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[良い点]
人も怪異も、双方何て気持ちの善いこと。
子供の危険に駆けつけられて、しかも冷静に叱れる人。
叱られて自分をきちんと省みて謝罪できる怪異。
心が晴れる気がしました。
 ただ頭ごなしに怒るのと、何が悪かったのか本人にわかるように叱るのとでは、同じ駄目出しでも結果が大きく異なってくると思います。丸い卵も切りようで四角、物も言いようで角が立つ。
 そして本話は、語り手側と怪異側、どちらか一方の善性だけでは成り立たない格好です。
 語り手の言葉にきちんと悪戯者が共鳴して自省したからこそであり、一種好ましい相互理解を描いたつもりでおりました。
 なのでそのさまを「心が晴れる」と評していただき、大変嬉しく存じます。
[一言]
主人公の俺は、もともとこの高校の学生で、卒業後に教員として戻ってきた。
たまたま過去の自分とシンクロし、または記憶がフラッシュバックしてしまったのが本編で、最後に今の教員としての自分を取り戻した。
という感じだと想像しました。
 短編は物語の後や行間を想像してもらってこそと思う俺ですが、「流石に飛躍し過ぎ」とツッコむべきか、「よくもそんなSF風味な設定を」と感嘆すべきか、今回は決めかねております。
[良い点]
妖魅を人が知恵で打ち負かす展開大好きです。
[一言]
昔懐かしいジバクくんみたいな顔を想像していましたw

 感想返信遅くなりまして申し訳ありません。

 俺もこういう展開大好きなのです。豆に化けた山姥を、餅で包んで食べちゃう和尚さんとか超クール。
 そしてジバクくん、画像検索してみました。
 このちょっと小憎らしいウメボシみたいなのが一斉にしてやられた顔になったなら、それは爽快だろうと思いました。
[良い点]
壁紙に移ったところで剥がされてお炊き上げされてしまうのが痛快極まりないです。
顔どもが「しまった!」と悔しがるのもまたおかしみが。
 感想返信遅くなりまして申し訳ありません。

 昔話よろしく、人間にだまくらかされる奇妙なものが好きなので、こんな話になりました。痛快と仰っていただけて何よりであります。
 そしてそれだけだと知恵比べに寄りがちなので、「しまった!」のシーンも盛り込みました。アクセントとして機能しましたようで、こちらも何よりなのです。
[一言]
語り手が助けなければ、そのまま何人も詰め込まれていき、最後には電話ボックスが破裂してしまうのだろうか。

それはさておき、詳しい事情を話さずにさってしまうということなので、おそらく閉じこめられているのは人に見えるけど野生の獣、おそらくはタヌキやらハクビシンやらであろうと推察する。
 みっしり詰まっている電話ボックスはヤバそうですね。某漫画のトラウマシーンが蘇ります。
「すごいよね人間て。普段使ってない筋力まで動員すればなんでもできるよ」

 そして閉じ込められていたのが野生動物という説も面白い。
 悪役っぽかった電話ボックスさんが、実は隠れて活躍してた風情すらでてきますな。
[良い点]
死の後に、かつて別れた人々と会える先があるから、人間は死が怖くなくなっていくのだと、以前物語で読みました。
視点主の言葉で書かれてはいないのですが、愛しい人だったのでしょうね。
床の間に飾る行為や、愛を語らぬ点こそが、奥床しい彼(彼女?)のひそかな愛情を伝えてくれるような気がします。
 死は全ての終わりではない。その後、その先にも続いていくものがある。そうした死後の世界的な思想は、まだ生きている人の救いでもあるのでしょう。
 ただ別れた人たちとの再会を楽しみにするばかりとなれば、それは簡単に生を擲つきっかけともなりかねぬと思います。
 なので本話も能動ではなく、「いつか隣に座れたら」みたいな感じになっていたり。

 仰る通り、「君」は語り手にとってとても愛しい相手であったのでしょう。
 友愛、親愛、恋愛、いずれの愛情でも共感できるようにという思惑があり、その形はぼかして描きましたが、語り手の言葉の間に横たわる深い感情を汲んでいただけて大変嬉しく思います。
[良い点]
うーん、ずいぶん精神的に逞しいひとな……の、かな?
そんな細いと言われる体格で……もう既に影響出てるとかでは……? ひぇ
 本人はまったく無影響のつもりですが、実はもうばっちり影響が出ています。
「子供の時分から偏食で、肉や魚を嫌ってきた」せいで鶏ガラのような体格と語っているのに、最近は昼から「血の滴りそうなレアステーキにナイフを沈め」ていたりするのです。
 偏食が治ってよかったね、というお話ですね、きっと!(後ろ暗く目を逸らしつつ)
[一言]
お久し振りです…。
やっと読みに来れたぞ!
最近現行で追えないでごめんなさい(´;ω;`)


『嘴病』
羽根じゃなくて嘴ってのが、業が深い感じがしていい。もしその猟師が我が子に生えた羽根ですら金にする業突く張りだったら、ご褒美になっちゃうもんねぇ。意地でも羽根は渡さんという意思表示なのか。人間の顔に鳥の嘴という絵面は、なかなかに強烈。たぶん神の使いじゃなくて、もっと邪悪な何かだと思うぞ。

『呼び寄せる』
一読して何か引っ掛かり(ごめんね察しが悪くて)、二回読んで「うわぁ…」てなった。これあれか。親父がやってることが原因だけど、自分たち家族 だけ は安泰だからいいやっていうことか。心霊現象と見せかけてヒトコワだったんやな。
後味が悪いっていうか、一族の子孫に何が起こるのか、負の期待でワクワクしてしまうな。

『腕相撲』
張り合ってるw でもわかる。引くに引けない状況ってあるよね。何かの拍子に正気に戻ってたら、結構ガクブルな案件だったのでは。引いても引いてもキリがないって、実際かなり怖いはずなんだけど、主人公が鉄メンタルすぎて笑ったw
無尽蔵っていうよりは、薄く長ーく引き延ばして時間を稼いでたのかしらん。ドラゴン〇ールの爆発シーンみたいだ…。

『悪影響』
深刻な収容違反が起こっとるやないかい! これは怖いな。サトリ系の怪異がゾッとするのは、もはや人間の本能かもしれん。名状しがたき混沌を想像しなくて良かったねぇ。拾わないでください、という文言も、逆に狡猾なやり口が透けて見えて質が悪い。
とどのつまり、凄く好みです(´∀`*)

『おすすめスポット』
これ好き。車に張り付く手形…といえば鉄板だけど、たまにはこういう交流があってもいいよね。手の表情って、シチュエーションと書き方で可愛くも怖くもなる。手は意外にお喋りなのかもしれんね。
ドヤ顔ならぬドヤ手で得意げなところ、とっても和む。

  • 投稿者: 雪麻呂
  • 2022年 08月22日 10時41分
 毎度ながら申しますが、ご高覧いただいて感想まで賜れるというのがもうありがたいわけでして。
 詫びるなどとんでもない。むしろこちらこそいつも感謝であります。


「嘴病」
 羽だとファッションで誤魔化せそうなので、そういった姑息がどうにも無理そうな嘴にしてみました。仰る通り、羽は抜いて利用されそうですしね。
 そしてそもそも山は人の領域に非ずなので、普段の何でもない行動で祟られたっておかしくはないのです。邪悪ってよりも、根底から常識が違うって感じなのでしょう。


「呼び寄せる」
 さらっと読めばなんてことないけど、実は棘が埋まってるシリーズでした。
 ご賢察のように、自分たちは安全だからオッケー、のスタンスです。
 むしろ既に先祖の因果が報いている状態で、代わりの生贄を捧げることでそれをどうにか免れている最中なのかも。


「腕相撲」
 男には負けられない戦いがある!
 語り手はかなりの強メンタル、肝の据わり具合でありますな。普通は途中で我に返って逃げる。
 そして腕の側の都合を考えると、案外そんな感じだったりして。双方ともある意味必死で、つまり互角の勝負だったのかもしれません。
 

「悪影響」
 言われてみればSCPっぽくも。
 拾わないでください、も好奇心と義侠心をくすぐる文句でいやらしいと思います。凄く好みと仰っていただけて嬉しい限り。
 ちなみにベースイメージは、希望が残っていたとも未来を逃がさずに済んだとも言われるパンドラの箱でした。


「おすすめスポット」
 手は口ほどに物を言う。『アダムスファミリー』のハンドくんとか、可愛いですよね。
 どや顔っぽい手の表情も伝わって何より、何より。
 あと、違う領分に住まう者同士であっても共感できる美が存在する世界ってのは、素晴らしいと思うのです。
[良い点]
いいなあ。お互い、わかんないけどわかり合っちゃう、こういう一瞬が大好きです。
 美しいとか優しいとか勇ましいとか愛おしいとか。
 そういう素晴らしいものたちは、人種だの男女だの老若だの生死だのの垣根を越えて、心をひとつにする力を持っていると思います。
 環境や立場を全てぶっ飛ばして、ふっと気持ちが繋がるような、わっと共感が広がるようなその一瞬が、俺もとても大好きです。
[一言]
大陸の呪詛にありそうな話。
夢枕獏先生の短編にありそうなところがとても好み。

……ここからオープニングになる伝奇小説よみたいなあ。
 先生のお名前を引き合いに出していただけるとは光栄の至り。
 しかしこれをオープニングにするには、ちょいと語り手にパンチが弱い気がします。
 いっそ箱の中身を主人公にするくらいの意表を突かねば、伝奇は名乗れないような。
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