとしてしまったところにヒゲの感触がして、はっと靴下を探ったらもうプレゼントが……みたいな展開になったのかもしれません。

 そして俺はもうどう足掻こうと、筋肉サンタのイメージから逃れられぬのだと思いました……。
[一言]
遅くなってすみません(;´Д`)
久し振りにコチラにお邪魔します。

「割られる」
メルヘンも一歩間違えば悪夢に…好物のテイストです。このスレスレな引き際が絶妙ですね。侵入してくる輩は何者なんでしょうねぇ。窓割ってるし、あんまり友好的じゃないのは確かだよね…。


「取られる」
これは主人公が悪いね。こういうときは、まずお猫様のために特別大きなのを一匹お供えしなければ。古事記にもそう書いてある。怠るとお猫様がお怒りにるのだ。従って有罪!


「夢葬」
そして墓は六つに七つに…後の八墓村である(嘘)。
死んだとか事故ったとかじゃなくて、いなかったことになってるのが不気味。タイトルが幻想的で好きです。


「足引きヶ浜」
仏様しっかりしてください(´・ω・`)
幽霊の仕業じゃないでしょ、これ。もっと圧倒的で絶望的な存在が海の底にいるんだよ! 冒涜的で名状しがたい何かが! いあいあ!




  • 投稿者: 雪麻呂
  • 2018年 12月22日 04時00分
 いつも感想ありがとうございます。
 年の瀬も押し迫りご多忙な頃とも思います。関東ですら寒さが強まる様子ですので、病弱系美少女の雪麻呂さんにはくれぐれもご自愛願いたく存じます。
 いや本当に真面目な話、体調を崩されているのではと案じておりましたぜ。

「割られる」
 牧歌的な光景が一石で変貌する様は、俺も好みであったりします。
 窓向こうの輩は結構攻撃的な雰囲気ですが、いきなりぴしゃりと窓を閉められた悲しみを暴力で発露してしまったツンデレ系だと思えば友好関係が築ける……かも?
 直球で「窓に! 窓に!」的なオチかもしれませんけれど。

「盗られる」
 人類はお猫様の奴隷になるために存在しているのだから、有罪判決も致し方なし。
 お猫様が人間をどう考えているかは、星新一氏の「ネコ」に詳しいのだ。

「夢葬」
 夢に葬られてしまえば現実からは消えうせてしまうのです。それこそ、夢のように。
 墓の数を八つにしたら絶対言われると思って減らしました! というのはまあ冗談で、語り手の友人で六番目の葬送ということで、夢葬と六葬を同じ「むそう」の読みでかけてみていたり。
  
「足引きヶ浜」
 そんなこと言われても、仏像さんだって色々と主張があると思うのです。「立像とか坐像とかそういう問題じゃねぇんだよ。海の中にやべーのがいるからまず武器くれよ。必要なのは武装だよ、武装」みたいな。
 でも手長足長を退治した慈覚大師の仏像は普通にビームをぶっ放しているので、そこらは頑張って欲しい気持ちです。
[一言]
>実りの秋
同じ話を私も叔父から聞いたことがあるのを思い出しました!確かそう言いながら、飲んでいた日本酒を一杯、柿の木の根元に撒いていたような。
今振り返ると、確かにその話を聞いたとき(まだ小学生だったはず)、お酒をまく叔父の姿を見て、ふと、『怖い』と思ったことを思い出しました。
日本中どこでも、このように言い伝わっているものなのでしょうか?不思議な気がします。
 感想ありがとうございます。
 タンタンコロリンという、自分の実を配って歩いたりする柿の木の妖怪の話がありまして、本話はこれを基に組み上げたものであります。
 お酒を撒く、供えるというのも清めや労いの行為としてままあるものですので、「この木はなんだかそんなことをしそう」「お酒にはそういう効果がありそう」といったイメージの根っこみたいなものがあるのかもしれませんね。
 水木しげるさんが妖怪千体説を唱えていらしたのも、こういう原型に通じる感触が各地で見られたからなのでしょう。
[良い点]
粒よりの短編集で、どれも気になるお話ばかりでした。オチにこだわらないものにも独特の空気を感じたり、情景や映像が浮かんでしまったり……つい夜更けに読み止まらず、という感じでした。
↓ここから長くなってすみません。

とりあえず百編ずつ拝読しておりますが、特に特に気になったお話について感想を書かせていただきたいと思います。

つめきり・子供が告げたとたん母が……に胸を衝かれました。夜爪を切ってはいけない、という古くからの教えをふと、思い出しました。
煮炊きの煙・古雅、風雅ということばがふと浮かびました。是非一度出あいたい絵です。
抱擁・イッセー尾形氏がビルの隙間に入り込んで取れなくなったコントを唐突に思い出し、よもや電柱の彼らも?? いや、もっと何かフェロモン的な何かなのか? と、とにかく、画的に最もインパクト大でした。
ささやくもの・読了ツイでも触れましたが、何故か脳内で吉田戦車氏描く雀の会話に変換されていました。あれも十分、怖いものなのか……? 意外なオチがまた、ぞわりときました。
亀戸へ・地名が妙に耳に残ってしまい、人形が告げるという地名にしては妙にしっくりしていて、何だかとても気になるお話でした。爆風スランプの「小岩に亀戸錦糸町、まさかの番町生まれかい?」が脳内をめぐってしまいました(笑)
居座る・最初からなぜか映像が目に浮かび、哀しくもそら恐ろしいお話でした。隙間に、というのがそれらしく、何度も読み返しました。
舞い踊る・ちょっと! ってくらい何だか微笑ましく。我が家は毎晩彼らが踊り明かしていることでしょう……
返される・返され方が何とも几帳面で礼儀にかなっているようで、それでいてどこかひやりとしながらも可笑しく、好みでした。
笑顔・何気なく他人事に耳を傾けていてはいけない、というよい教訓になりました……どこにでもいそうな人びとの底知れぬ悪意に触れるお話、けっこう好きです。
垂れ下がる・申し訳ない、何故か出だしから『来る!!』とワクワクしてしまいました。そろそろ出るかな、と期待していたのか? そして『来たーっ!!』うれしかったです。
パッチワーク・語り手の細かい切り替えがまるでパッチワークそのもののようで、ラスト一文の切り落とし方が秀逸でした。

他、語れと言われれば隅から隅まで語りそうです。
紙の本にして、枕元に置きたいものです。
[一言]
個人的好みでたくさん語ってしまいましたが、どんな人にとっても、どこかで何か、自分に近いものを見てしまうような、読むたびに発見のあるようなお話です。
ツイッタ―でもつぶやきましたが、『奇』オリジナル栞が欲しいです!
これからもしみじみと読ませていただきますね。
 感想ありがとうございます。
 ワンシーンに特化しての短編ですから、斯様に仰っていただけて幸せです。そして今後の話にもお付き合いくださると伺って、尚一層の心地です。
 あとオリジナル栞。俺に絵心があれば一点50円くらいで販売して、「100枚集めた人には青行燈くんをプレゼント!」とか企画をやれたのに……!
 以下、挙げていただいた各話に関してつらつらと。

「つめきり」
 まさにその「夜爪を切ると親の死に目に会えなくなる」という言い伝えがベースでした。
 理由はわからないけれど必ずそうなってしまう、というのは恐怖感と嫌悪感を掻き立てるものではないかと思います。

「煮炊きの煙」
 牧歌的な雰囲気が自分でも気に入りの一篇です。
 直接は見えないけれど、でも憶測ができる。そういう想像をくすぐる光景が好きなのです。

「抱擁」
 酔っぱらいがたまに抱きついてたりするよなあ、という事で出来上がった話になります。
 ただ抱きついているだけではアレなので、見上げたら明らかに異常、という形に仕立ててみました。インパクト大と評していただけて何よりであります。

「ささやくもの」
 吉田戦車氏の雀会話は寡聞にして存じませんでしたが、「聞き耳頭巾」的な本来聞こえないものを聞き取るところが思いつきの根っこでした。
 そして勘違いからいいように解釈をして、結局悪い目に落ちるのも昔話の悪役のお約束です。

「亀戸へ」
 歌川広重の「亀戸梅屋敷」という絵が好きでして、突発的に「亀戸」という地名を作中で使いたくなって作った話だったりいたします。
 人形頭の集う、梅屋敷ならぬ首屋敷でもあるのかもしれません。

「居座る」
 こちらは谷山浩子さんの「あたしの恋人」を聞いて発作的に書き上げました。
 哀しさと恐ろしさの雰囲気を損ねないようにと思ったのですが、今になるとオチをもうちょっと頑張りたかった気持ち。

「舞い踊る」
 細菌は人の食料に知らない間に繁殖していらっとするけど、でもこういうのがちょっぴりつまみ食いしてるのだったらまあ許せなくもないかな、みたいな気持ちの一篇。
 鎧兜な姿にしたのは完全に趣味です。

「返される」
 向こうも軽い気持ちでやっちゃって、それで「呪ってやるー!」って怒られたんで「しまった」って顔になったのでしょう。
 知らぬ顔を決め込まなかった辺りは律儀と言えば律儀ですが、家を把握されてるってのはなんだか嫌かもしれません。

「笑顔」
 盗み聞き、というのはお行儀が悪いものですが、最初から悪意がある発信も嫌だよなあと書いたものでした。
 どこにでもありそうな人のわりとありそうな悪意を描きたかったので、好きと仰っていただけてにんまりです。

「垂れ下がる」
 予想外のものが干されているという話を書いたつもりだったのに、見切られていた感じが若干悔しい。
 実のところ猥褻物陳列罪でしょっ引かれそうな光景であったりもします。

「パッチワーク」
 それぞれが語る異常事態を続けてきて、ラストで更におっことす、という構成は私的に気に入っているものでした。
 秀逸と仰っていただけて嬉しいです。えへへ。
[一言]
2013年から約5年間安定した文章を書き続けていらっしゃることに驚きです。
どれも短いお話ですが、ひとつひとつが印象的でありながら、何気ない日常の中に溶け込んでいました。

まだ読んでいないお話もありますが、「貝の囀り」と「すねげ」が特に印象的でした。
子供のころ、よく貝に耳を当てていたのですが、普段聴こえるショワ~という音に混ざって誰かの声が聴こえてきたらどうしようと想像した事を思い出します。
「すねげ」は……古本を買ったらページの間に数本の毛が挟まっていたのを思い出しました。
きっと、あの本も拗ね毛を生やしていたのでしょう。
  • 投稿者: 生吹
  • 2018年 08月18日 22時50分
 感想ありがとうございます。
「貝の囀り」は耳に貝を当てるという詩的なものとして描かがちなシーンで、何が起きたら嫌だろうという考えから仕上げたものでした。
「すねげ」はこの反対で、日本人形なんかは髪が伸びると怯えられるけれど、じゃあ伸びてても「ちょっと待てよ」くらいの気持ちで放置されるのはなんだろう、というところが出発点。
 ほぼ真逆のスタート地点を持つこの二話が、揃って印象に残れたというのはなんだか愉快だなと思いました。

 しかし改めてご指摘を受けると、なんだか随分長い事書いているような気がしてまいりました。自分では気づいてないネタかぶりがあるのではと戦々恐々とし始めもします。
 そんな作者の慄きはさておき、「ひとつひとつが印象的でありながら、何気ない日常の中に溶け込んでいました」とのお言葉、大変嬉しいものでありました。日常の傍らにある記憶に残る奇妙を描こうという掌編集ですので、まさに我が意を得たりといった感覚であります。
 話数の滅法に多い本作でありますが、今後もまたお運びいただけましたら幸甚に存じます。
[1] << Back 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  Next >> [47]
↑ページトップへ